小説『続・黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第一一話


 今日は鈴の家にお邪魔させてもらっている。何でも彼女の家は中華料理店らしい。そして今日は休日。昼食に誘われた織斑家&私はお邪魔することにしたというわけだ。

三人「「「おじゃましま〜す」」」

鈴「いらっしゃい」

鈴母「あら。みなさんご一緒で」

鈴父「おぅ! らっしゃい!」

 出迎えてくれたのは鈴と彼女の母。そして調理場からは鈴の父親が顔を出していた。

葵「お邪魔します」

鈴「好きなとこに座ってて!」

 そう言われて、私たちはカウンターに座った。席順は・・・まぁ言わなくても分かってくれ。(右から一夏・葵・千冬です by作者)

鈴母「あらあら、あの子ったら張り切っちゃって」

鈴父「好きな子の前なら当然だろ!」

 好きな子? 一夏か? これがうわさに聞くユリなのか? そう思って一夏と鈴を交互に見る。うん。確かにお似合いかも。

鈴「な、なによ///」

葵「いや。恋も前途多難だなと思って」

三人「「「あんた(お兄ちゃん・葵)にだけは言われたくない!」」」

 あれ? 違うの?

千「(ある意味前途多難だ)はぁ、私は塩ラーメンに餃子」

一「(お兄ちゃんの性格が壁だもん)私は・・・・醤油!」

鈴「(分かってたけど葵ってかなりの鈍感ね)分かったわ。葵は?」

葵「私は・・・この鳳スペシャルってやつを」

 なんか変わったモノを頼みたくなってこれを頼んだ。予想だがおじさんの日替わりランチみたいなものだと思う。

鈴父「お! 鈴やったな!」

鈴「ちょ!? お父さん!?」

 ん? なんでそこで鈴の名前が出てくるんだ? ふとした疑問を浮かべながらも料理が出てくるのを待つことにした。

鈴「ちょっと待ってて」

そういって鈴は厨房へとは言っていく。

 しばらく待っていると、千冬、一夏の料理が出てきて最後にわたしの料理が出てきた。
葵「酢豚セットか?」

 私の鳳スペシャルは酢豚、ごはん、中華スープ、サラダ、漬物だ。

葵「これって鈴が作ったのか?」

鈴「そ、そうよ///! わ、悪い!?」

葵「いや、悪くはないが。ふむ。実にうまそうだ」

 そういうと鈴は顔が真っ赤になっていた。

三人「「「いただきま〜す」」」

 まず酢豚に手をつけ口に運ぶ。ふむ。ちょうどいい酸味と上げ加減が絶妙な豚肉。肉以外も良い触感だ。ピーマン、タケノコ、たまねぎ、全て触感が言い。そして何より、

葵「うまい。パイナップルが入っていなのが良い」

鈴「葵もそう思うの!?」

葵「あぁ。実はあまりフルーツサラダも許せない派でな」

 何故野菜と果物を一緒にする? そしてなぜドレッシングをかける? あれが許せない。

一「えぇ〜。お肉が柔らかくなっておいしいのに」

葵「ん〜私はやはりこれでも十分だな」

一「そう? じゃあ私にもちょうだい!」

葵「ん。では口を開けて・・・はいあ〜ん」

一「ふぇ!?」

千・鈴「「なっ!?」」

葵「ラーメンだとこれの餡がつくぞ?」

一「え・・あ、うん。じゃ、じゃぁ・・・あ〜ん(は、恥ずかしいよ/// あ! でもこれってお兄ちゃんと間接キス!?)」

 そのまま一夏の口に運ぶ。

葵「な。うまいだろ」

一「う、うん///(あ、あ〜んなんかされたら、あ、味なんてわからないよ!?)」

 すると急に隣と前から冷たい何かがあたる。

千「(一夏だけずるい!)あ、葵。私も酢豚が食べたい」

鈴「(なっ!? 千冬さん抜け駆けするつもり!?)あ、葵! あたしも!」

葵「千冬はわかるが鈴はなんでだ?」

鈴「食べたくなっただけよ! 悪い!?」

 いや、悪くは無いが。

葵「つまむか?」

 そういって皿を渡そうとするが。

千・鈴「「食べさせて!」」

葵「りょ、了解」

 この後、私の料理が無くなるまでまるでひな鳥に親鳥が餌を与えるようなことを繰り返した。

葵「・・・・・ほとんど食べれなかった」

-10-
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