小説『寝坊しただけでからまないでください。迷惑なんで。』
作者:てた・りる。()

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「っはぁ…あっつ〜」

「同感…地球には悪いが、こんな日はエアコンがある部屋でじっとしていたいな…」

ほんと今日は暑い。
なんでも、今年最高の猛暑日らしい。
そんな日にエアコンなしはキツイ。

「オレの部屋いかない?玲人。」

「そうだな…一狩りいくか?久々に。」

「レイアさんはやだよ?」

「えー。」

「まず簡単なやつで少し手合わせさせて!師匠!」

「はいはい。とりあえず部屋はいろーぜー?」

「うん。」

そういいながらツナは扉を…

ガチャッゴンッ!

開けたけど床で寝てたウザ牛にひっかかって止まった。

「あーあー、こんなとこで寝て…風邪ひくぞ?ってこんな暑い日には引くわけないか。」

ウザいのは風邪ひかないっていうし!

「玲人?そのことわざ違うと思うんだけど?
ってリボーンは日本の夏を満喫してんな!」

ほんと涼しそうだな。

「リボーン、そのそうめんどうしたんだ?」

「さっきゆでてきた。」

ん?後ろから異臭と紫の煙が…。

「あなたたちの分もあるわよ。」

「げ。ビアンキ」

「かっくらって」

「うわぁ!またそんな毒々しいものもって!
なんでお前ここにいるんだよ!」

「愛のためよ。」
「仕事のためだぞ。」

「リボーンは私がいないとダメなのよ。」
「お前の家庭教師を一部ビアンキにたのもーと思ってな。」

すんげー食い違ってんぞ。っていうか…

「ビアンキはツナを毒殺しようとしてなかったか?」

「そ、そうだよ!それにおまえ家庭教師らしいこと全然してないじゃないか
テストの前以外!!」

「ふふ。まだ子供ね…
いつまでもそんなことにこだわってるなんて。」

「つい最近の事だと思うが?」

「今開発してるのはポイズンクッキング?なの。
殺傷力二倍!!」

「「なおさら出てってくれ!!(…)」」

「私が受け持つのは家庭科と美術よ。
今日は家庭課実習をするわ。先に台所に行って準備してくるわね。」

「ちょっ待っ…!」

「…リボーン。ビアンキに家庭科が教えられるのか?
特に、調理実習。」

「そうだよ!ビアンキに教わったらすぐあの世行きだよ!」

「…じゃあ代わりに玲人がファミリーに入るんだったらいいぞ。
そしたら、ファミリーの仲間に教えてもらうからといえる。
どうだ?玲人。」

「ツナには悪いが…今はまだ入れないんでな。」

「玲人をファミリーにするのは絶対いやだ!」

「じゃあ、無理だな。」

「十代目〜。」

「この忙しいときに…」

階段を下りた先には先に階段を下りていたツナとスイカを抱えた獄寺がいた。

「何人んちの敷地に勝手に上り込んでんの獄寺。
ツナじゃなかったら即通報ものだよ。
スイカだけおいてさっさと帰ってほしいな。
だいたい今は厄介なことがあって忙しいのに…」

「それは本当ですか十代目!」

俺の嫌味はスルーですかさいですか。

「えっと、うん、まあとっても厄介かな…。」

「ビアンキという暗殺者がいる。」

「お前には聞いてねぇ!…ってお前、今ビアンキって言ったk…」

「あら隼人。」

「ア…アネキ…」

…この時って獄寺、無力じゃなかったっけ。
しかもうまそうなスイカも落ちてグシャグシャだし…

グギュルルル…

「す、すいません十代目!失礼します!
そして折川はどっかいけ!!」

「あ、獄寺くん…」

「誰が離れるか!」

しかも猛ダッシュで逃げてるし。
使えねーやつ。
とりあえず追いかけてみるか。

「獄寺が曲がっていったのは神社の方向だからとりあえず行ってみるか?神社。」

「うん!」



「そういえば、さ、さっき、獄寺くん、ビアンキの事、っは、ア、『アネキ』って…」

「腹違いなんじゃないか?髪の色違うし。」

「きょ、姉弟、だったの?!」

「本人に聞いた方がいいと思うぞ。」

「そう、だね!」

ちなみに今は階段ダッシュ中だ。そこまで急いでるわけではないんだが、普段はそんなに走んないツナにはちょっときつかったみたいだ。
あ、ぜはぜは言ってる獄寺発見。

「ほら着いたぞ。」

「うん。っふー…
獄寺くん!」



「あ、あの…ごめんね?せっかく持ってきたスイカ…
グシャグシャにしちゃって…」

ツナよ、それ違うと思うんだが。

「…アネキとは8歳まで一緒に住んでました…」

お、過去話だな。

「…〜その恐怖が体に染みついて、いまではアネキを見るだけで腹痛が…」

最悪だな。っていうかそんな状態で気づかない親に嫌悪感を抱くわ。
少し同情してしまうな。

「…うすうす感づいていたけど強烈なお姉さんだね。」

「ええ。大っ嫌いです。」

「それで嫌わないのは極度のシスコンか、マゾヒストだけだ。」

「俺はアネキに近づけません。十代目…アネキをこの町から追い出してもらえないでしょうか。」

「ええ?!そりゃあビアンキがいなくなった方が俺もいいんだけど…
でも俺じゃぁ…」

「作戦があります!
じつはアネキはリボーンさんに惚れる前に惚れてた男がいるんですよ!
その男にそっくりな男を見つけて会せれば地球の果てまででも追いかけていくはずです。」

「そんな簡単に見つかるわけが…」

「この男なんすけど。」

と言って写真を俺たちに見せた。

「…あー、これは…」

「こんな牛男見たことあるー!!」

と、いうことでウザいランボを探しに行きますか。
さっきツナの部屋で寝てたけど。


わー。ツナん家に到着ー。

「ん…ツナ、ビアンキは今台所で料理してるみたいだ。気取られないようにな。」

「玲人ありがとう。そーっと、そーっと…」


ツナの部屋の前とうちゃーく。

カチャ。

「お、いたいた。
ランボ、ランボ。ちょっと起きてくれ。」

ゆさゆさ

「…ちょいと貸してみ。」

「へ?うん、いいけど、いたずらしちゃだめだよ?」

「おう。わかってるって。さすがにこんな時は…
こいつの頭探るだけにするから。」

「確かにいたずらじゃないけどそれって犯罪の一種じゃない?」

「気にしない気にしない。
というより遊びでもヒットマンなのに頭探られて起きない方が悪い。」

「確かにごもっとも…」

「お、あったあった。」

「あ、ランボも起きたみたい。」

「むにゃ?
頭軽いもんね…?」

「おい、そこから動くなよ?」

「?!や、やだもんね!
じゅうむけられてにげないのはバカだもんね!!」

当たり前だがちょろちょろとうっとうしい…

「って、こら!こっちくんな!」

あんにゃろ、ツナの方逃げやがって!

「こら!そっちいくな!ツナが転ぶだろ!!」

「知るかだもんね!」

よしこの距離なら当た…

「っと、わ、わ!わぁあ!」

「ツナ!あぶなっ…」

とっさにツナをかばうようにしたため、自分がおろそかになってしまった。
結果、やってしまった。


ボフンという爆発音とともに、今の俺は姿を消し、代わりに

10年後の俺が、来てしまった。
10年前の俺が、来てしまった。


「れ、玲人?!
だいじょ…う…ぶ?
えっと、玲人であってる?」

「…はぁ。ああ、あってるよ。
なんて言うか…やほ、ツナ。」

「10年後の玲人なの?」

「そうだな。
これはそこにいるう…ランボの仕業なんだな?」

「うん、10年後ランボにビアンキを釣るための囮をしてもらおうと…」

「OK。おいランボ。
こそこそと…逃げようとしても無駄だぞ。」

「ぴぃ!」

「ぴぃ?」

「二つ言うことを聞いてくれたらブドウの飴玉たくさんやるぞ?」

「しかたないなぁ、おれっちが聞いてやる!」

「…一つ。これからずっと俺が言う指令はすべて聞くように。」

「e…」

「ちなみに答えは『YES』しか受け付けないからな?」

ブドウの飴が入った袋(5袋)を見せながら言った。

「YES!!」

「二つ目は、はじめの指令だ。
2秒目をつむれ。」

「YES!
いー…」

そういって目をつむったランボ目掛けて発射!

ボフン

「…玲人、いつもブドウの飴持ち歩いてるの?
10年後は?」

「いや、今日はたまたまだ。」

「けっほ…おや、若きボンゴレと…さようnぐ!」

「させねえよ?」

「えっと、10年後のランボ?」

「そうですけど、お願いしますマジ離してください。首締まってます。」

「逃げんなよ?」

「逃げませんから…」

「じゃぁよし。」

と言って離してやった。

「けほ…」

「さっそくで悪いんだけど、時間もないし単刀直入にいう。
指令だ。一階にいる女性に挨拶してからこの家から猛ダッシュで去れ。」

「まためちゃくちゃな…十年前の俺を追い出さないでくださいね?!」

といいつつ小走りで一階に降りていった。

「…玲人、10年の間に完全にランボをパシリにしてるね。」

「はっはっは。まあ細かいことは気にすんな。」

ぎゃぁぁぁぁぁ!!!
という絶叫が一階から聞こえ、そのすぐ後に
まぁてぇぇぇ!!
というビアンキの雄叫びが聞こえた。
そしてそのあとすぐにガチャッバタンという
玄関が開いて閉まる音。


「ひと段落したみたいだな。」

「そ、そうだね…」

「ちなみに、ビアンキなら今日は帰ってくるけど明日からしばらくいないぞ。」

「なんで?」

「んー…そんなことより、もうそろそろ時間だし、必要なことざっというな。
帰ってきたら少し泣いてると思うからぎゅってしてやってくれ。
それと、俺はいつもお前のそばにいるか―」

ボフン

「ちょ、ま、それどういう意味?!」

「…ツナ?」

ぽたぽた…

「れ、玲人?!
どっか痛いの?って、あ…(こういうことだったのかな?)」

ぎゅう…

「ツ、ナ?」

「何があったのかわかんないけど、大丈夫だよ玲人。
大丈夫だからね?」

「っ…うん。そうだな、きっと大丈夫だな…」

「…落ち着いた?」

「おう、ごめんな。いきなり泣いててびっくりしたよな。」

「ううん。10年後の玲人が帰る直前に泣いて帰ってくるって」

「へぇ?俺、10年の間に予知能力でもつけたんかな?」

「ちなみに、10年後の俺は最後なんて言ってたんだ?」

「『俺はいつもそばにいるから』だと思う…最後は言ってる途中で帰っちゃったからはっきりとは分かんないんだけど…」

「そっかそれのせいで…」

「?どれのせい?」

「いや、何でもねえよ。
それより、ビアンキの事はどうなった?」

「あ、10年後の玲人がランボをパシリにして大人ランボを呼び出して、ビアンキの囮にしてどっかいかせたよ。」

「そっか。そのほかにはなんか言ってなかったか?」

「今日はビアンキ帰ってくるけど、明日からしばらくいないって。」

「んー…一段落て言ってもいいのか?」

「良いんじゃないかな?」

「…よし、じゃあこのままグダグダにしてけば家庭教師の担当を元に戻せるかもな。
明日もう一回ビアンキが出かけた後に話をしよう。」

「なんで明日?」

「ビアンキがいない方が話しやすいし、実際にいないから任せられないって言えるだろ?」

「そうだね!…あれ?なんか一階からへんなにお、い…が…
って、ビアンキ台所の火つけっぱじゃん!!
急がないともえちゃうー!!」

バタバタッ

「…さっきの頭痛…十年後の俺が言ったのか?漫画でしか知らないようなこと…
てか、現在の俺が言ってなくても『俺』が言ってれば頭痛がするんだな…
気を付けねぇと…」



―――あとがき(?)―――

更新が遅れてさらにチビチビと…
誠に申し訳ありません!!

なんとか一週間に2本入れられるようにします!

ほんとすいませんでした!!!!

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