小説『続・黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第十話


 さて、マドカと咲夜をケルベロスに迎え私は家に戻ることになった。その日一日はすごかった。一夏と千冬が私から離れてくれない。一夏が料理を作っている間は千冬の膝の上にぬいぐるみのごとく座らせられ、背中からは・・・あぁ、忘れよう///! そうだ、あれは何かの誘惑だ! 私には子供と妻と愛人がいるんだ!!!

 そして食事中に私も小学校の方では新旧していた。まあ留年は無いからね。ちなみに一夏と同じクラスだった。(ちなみに神城とは違うとのこと。すごくうれしそうだった一夏が)。

一「あ! あと転校生が来たんだよ!」

千「ほぉ。どんな子なんだ?」

一「中国の子で」

葵「ん? 広島とかから来たのか?」

一「お兄ちゃんがぼけた・・・・・」

葵「いや。いたって真面目に聞いたんだが? そう言われるとは思わなかった」

 そういって久しぶりの一夏の手料理を口に運ぶ。うむ。やはり携帯食料よりうまい。というかあれと比べては一夏に失礼だな。

一「日本の中国地方じゃなくて中華人民共和国の中国ね」

千「外国からか。国際化したもんだな」

葵「引越しだろ? 親の転勤か何かだろ」

一「詳しいことは知らないけど。あ! 後その子お父さんたちがお料理屋さんしてるんだって!」

 ということは転勤じゃないわけか。

葵「で、名前は?」

一「えっと鳳(ファン)鈴音(リンイン)ちゃん!」

 中国か。いじめの対象とかじゃないといいんだが。

千「そういえば葵。明日からお前も学校に行けるのか?」

 いまは一夏がいるため呼び捨ての状態だ。

葵「あぁ、千冬姉(ねえ)さんにも心配させるな」

 今日からはしばらく任務がないそうだ。あとマドカと昨夜の実戦経験を積ませるためなんとかするそうだ。

千「い、いや、そうだな///(たまには姉と呼ばれるのも悪くないな///)」

一「(ぶ〜〜〜。お姉ちゃんばっかりずるい)あ、お兄ちゃんこれ!」

 そう言って渡してきたのは二つの手紙。差出人には束と箒だ。読んでみると二人とも元気でやっているそうだ。

 箒の方は簡単に言うと近況報告だな。あっちの学校でもうまくやっているらしい。で、問題なのが束の方だが・・・・

千「・・・・あのバカ! 何を書いているんだ!?」

一「あ、あははっ・・・束さんらしいと言えば束さんらしいね」

 そこに書かれていたのは『愛してる♪』とか『結婚しよう!』とか熱烈なラブコールだがどこまで本気でどこまで偽りなのだろう? それに束ほどの美人なら男性からも引く手あまただろう。何も私にこんなこと言わなくてもいいと思うのだが。

 その後自室に戻り明日の準備と二人に手紙を書いてて思った。

葵「束は今どこだ?」

 あいつにGPSをつけるわけにもいかないしサーチャーでも仕掛けるか。いやあいつのことだ。興味本位で解析するからダメだな。さて、どうするか。

 翌日登校時にポストに箒の手紙は投函したが、

一「お兄ちゃん。束さんにはどうするの?」

葵「・・・・こうやってれば勝手にとっててくれないかな」

 そういって手紙を手天高く―――といっても腕を真上に伸ばすとパッと一瞬にして手紙が奪われた。鳥かと思ったが真後ろに、

束「やったぁ! あっくんからのラブレターだ!」

 ・・・・え? どこから現れた!? いま海外逃亡中じゃないのか!?

 だがそれよりも驚くことは、

千「束。またそんないい加減なことを言うな!」

束「ち、ちーちゃん!? ちょ、その右手はまさかぁああああああああああ!!?」

 束の断末魔を聞きながらわたし達は学校に向かうとしよう。うん。それが正しいな。

 そう思い歩を進めようとしたら。

束「もぉ〜。あっくん! そこは愛しの未来の奥さんである束さんをさっそうと助けるべきだよ♪」

 あれぇ!? 今さっきまで千冬のアイアンクロー食らってませんでした!? 復活が早すぎるぞ!?

束「束さんは日々常に進化するのだよ!」

 これ以上進化してどうする・・・・。

束「ん〜、あっくんの感触を楽しみたいところだけどこれ以上長居するわけにもいけないからこれにて!」

 そういって振り向くとそこにはもう影も形も無かった。本当に天災だ。あいつは。向うでは千冬が大きくため息をつき、こっちでは千冬が苦笑をしている。

 そういって学校に就つくとまず職員室に行き、休んでた理由を話す。まぁ適当にはぐらかすが。その後一夏と一緒に教室に向かうと、

???「おはよう! 一夏!」

 そこに立っていたのは茶色がかった長い髪をツインテールにしている元気な子供。

葵「一夏友人か?」

???「一夏。こいつ誰?」

 同時に似たような質問をされた一夏。それを聞いて自分がすべきことをちゃんと理解しているこいつもなかなかすごい。

一「えっと、お兄ちゃん。こっちが機能話した転校生の鳳鈴音ちゃん。で、鈴ちゃん。こっちが私のお兄ちゃんの」

葵「神無月葵だ。名字が違うのはいろいろと理由があるからだ。出来れば気にしないでくれ」

鈴「分かった。で、あんたのこと葵って言うけどいい? かわりにあんたも私のこと鈴って呼んでいいから」

葵「あぁ。後鈴から見て私は女性と男性どちらに見える?」

鈴「は? 何言ってんの? どう見ても女で―――あれ? でも確か一夏あんたさっきお兄ちゃんって・・・・」

 ・・・・あぁやっぱりそう思われるわけか。

一「うん。お兄ちゃんは男の子だよ」

 数秒の空白。そして信じられないという鈴の目。だが、すぐ起動する。さて、予想どうりなら鼓膜破壊の数秒前。

葵「一夏少し我慢しろ」

一「え? あ///」

 そういって一夏の耳をふさぐ。あれ? これなんかで経験したことあるぞ?

鈴「えぇええええええええええ!!!?」

 鈴の咆哮と、一夏のゆでダコの出来上がり。

 さて、あの後は通常授業を行った。だが、まぁ、良くあることなのか毎時休み時間のたびに。

男子1「おい。中国人」

鈴「・・・・・」

 まぁよくあるいじめだ。あぁ何だろ。昔に多様なことあったよな〜。しかし鈴は強い。無視するということも一つの術だ。下手に反応すると相手は調子に乗る。

男子2「おい何とか言ったらどうなんだ!?」

男子3「中国人なのに中国語しゃべれねぇんじゃないのか?」

 そういって男子三人組は大爆笑をしていた。

葵「なにがおかしいんだ?」

 そういって鈴の隣に立つと、

男子三人「「「誰だよお前!?」」」

 あれ? こいつら確か。

葵「覚えていないのか?」

男子1「覚えてる? 何が言いたいんだ」

 そうか。なら、

葵「そうか。なら記憶を呼び起こすために内部から脳に強い衝撃を与えるか」

―――スパァアアアアン!!!

 空気中にものすごい破裂音がする。その音を聞いた男子三人ガタガタとなぜか震え始めた。

葵「どうした? 記憶から引き出されたか?」

男子2「お、お前はあ、あの時の!?」

葵「ようやく思い出したか。いい加減学習しろ。ふざけている暇があれば勉強に励め。学生の主な仕事は勉学だ」

男子三人「「「サーイエッサー!!!」」」

 そういうと男子三人は敬礼をして自分の席に座っていく。

 周りの生徒からは、「あの大将を一瞬で?!」や、「英雄だ! 英雄が舞い降りたぞ!!」とか、「救世主だ・・・救世主が降臨なされた」とか言ってた。というかどんだけ影響力あるんだあの子?

鈴「あんた・・・やるわね」

葵「何がだ?」

鈴「二組の厨二病患者、三組の現役大将と言えばこの学校でも有名よ」

一「お兄ちゃんはその片方を一瞬で黙らせたんだよ!!」

 何その昭和臭漂う異名は・・・・。まぁ、体格はいいんだよな。相撲とかに出たら結構いい線いけると思うけどな。

鈴「そ、それから助かった/// ありがとう///」

 鈴は恥ずかしいながらも礼を言ってくる。

葵「いや。別にそんな大したことをした覚えはないんだがな」

 そう話していると、

???「一夏!? 鈴!? 大丈夫か!? いじめられてないか!?」

 扉を開けて入ってきたのは銀髪オッドアイの少年(?)。顔が整っているから何ともいえんが。

一・鈴「「げっ・・・・」」

 すると、二人はなぜか私を盾にするように私を前に出す。

???「!? 貴様! 一夏と鈴に何をした!?」

葵「騒ぐな。うるさい」

???「なに!?」

 あぁ、なんか余計ややこしい方に向けてしまったみたいだ。

葵「それに私は彼女たちには何もして「していないなら何で二人が隠れるんだ!?」本人に聞け」

 あぁ、疲れる。何だろ、コイツ話していると精神的というか肉体的にも疲労がたまる。


SIDE帝


 知っていると思うが俺はこのオリ主の神城帝だ。

 ここまでで俺はある意味驚愕していた。俺が知っているISの世界とあまりにもかけ離れていた物を。俺が知っているISは束が作ったもののみ。だがこっちでは篠ノ之式ISと秋山式ISと二つに分かれている。まぁ、俺というイレギュラーがいるんだ。些細な問題だろ。

 そんなことよりも小学校五年に上がる前に箒は引っ越しをしていったことが分かった。まぁ理由は分かっている。あんなことがあったんだ。 駄菓子菓子!俺がその関係を修復して見せる! そして二人を俺のハーレムに入れるんだ!(原作ほど仲は悪くない。むしろ良好である。 by作者)
そして、五年生になると鈴が隣のクラスに転入してきた。まぁ俺のハーレム入りは間違いないがな。そして、今まで俺は鈴をいじめるガキ大将から護ってきた。まぁ二人ともオレにべたぼれなのは間違いない。そして今日もまた助けようとしたが、

帝「一夏!? 鈴!? 大丈夫か!? いじめられてないか!?」

 扉を開けるとそこには知らない男が一人いた。

 二人は俺が登場したことで安堵していた。コイツ、俺の一夏と鈴に何をした!?

帝「!? 貴様! 一夏と鈴に何をした!?」

???「騒ぐな。うるさい」

帝「なに!?」

 すると、こいつは溜息をつきやがった。

???「それに私は彼女たちには何もして「していないなら何で二人が隠れるんだ!?」本人に聞け」

 そういって一夏たちに聞くと、

一「何もされてない(そもそもお兄ちゃんがそんなことするわけないじゃん! もうお兄ちゃんとの時間を邪魔しないでよ!!)」

鈴「一夏の言うとおりね(こいつは出会ったときから虫唾が走るって言うか何って言うか気味が悪いわ)」

 そうか二人とも俺に心配させないために、そしてこんな奴でも俺が誰かを傷つけさせないために。分かった。二人がそういうなら俺は引こう。

帝「二人に感謝するんだな」

 そういって俺はさっそうとその場を去る。最後までかっこよく行かないと名。


SIDEout


 なんだったんだ? 台風みたいなやつだな。

葵「なぁ、一夏、鈴。あいつは一体―――って!? 二人とも大丈夫か!?」

 振り返ると一夏と鈴の表情が笑顔・・・なのだが目が笑っていない。本などで呼んだことがあるが笑顔というのはうれしい時もそうだが威嚇の意味もあるらしい。いや、これは威嚇というレベルではなく怒りとでも言うべきじゃないのだろうか。

一「フフフフッ。どうしたのお兄ちゃん? 顔が真っ青だよ?」

鈴「あはははは。ホント。おかしくも無いのに笑いが止まらないよ」

 あぁ、こいつらはここまで壊れるまであいつが嫌いだということが分かった。後二人を怒らせないようにしよう。うん。

-9-
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