小説『寝坊しただけでからまないでください。迷惑なんで。』
作者:てた・りる。()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

あれから3年たった。

今ではすっかり沢田家と仲よくなり、幼稚園も無事卒園し、小学校にも入学した。
問題があるとすれば、いつの間にか俺がここら一帯を占めるガキ大将になっていたことと、
兄さんのブラコンがひどくなったことかな。

それを考えなければ普通に幸せな3年間だった。




「さようなら!」

「「「さよーなら!!」」」

これで今日も終わった…ねむい。
だいたい、小学2年生だぞ?簡単すぎて授業ほとんど寝てたな。
今日はテストがあったけど当たり前の満点だ。これで100点以外とかありえない。
テストって言っても九九を1の段から9の段まで全部暗記できるかってやつだしな。
授業中ほとんど寝てて、テストも満点だから先生たちの中では問題児扱いされてるけどな!

あと、ツナはこのころからダメダメみたいだ。
今日の九九も1の段と2の段以外全部間違えてたな。

この後はツナんちで九九の勉強だ。先生からプリント渡されたからな。

ツナは掃除当番だから先に家に帰ってからツナんちに行く約束をした。


…念じたら神様と話せるかなー。
聞きたいことあんだけど。

「なんでしょう?」

普通に話せるし。

「神ですから。一応暇だけどそんなに暇じゃないので手早くお願いします。」

俺の武器はどうなってんだ?

「それは今日あたりにあなたの母親が買うように仕向けました。」

買う?!どこで!っていうかそんなどこでも買えるもんなの?

「違いますよ。一つだけ紛れ込まして母親が買うようにしたんです。
それなら自然に入手できますよね?」

そういうことか。
もう一つあるんだが。

「ええどうぞ。」

力のコントロールの練習をさせてくれないか?
具体的には、練習場所と練習相手を提供してほしい。

「あー…そーれーはー…できますが、なぜです?裏山とかあるでしょう?」

公園でやったら変な目で見られた。
小学生が超人的なことしてたら変だろ?
裏山は、やろうとしたら熊が出たとかで立ち入り禁止なうえに見張りまでいて
入れなくなってた。

「そういう事なら、夜寝た後でしたらいいですよ。
普通に寝たらそのあとで練習させてあげます。」

ありがとうよ。
要件は終わりだ。…確認していいか?

「何をです?」

念じたらいつでもこんなふうに話せるのか?

「私が暇なら話せますよ。」

わかった。じゃあまた。






「つっくん?まだ帰ってきてないけど…」

ツナはいつまで掃除してるんだ?
まさか怪我とかしてないよな…

「じゃ迎えに行ってきます。」

「いつも悪いわねー。頼むわ。」



〜ツナ視点〜

やっと掃除終わったや…
かーえろっ!
玲人も待ってるし。

あれ?公園でたむろしてる人たち…4年生さんかな?
なんかこっちみてる?
あれ?こっちに来ちゃった…。

「おい。お前。」

「なんでしょう…?」

「玲人ってやつ知ってるか?」

「うん。知ってるもなにもぼく…」

「お前だったのか!」

「ひう!?」

(の親友って言おうとしたのに!)

「お前こっちこい。」

「…はい…」

「『玲人』見つけたぞ。」

「どんぴしゃかよ!すげーな!」

「あの…なんで僕は連れてこられたのでしょう…」

「お前、ここら辺を締めてるガキ大将なんだろ?」

「俺ら並盛の隣町のガキ大将なんだよ。ということで、やっちまえ!!」

「「おー!」」

「わー!!(泣)」




〜玲人視点〜

いつもの登下校ルートにいるよな…
お、なんだいるじゃ…?!
何連れて行かれてんだ!
知らない人について行っちゃだめっつたのに!!

「…やっちまえ!」

「「おー!」」

「わー!!」

くっそ、間に合え!

「やめろ!った!」

コケッ

「「「え?」」」

「……おまえら、許さないからな…」

「いや、今こけたのは完全にお前j…」

ごすっ

「ぅごっ」

「うっせぇだまれ!
あと大将はてぇあげろ。」

「「え…何今の…?」」

「あ、俺っす。」

「ツナは目つぶってて。」

「うん…。わかった。」

「俺のツナに手を出したこと、後悔させてやる。」

俺はまず、大将の足を払って前に転ばせ、腹にラリアットをかまし、浮き上がったところに上からとび蹴りをかました。そのあと周りで見てた子分1、2には腹を一発殴ってやった。
ここまでで約5秒。なかなかのタイムだ。

「「「うげぇぇ…」」」

「よし。ツナ、目あけていいぞ。」

「うん。って、5秒くらいしかたってないのに何が起きたの?!」

「気にしたら負けだぞ?俺だもん。」

「うっ…なんかそう言われるとそんな気がしてきたよ…」

「早く帰って宿題しちゃおうぜ?」

「うん!」







-8-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える