小説『いちかの鍵』
作者:いちか()

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私はしぶとい女だから
今になってもあきらめきれない
振られても彼女が出来ても
あなたのことが好きなんです

でもあの日から君と私は
ぎこちない関係がうまれて
口を聞くこともできない
さみしいな 苦しいな

何度もあきらめようとした
何度も心に嘘をついた
何度も一人で泣いていた
何度も言った まだ大丈夫


苦し紛れの嘘が
どれだけの人にばれていたでしょう
得意な作り笑いが
誰に見破られていたでしょう

あの日からぐちゃぐちゃになった
私の物語はすべて
白に戻したいけど無理で
こぼれたインクこぼれた涙


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