――玲人視点――
ツナの家に着くと、何やら不味そうな匂いといい匂いの混ざった変な匂いが漂よってきたので、悟った。
今日の体育祭は確実に大混乱になると。
まあ原作の方が大混乱だろうが、ビアンキの見た目に惑わされる男子は絶対に出てくるし、
獄寺と笹川兄は絶対喧嘩するし、このままだと負けちまう。
…RTMの力借りるか。
登録はしてあったものの一度も使ったことがないアドレスにメールを打ちながら、ツナを迎えに行った。
――間田荷視点――
今日は綱吉様と玲人さんの勇姿が棒倒しで見れるという情報が入っている。
俺たちシングル?sは運よく御二方と同じクラスになれたのだが、裏で博士と隊長とヲタクが何かしたんじゃないかと言われている。
俺は詳しいことは知らないが、否定はできない。
♪プルルル
ん?こんな朝からだ!!!
…とっさに両頬を叩いたが、ジンジンするだけで他に変化がないのでこれは夢じゃないといえる。
今来たのはメールだったが差出人が玲人さんだった。
もちろん、同じクラスなのでメルアドくらい交換してもおかしくないだろうが俺たちRTMはあくまで御二方が幸せに過ごしているのを見守る会であり、必要以上の接触はしないようにしているので俺に聞かれた記憶がないのに知ってくれているのが不思議…!
んなことウダウダ考えているより返信の方が先だ!
それよりも先に本文を読まねば!
『少し頼みたいことができた。
RTMのメンバーで、A組で、体力とチームワーク重視で三人集めてくれないか?』
なっ…なんで玲人さんが俺がRTMのメンバーだって知って…玲人さんだからか!
うん、そう思えばすべてに説明がつく。
さすが玲人さん!
そんな人から頼み事なんて信頼してもらってる証だ。
120%で迅速に遂行せねば…!!
――玲人視点――
下準備も終わったし、棒倒しまで寝ていようかな。
うとうとしてきたし…お休みなさい…
「玲人ー、出番だよー。」
…っちぃ!
「悔しそうな顔してもダメだよ!それ終わったら棒倒しまで寝てていいから、がんばって!」
「ほーい…」
俺はふらっと立ち上がり欠伸を噛み殺しながら列の最後尾に並んだ。
ちなみに、俺がやる競技は借り物競争だ。
やるからには勝つけどめんどくさいのは嫌だな…。
しばらくして俺の番が回ってきた。
ピストルが鳴り、駆け出してから気づいた。
5個くらいの障害物があったはずだが、落とし穴とか3mぐらいの高さのパンとかじゃなかったはずだ。
それに最後のお題BOXの中に微かにリボーンの気配がする。
ここまでされると呆れも通り越して尊敬すら覚える。
いったいどうやって先生とか丸め込んだんだか。
そんなことを考えながら余裕でトラップを抜け、障害物もクリアしていって、最後のお題BOXにたどり着いた。
ここであえてリボーンの出すお題を受けてもいいが、雲雀を連れてこいとかじゃねーだろーなー…
箱に腕を突っ込みガさゴソしてたら一枚握らされてそのまま押し出されそうになったが、全体重をかけて反抗し、近くにあった他の紙を取って腕を抜いた。
その後すぐ紙を開いてお題を確認すると、
『雲雀さんを連れてくる』
なんでだよ!俺リボーンが出した紙とは別の取ったよな?!
引いちまったからには連れてくるけど…応接室か。
速攻で連れてこなくちゃ負けちまう。そんなかっこ悪いのツナに見せたくないし。
しゃーない!!
「おおっとここで一番を余裕で走っていた折川さんがコースを大きく外れ校舎に入って行ったー!
いったいお題には何と書いてあったのでしょうか?」
「一つだけ絶対達成できなさそうなお題があった方が面白いと校長が入れたお題がありましたが、
まさかそれを引いたのでは…」
「そのお題とはなんですか?」
「あの雲雀さんを連れてきてゴールするらしいですが…」
「ええぇ?!それは不可能にもほどがありますよ!最悪病院送りじゃないですか!」
「あ!帰ってきたようで…す…よ!?」
俺は普通の方法では連れてこれないと判断し、応接室の扉を守っていた風紀委員二人を一発ずつで沈めて片方の扉を開けたら足だけ見えるように置いて、扉を開けた。
カチャ…キィ…
「…何か用」
「よー雲雀さん。」
「?!」
「少し時間もらっていいか?
雲雀さんにしかできないことがあるんだけど。
前の二人にはちょっと眠ってもらった。騒がれると面倒だし。」
「…何。」
「そんな睨まないでくれよ。今回は喧嘩しに来たんじゃなくて、体育祭の借り物競争で雲雀さんを連れてくるっていうお題を引いちまったんだよ。
ということで、連れてかれてくれない?」
「は?…面白いこと言うね。この僕に『連れてかれてくれない』っていうなんて…初めて言われたよ。
でも僕はそんな簡単に連れてかれる奴だと思うかい?」
「そういわれると思ったんで、選択肢を二つ言う。
強制的に気を失ってもらってお姫様抱っこか、
ここで諦めて担がれていくか。さあどっち!」
「俵。」
「はやっ!そんなに姫抱っこいやか?」
と言いつつ雲雀を抱えた。
「でも別に抱えて連れてかなくてもいいんじゃ…」
「失礼ー、走りながら言うけど今競技中なんだよね。
負けんのは性に合わないから連れて走るのよりこっちの方が早いからこっちを選んだんだよ。」
「おおっと!折川さんが帰ってきたー!!
さらにあの雲雀さんを抱えて走ってくるー!!
すごい光景です!」
「しかもあの速度のままなら余裕で一位になれますね!」
「今、たった今ゴォールッ!
もう一生見れないであろう光景を私は見ています!
お二人にインタビューしてみます!
感想などを一言お願いします!!」
「このお題出したの誰だ?一発殴りたい。」
「うるさいよ。噛み殺されたいの。」
「すいませんでしたこのお題作ったのは校長です本当すいませんでした噛み殺さないでください!」
「ほんの出来心だったんです!確率だと1/100だったのでまさか引くとは思わなくて…!すいません命ばかりはお助けをっ!!」
「じゃあデコピンで。」
「もう帰る。」
「おうあんがとなー。」
ドシュッ!
鈍い音が校長の薄い頭を貫いた。
校長は救護テントに連れて行かれ、俺は用事を済ませたのでさっさと寝ることにした。
ツナ、棒倒しになったら起こして…お休み…すぅ…
――ツナ視点――
玲人が寝始めると一眼レフを構えた瑞希さんが音もなくきて、玲人の頭のハチマキをススッと直して
顔が見えるように髪を耳にかけてからサイレントで撮りまくりだした。
5分くらいするとデータがいっぱいになったのか満足げに帰って行った。
だけど競技中にも関わらずカメラが結構こっち向いてる気が…?
??気のせいかな…
あ、次オレの番だ。行かなきゃ!
――――あとがき(?)――――
っはい!少し遅れましたが前回の続きとなります!
…すいません、体育祭ということで張り切りすぎましてガシガシ書いていったらいつの間にか
凄い量になりまして、これでも結構削った方なんです…はい…
次からやっと棒倒しに入ります!
それでは!