小説『いちかの鍵』
作者:いちか()

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心だけ


この道曲がると君といつも出会う坂道
期待して曲がってでも会えなくて落ち込んで
そして一人なんだか恥ずかしくなって赤面
いつもの道歩いてまた歌うよ

明日はちょっと早く家を出てみようか
明後日はちょっと遅く家を出てみようかとか
毎日毎日君とはなかなか会えなくて
でもやめられるほど簡単な感情じゃない

近づいて傷ついて離れて、さみしくて
私たちどの距離が幸せなの??
遠ざかる君の影涙は流せない
今日も明日もずっと、ねえ

坂道の向こうにいる君に
この距離が幸せだねって呟いた
手を伸ばしても届かない
坂道の向こうに見えた星
さよなら、またねと呟いた
この距離は縮まらない


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