僕が見つけた或る日記
そのタイトルは『猟奇日記』
いつ、どこで、誰によって書かれ、どこで出版されたのかが一切不明。
著者も出版社も不明でありながら、なぜかきちんと印刷された不思議な本。
真っ黒なハードカバーに金箔でタイトルが打たれている。
一見したところ高級感があるが、どこか不気味な雰囲気を漂わせる奇怪な本。
どこでそれを見つけたのだろうか・・・。
それはある寒い冬の夜のことだった。
酒に酔った僕は千鳥足で夜道を歩いていた。
すると道端に一冊の黒い本が落ちていることに気が付いた。
僕は何気なくその本を拾い上げてみた。
ハードカバーでなかなかしっかりと製本され、表紙には金箔で『猟奇日記』と書かれている・・・。
カバーを捲ると僕の目に次の分が目に入る。
健常者読むべからず。
なんだこれは?
思わず呟く僕はさらに捲ってみる。
すると・・・
ようこそ、猟奇の世界へ
その愛と狂気を我らは分かち合う。
はぁ?
僕は首を傾げながらさらに捲ると今度は目次が見える。
だがそれは普通の目次ではない。
人名とページ数が並んでいるだけだ。
並び方はどうやら55音順らしい。
僕はさっそくA氏のページを捲ってみる。
するとこんなことが書かれていた。