小説『寝坊しただけでからまないでください。迷惑なんで。』
作者:てた・りる。()

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ミーンミーン…ジー…

「あっつ〜…玲人は暑くないのー?」

「ああ。俺はさっきコンビニで冷たいジュースを買ったからな。」

「えーいいなー…っていつの間に!」

「普通に買ったぞ?」

普通にツナの隣で買ってたんだが…

「そうだっけ…」

チリーン、チリーン

「ん?」



「うわ…この暑い中、メットにゴーグルって…」

俺たちの後ろからチャリに乗った危険な香り漂うスレンダーなおねーさんが…
ってあいつ、ビアンキじゃん!ほんと暑そうだな…

「ツナ、ちょっと危ないからこっち来い。」

「?うん。」


うわー。メットとゴーグルとったらすんげー美人だー。

「暑そうね、よかったらどーぞ。」

「あ…」

ポイッ、シャー…

親切にコーラ二つを投げてくれたが、叩き落とす!

バシッ!プシュー…

もったいないがしょうがないよな…

「れ、玲人?!」

「すまん、手が滑った。」

ブシュー…

音が変わったな。

「わ!と、鳥が!」

「うわー…これ死んでるぞ。」

「な、なんでー?!」

「とりあえず家に帰らないか?
それに、のどが渇いたんなら俺のでよければやるぞ?家についてからだけどな。」

「そうだね!」



「リボーン!大変だ!!
外!「で」ジュース!「から毒が出て」鳥が!「死んだ。」」

「んっ?」

「「んぎゃぁぁ!!」」

「お前樹液分泌してんのー?!!」

「うぇ…きも…」

リボーンの顔にカブトムシがたかってる。
マジできもい…カブトムシだって頭ではわかってるが、ワサワサしててきめえぇ…

「これは俺の夏の子分達だぞ。
情報を収集してくれるんだ。」

「それって虫語話せるってことかよ!」

「おかげで情報がつかめたぞ。
ビアンキがこの町に来てる。」

「ビアンキ…?
誰だよそれ。」

「昔の殺し屋仲間だ。」

「それって髪が長くてめちゃくちゃきれいな人?」

「ああ。よく知ってるな?」

「さっきそんな感じの人から…」

ピンポーン

「イタリアンピザでーす!」

「!」

そういえば、原作だとピザを届けに来たのは…

「あれ?ピザ?母さんいないのかな…?」

「まてツナ、俺が先に行く。
嫌な予感がするから。」

嫌な予感も何も知ってるけれども!

「へ?うん。」

ガチャッ

「あ、君はさっきの…!」

「お待たせいたしました。ボンゴレピザのお届けでーす。

 召し上がれ!」

「失礼。足が滑った。」

と言って俺はピザの箱を下から上に蹴り上げた。
すると、当然ピザは上に飛ぶ。

ようは、開いてた箱は閉まり、ビアンキの顔に箱が当たるわけだ。
顔にはガスマスクしてるから平気だろうけど。

「ぶっ!」

「ちゃおっす、ビアンキ。」

「リボーン…」

「わー…玲人、ほんと容赦ないね…」

「だって…毒吸い込むとか、嫌じゃん?」

「まぁ、苦しそうだよね…でも女性だよ?」

「命を狙われたらもう女性も男性も関係ないかなって。」

「そうだね。」

「迎えに来たんだよ。
また一緒に大きい仕事しよ、リボーン。」

「え?」

「やっぱりあなたに平和な場所は似合わない。
あなたのいるべきはもっと危険でスリリングな闇の世界なのよ。」

「言ったはずだぞ、ビアンキ。
俺にはツナを育てる仕事があるからムリだ。」

「…かわいそうなリボーン…」

「え?」

「この10代目が不慮の事故かなにかで死なない限り、リボーンは自由の身になれないってことだよね。」

「んな!」

「そーいうことか…」

「とりあえず帰るね。10代目をころ…
10代目が死んじゃったらまた迎えに来る…」

「ちょっ、何言っちゃってんの!
もう来ないでください!!」

「来ても殺り返すぞー。」

「ちょ、玲人もなに言ってんの!?」



「なんなのあの人ー!」

「あいつは『毒サソリ・ビアンキ』っていうフリーの殺し屋だぞ。
あいつの得意技は毒入りのものを食わす、『ポイズンクッキング』だ。」

「また変なの来たー!
どーなってんだよお前んとこの業界!!」

「ていうか、リボーンとさっきのビアンキはどういう関係なんだ?」

「ビアンキは俺の愛人だ。」

「おまっ!愛人って、意味わかってんのか?!」

「とりあえず、リボーン。お前の知り合いならなんとかできないのか?」

「…ツナ、玲人。人はいつか死ぬものなんだぞ。」

「急に悟るなー!!」

「はぁ…ツナ、しばらくはずっと一緒に行動しような。
 心配だから。」

「ごめんね玲人…」






さて、明日はどうしようか。ツナにわざわざ毒握り飯を食わさなくてもいいんだが、そうしたら俺が知らないうちに闇討ちされるかもしれない。
それは避けたい。
今までも有利に動けたのは原作知識があるからなんだから。

…たしか、毒握り飯を食った後は「足りねー!」って叫んでクラス中の握り飯を食ってなかったっけ?
それでクラスの男子からめっちゃ睨まれてた気が。

だったら、握り飯を大量生産していけばそれだけは回避できるな。
ツナは痛い思いをするかもしれないがそうしないとツナが強くならない。
しょうがないが、ツナには頑張ってもらう。

よし。明日のために米を…そうだな、5合くらい炊くか。




〜次の日〜

まぁ、いつもの事だがツナと登校中だ。
そして京子ちゃんが後ろから走ってきてる。

「ツナくーん!」

「あっ京子ちゃん!
おはよー!!」

そしてその後ろから禍々しいオーラを発しているビアンキが。

「人の恋路を邪魔する奴は毒にまみれて死んじまえ。」

「あ!」

「ツナ、京子ちゃん、ちょっとこっちにいてくれな?」

「どうぞ。」

と投げられたコーラ(3個)を俺は

「いらん!」

とビアンキ目掛けて叩き返すがよけられた。

京子ちゃんはツナに「今の人知り合い?」って聞いているがツナは「知らない人!」って答えてるな。
まあ、妥当な答えかな。

「ところで京子ちゃん。今日は調理実習でおにぎりを作るんだよね?」

「うんそうだよ。玲人君とツナ君にもあげるね!」

「うん!楽しみにしてるね!!」

「同じく。」

ビアンキのは期待してないんだけどな。




「「「調理実習で作ったおにぎりを、男子どもにくれてやるー!!」」」

わー。
よく考えたら結構ひどい言いようだと思うのは俺の気のせいなのか?
『男子ども』って女子みんなが言ってるんだぜ?

…!…
ビアンキの気配…クラスの前にいるな。
こっちに入れそうな隙を窺っているのか。
さすが現役暗殺者だな。俺は手出しできないし…


ビアンキが今京子ちゃんのおにぎりと自分のをとっかえた。
結構煙でてるのになんで獄寺と山本は気が付かないんだ?
特に獄寺。お前ビアンキの料理なんとなくでも気づけないのか?

「食べたら死ぬんだぞー!!」

よしよし。よく言ったなツナ。
じゃあ俺は持って来たおにぎりを出そうかね…

「足りねー!!」

お。ここだな。

「足りないんならこのおにぎり食べろ、ツナ。」

と見せたのは山盛りのおにぎり。
ちなみに具はおかか、鮭、梅、ツナマヨだ。
ツナが食べ始めたのを見て、周りを見渡してみるとクラスのほぼ全員がこっちを見ていたので、


「クラスのみんなもよかったらどーぞ。」

と言ってみた途端、

「「「いただきます!!」」」

という声とともにみんなの手が伸びていった。
なぜそんなに人気があるのかはわからないが、食べた人みんなが幸せそうにしているので気にしないことにする。
それに大体の予想はつく。

大方、『RTM(玲人様と綱吉様を見守る会)』の情報に俺の料理はうまいとでも出回っているんだろう。
ちなみに俺は知ってたぞ?
あいつら町中にカメラ設置してるから一回軽く調べたら出てきた。
まあ調べた時は小1だったからセキュリティーが甘かったから調べられたんだけどな。
よく考えたら中学生レベルのセキュリティーだったような…?

まあ細かいことは気にしない。
あんまり気にすると禿げちまうww

お。ビアンキが帰っていくな。これで一件落着…か?
もう一つなんかあったような…
なんだっけ?

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