第三一話
SIDE???
IS学園正門
???「ふぅん。ここがIS学園か」
その場に立っていたのは若干茶色がかった長い髪をツインテールにまとめた女性。
???「ここに一夏に、それにあいつもいるのよね・・・・」
どこか思い出に浸って、誰かを思い出していた。
???「それにしてもあいつがまさかIS動かすなんてね。なんとなく不可能なことなさそうだけど。さって! 受付に向かいますか!」
そういって足かろやかに受付に向かっていった。
SIDEout
あの一夏のある意味別の一面を垣間見た瞬間の翌日、今日からどうやら実際にISを使った実践授業になるらしい。というわけで今はアリーナにいる。ただIS学園に支給されているISも数が限られている上に時間数も通常の高校が行う科目にさらにISの科目がプラスされるといって二クラス合同で行うらしい。で、一組と二組、三組と四組と別れるみたいだ。
千「ではこれより実践授業を行う」
女子はISスーツに着替え上からジャージを着ている。教師である三人は普段着、というかスーツだな。
千「では葵、オルコット、織斑ISを展開しろ」
葵「ちなみにどちらを?」
千「そうだな。―――白で」
葵「承知」
そういってエクスに声をかける。
葵「〈エクス。頼むぞ〉」
エ
葵・エ()
まぁ実際に口に出すわけにもいかないのでこうするほかないわな。
千「0.025秒」
真「は、速すぎですよ!?」
ナ「まぁ教官なら普通じゃないかしら」
千「次に武装の・・・・葵はすでに行っているか。織斑とオルコットは武装を展開しろ(同時展開。もはや第三世代よりも先。第四世代あたりか)」
千冬がそういうと二人はそれに従い武装を展開する。一夏は雪片をセシリアはスターライトmk2を出す。二人ともそこそこ良い速度だ。でも、
千「遅いぞ織斑。0.5秒で出せ」
一「は、はい」
うむ。まだ遅いか。一番いいのはIS展開時と同時に武装も終わらせることだがな。
千「それに比べてオルコットはさすが代表候補生といったところか」
珍しく千冬が誰かをほめたがこれはあれか。持ち上げといて、おとす。
セ「あ! ありが「ただしそのポーズは止めろ。真横に重心を向けてだれを打つ気だ?」え、えっと、ですがこれは私のイメージを「直せ。いいな?」・・・はい」
上下関係はきっちり明確に出ているな。一年一組、いや。下手をすれば学年全体のトップに出るんじゃないか?
千「次はISの基本的な引こう操縦の実践に移る。織斑、オルコット、葵その場から急上昇しろ」
そう言われると飛翔を展開して、
葵「では参る」
翼をはばたかせる間もなく急上昇する。
SIDE一夏
その翼が展開された時周りの女の子は驚嘆し、同時に見惚れた。
一「あれがお兄ちゃんのISのブースター?」
機械的なモノではなく本当に天使や堕天使のような翼。でもきれい、美しいという言葉がしっくりくる。
千「近いようで遠いな。秋山式のISについては深く説明されていないが織斑が言ったようにうブースターみたいなモノだな。飛ぶという意味では同じだが機械的なモノが篠ノ之式に対し鳥のような生物的なモノが秋山式だ」
ただどうやって動いてるかは不明だがなと付け足すお姉ちゃん。さすが先生をしてるね。普段はあれだ「織斑、余計なことを考えてないだろうな?」
一「イ、イエナニモ」
千「それよりも織斑、オルコット! さっさとお前らも行け!」
そう言われて私たちも行くんだけど・・・・
千「何をのろのろしている! スペック上の出力は白式の方が上だぞ!」
後方からお姉ちゃんのありがた〜い激励を受けるけど・・・
一「えっと急上昇は確か・・・「一夏」お兄ちゃん?」
急上昇のイメージをしていると近くにお兄ちゃんが来ていた。
葵「イメージは所詮イメージだ。自分に合ったものじゃないと意味がないぞ」
一「お兄ちゃんはどうやって飛んでるの?」
葵「まぁこんな形だから鳥が羽ばたいてるイメージだな」
セ「あら。でしたらわたくしたちのようなものはどうすれば?」
セシリアちゃんが純粋な気持ちで聞いて行きた。ちょっと前からは想像できないよね。
葵「そうだな。単純に言えばアニメや漫画でロボットが飛んでるイメージというのがしっくりくるだろうな」
なるほど〜。あのブースター? でいいのかな? あれに火がついてどかーん! ってどんで行く感じかな。
セ「あまり過剰なモノを想像しますとその絵ずらどおりになりますわよ?」
セシリアちゃんが若干苦笑をしつつもアドバイスをしてくれた。てことは何事もほどほどにって感じかな?
一「でもやっぱりぱっとしたイメージは湧きにくいよね」
セ「あら。でしたら説明してもかまいませんが長いですわよ?」
一「えっと・・・ちなみに聞きますけどどれぐらいから?」
セ「反重力力翼と流動波干渉のお話になります」
・・・・・ざっと一講義分ありますよね? それ。
一「謹んでご遠慮させていただきます」
丁寧に頭を下げて断った。
葵「むっ。ちょっとばかし気になる話だったんだが」
セ「え? ですが葵さんはどうしてそのような話を?」
葵「なに、それを応用すれば何かに利用できると思ってな(GIのスーツか変に応用できるだろうしな)」
するとそれをきっかけにお兄ちゃんとセシリアちゃんがだんだん二人だけの世界に入って行っていき・・・あ。この展開はまずい!
しかし、私の心配は終わった。
箒「兄さん! いつまでもそんなところにいないで下りてきてはどうですか!!?」
山田先生のインカムを奪ってそう告げてくる箒ちゃん。GJだよ!! それにしても、
一「けっこう距離あるのに箒ちゃんの表情までもがはっきり見えるなんてすごいな〜」
そうやって感心していると、
葵「まぁそれはそうだろ。一夏考えてもみろ。広大な宇宙で相手や母船での距離感というのはかなり重要だ。さらに星の位置で自分の位置までも計測しないといけないんだ」
セ「そのための技術ですわ」
お兄ちゃんやセシリアちゃんは知識などが豊富で勉強になるな。箒ちゃんだと擬音語や擬態語が多くて・・・何って言うのかな長○名誉監督みたいな感じ? わかる人にはわかるんだろうけど私には無理。
千「(良くやった箒)葵、織斑、オルコット。次は急降下と完全停止を行ってみろ! 目標は10センチ!」
セ「はい! ではお先に失礼しますわ」
セシリアちゃんは10センチジャストに停止。続くお兄ちゃんも10センチジャストだ。中には自慢げに5センチやらで止まる人もいるけど、言われた場所で止まる方が難しいと私は思う。
一(10ちょうどは無理かもしれないけど出来るだけ近づけないと。イメージは―――)
お兄ちゃんの言われたようにブースターで飛ぶ感じの逆。つまり降りるイメージをした。でもこれは・・・・
一「ちょっと失敗したどころじゃないよこれ!!? お兄ちゃんそこどいて―――――!!!?」
葵「ん? ・・・・はぁ、一夏」
するとお兄ちゃんの翼が大きくなったけど私は止まることを知らないイノシシのようにそのままお兄ちゃんに激突。地面に大穴を開けると思ったけど、
一「あれ? 痛くない」
そして目を開けてみると、
葵「大丈夫か一夏?」
お兄ちゃんがしっかりと受け止めてくれていた。しかも空中で完全に止まっている状態で。
一「あ、ありがとう///。それにしてもよく止められたね?」
葵「コツと技術があればなんとかなる問題だ(地球に向かってくる隕石を素手で止めろなんて無茶な指示もあったからなあの三人の指導だと)」
その後はちょっとお兄ちゃんの胸の中を満喫していると・・・はい。叩かれました思いっきり。でもあれがIS専用ブレードじゃなくて良かったかも。絶対防御も貫通するよお姉ちゃんだと。
授業が終わると私以外がなぜか皆に連れられてどこかへ・・・・あれ? 何で一人ぼっち?
SIDEout
あの後クラスの皆に連れられてきたのは食堂。
葵「どうかしたのか?」
話を聞くと一夏の代表就任パーティを開きたいそうだ。だが残念ながらそちらに回すほど食堂のおばちゃんたちも暇じゃない。
葵「で、作れる人間が集まって作ろうじゃないかということか」
すると、皆が首を縦に振る。だが、うん。そっちの方が早いか。
葵「アギト、リイン、エクス、ルミル」
四人が姿を現す。
箒「?! あ、葵、そっちの二人は!?」
葵「ん? 私のIS、黒騎士と白騎士だが?」
なぜそんなに驚いているんだ? あ。そうか、こいつらの紹介はしなかったな。
葵「エクス、ルミル自己紹介」
エ「はい! マスターの神kじゃなかったISの白騎士ことエクスです!」
ル「エクス同様マスターのISで黒騎士のルミルだ」
二人が自己紹介をすると、
セ「ISが擬人化・・・ど、どういうことですの!?」
女子「こんなことってあるの!?」
葵「さぁ? 前代未聞らしいぞ」
で、何をするんだと言ったらのほほんとした空気を持った少女、確か布仏本音だったか?
本「あたりだよ〜あっちゃん」
葵「あっちゃん?」
本「葵だからあっちゃん!」
・・・・こいつの脳は天災(束)と同じか?
葵「で、本音「そこはのほほんさんでいいよ」の、のほほんさん? 私が料理するの話分かった。後は人では・・・・いっか」
そういって私は厨房に入ると同時に壁にかけてあった私のエプロン(黒色の生地に右下に白ネコに引きが寄り添っているデザイン)をかけ、
葵「エクスとルミルは材料を運んでくれ。アギト、リインは食器をこっちに運んでくれ」
四人「は〜い(分かった)」
葵「では始めるか。食材の貯蔵は十分か?」
エクス「肉よ〜し!」
ルミル「魚問題無し」
リイン「野菜よし!」
アギト「果物よし!」
では始めるか。
SIDE第三者
箒「相変わらず見事だな」
箒の一言に始まった。皆厨房を凝視していた。本来厨房に入れるのは食堂のおばちゃんぐらいだが今は高校一年生の男性が一人でいくつもの行動をとっていた。
野菜を切り、肉をいため、魚を蒸し、果物をジューサーにかける。
本「ほえぇ〜〜。あっちゃんすごいね〜〜!」
他の女子生徒もその包丁さばきやらフライパンさばきなどを見て驚愕していた。
そしてなんといってもその漂う香りや盛り付け方も一級品だ。
セ「この盛り付け方・・・・三ツ星にも負けませんわよ・・・」
女子「一般的な家庭のもある。でもおいしそう!!」
女子2「ねぇ葵君! 今冷凍庫に入れたのって何!?」
女子3「アギトちゃん、リインちゃん。運ぶの手伝うよ」
それぞれ様々なことをしながらすぐに準備が終了した。
SIDEout
そこから時間にして数十分後。
――パパァ〜〜ン!
全員「というわけで織斑ちゃん! クラス代表おめでとう!!
一「・・・・・・え?」
一夏は今目の前で何が起こっているのか処理をするのに時間がかかってるみたいだな。
一「どういうことお兄ちゃん?」
葵「つまりお前のクラス代表の就任を祝う会みたいなものだ」
私は一夏に皿とコップを渡し好きに食べるといいコップを持って食堂の窓際に移動した。
葵(久しぶりに酒が飲みたい気分だが我慢するか)
そう思いコップに入ったウーロン茶を飲む。すると隣から、
千「騒がしいと思ったらもう始まっていたのか」
ナ「あらあら。若いって良いわね♪」
真「いえいえい。ファイルス先生も十分若いでしょ!?」
遅れてやってきた教師陣。
左隣にはエクス、ルミル、右隣にアギト、リインがそれぞれコップに入った飲み物を持って私の元へ来た。
アギト「兄貴、酒が飲みたいって顔してるな」
葵「ここにきてからはあまり飲んでないな。海外に行ってた時はちびちびと飲んでいたんだが」
エクス「マスターは日本酒はですからね」
ルミル「近いうちにあっちに行くか?」
リイン「あぁ心の世界ですね」
そうだな。近いうちに行って飲むか。桜の散る夜、満月に酒。あぁ考えただけでも良いな。
千「ん。ここにいたのか兄さん。それとこいつらは?」
そういってエクスとルミルを指す。軽く説明するとファイルスと山田教諭は仰天していたが千冬だけは、
千「あぁあの人も人外だと思っていたがレベル的にえば天災と同じか」
と半ば無理やり納得していた。
するとここにある来訪者が来た。
???「お! いたいた。噂のエースこと織斑一夏ちゃん!」
一「えっと、あなたは・・・あ、先輩でしたか!」
リボンの色を見て判断したみたいだ。
薫「まぁ一年寮に二年がいるのは異様よね。さて、それはさておき私は新聞部副部長の黛薫子と申します。はいこれ、名刺」
一「え? あ、ご丁寧にどうも」
その後、何やらいろいろと質問されたじろぎながら答えていた。そして最後にと黛とやらが言うと、
薫「では今後の意気込みをお聞かせ願います!」
一「お兄ちゃんの御褒美ためならたとえ火の中水の中ISの群れの中でも頑張ります!」
葵「・・・・・それを最後に言うか」
まぁあまりにも決定した時やる気がガタ落ちだったのでクラス対抗戦で勝てば一勝ごとに不可能じゃない範囲でお願いを聞くと約束した。無論前もって結婚やら入籍はダメと伝えておいた。前科があるからな。おかげで人生が決定しちまったよな。
千「初耳だぞ兄さん」
ボソっと私に聞こえるようにつぶやく千冬。
葵「あぁでもしないとやる気が出ないだろ」
薫「これはねつ造する必要性はなさそうね。それに下手すれば近親相kげふん! アツアツの兄弟愛が見れそうだし」
今危ない単語が寸前まで出てなかったか? 後ねつ造する気だったのか!? いいのか新聞記者として!!?
薫「さてはてではその約束をしたお兄さんにインタビュー!」
レコーダーはこちらに向けてきた。
薫「可愛妹さんがクラス代表となりましたがお兄さんとしての心境は?」
葵「まぁ、おめでとう。そして頑張れだな」
薫「えぇ〜それだけ? がんばれば俺の熱い抱擁が待ってるぜ!! みたいひっ!?」
ん? どうした? 悲鳴じみた声が上がったぞ?(ちなみにこの時後ろでブラックなE☆GA☆O☆を見せていた千冬さんでした)
薫「そそそそ、それでは世界で三番目の男性IS操縦者として一言お願いします」
ん〜。と言われても何も無いんだがな。
ル「〈マスター。いつものあの一言でいいのでは?〉」
エ「〈そうですね。あれならマスターらしいですし〉」
アギト・リイン「「〈〈そうですね(だな)〉〉」」
葵「〈そうか? なら〉そうだな。我が体は大切な者を護るための盾、我が剣は我が大切な者に牙を剥いた者を討つために在り。故に我に敗走も敗北も許されない」
???「お! 意味しげな言葉だね。どういう意味?」
葵「意味か。というかいつの間に来た楯無?」
隣を見ると黛と同じで制服できており、料理を片手にしゃべっていた。
葵「別に食べるのは勝手たが一声かけろ」
楯「いやぁ〜薫子ちゃんに今から一年のところに行くって言ったから面白そうなことが起こりそうだからついてきちゃった♪」
そういって次の料理に手を出しながらしゃべっている。
葵「ついてきちゃったって後モノを入れてあまりしゃべるな。後ほら口にソースがついてる」
楯「え?! ちょ、ちょっと///!?」
そういって口の片隅についてたソースをポケットに入れていたハンカチで拭きとる。
葵「で、意味だったな。って大丈夫か?」
楯無しの方を見ると顔を真っ赤にしながらあうあうといってる。ホント大丈夫か? あ。子供たちにしていることをつい癖でやったのがまずかったか。
葵「そのすまんかった。つい癖で」
楯「ふえ!? だ、大丈夫! う、うん大丈夫///」
薫「へぇ〜こういうたっちーも珍しいね。これは写真を撮って、保存して「ちょっと!? 薫子!?」気にしない気にしない。で神無月君だっけ。その意味は?」
あぁそうだったな。
葵「自分にとって大切な者を守るためなら自分の命を賭(と)してでも護りきる。大切な者に牙、つまり大切な者を傷つけようものなら己が力の全力を持って護り通す。故に敗北も敗走つまり負けは許されない。負けそれすなわち大切な者を失うという意味。大雑把高がこういう意味だな」
楯「それはつまり葵にとって大切な者なら全力を持って護り通すって言う意味?」
葵「無論」
楯「相手がISでも?」
葵「あぁ。たとえISだろうが軍だろうが、国家だろうが、はたまた世界が敵にまわろうがな」
その言葉を聞くと女子全員が顔を真っ赤にして何かを言っていた。
一「お兄ちゃんの大切な者。もちろん私も含まれてるよね。ということは・・・きゃ///」
千「兄さんに護られる。何からも///」
なんか暑いな。何故だ?
薫「はっ! そ、それでは最後に専用機持ちで写真を撮ろうか!」
そういって私とセシリア、一夏が並んで写真を撮る。だが、ここで心霊写真が撮れた。なぜかって? シャッターが下りる前までは後ろに誰もいなかったんだ。なのに下りる一瞬前に後ろにはこの場にいる全員がいたんだぜ? あと前にいたし。これ一種の心霊写真だろ?
その後祝賀会も終了し私は一人自分の部屋にいた。
葵「ふぅ。では久しぶりに行くか」
私は鍵をかけといってもオートロック式だから書ける必要性も無いか。そして心の世界へ通じる扉を呼びだしてさぁ行こうとしたときに。
???「やっほ〜〜〜! あーちゃん! 遊びに来たよ!!」
???「なっ!? お前どうやってここに入ってきた!!?」
葵「・・・・・え?」
扉を破ってきたのは千冬と束だった。