小説『短編恐怖物語集』
作者:Maifa(アクアマリン)

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朝のお爺さんが気になって、授業どころじゃなかった。

龍一「おい凛。どうかしたか?
   なんか顔色悪いぞ・・・」

休み時間に、クラスメイトの龍一が私の言った。
正直、朝の事がかなりの負担になっていた私は、朝起きた事を全て龍一に話した。

龍一「そうか・・・辛かったな。
   じゃあ、今日は俺が一緒に帰るよ。
   俺もお参り(?)したいしさ。」

凛「うん・・・・。」

こうして、私は龍一と帰る事になった。






凛「えーっ・・・・あ、ここだよ。」

龍一「え、ここ?
   何かの間違いじゃ…(爺「おーい!」え・・・」

凛「・・・ウソでしょ?こんな事って・・・」

私と龍一が目撃したのは―――――
        
   




                      朝飛び降りたはずのお爺さんだった。





私たちはただ呆然とお爺さんを見ていた。
そして・・・・

爺「今行くぞ!」

そう言って、また――――朝と同じように飛び降りた。

龍一「っこっち!!!!」

お爺さんが飛び降りた時、龍一が私の腕を引っ張り走りだした。
そしてあの家から龍一の家に着いた。

龍一「ハァハァ・・・マジかよっ」

凛「ハァ・・・何が?」

龍一「俺、あの家の爺さん知ってんだ。
   見た時はビックリしたよ・・・・・







             
                 あの爺さん数年前に死んだはずだったから・・・」





凛「え・・・・・」

そんな事実を知った時、声が聞こえた。

爺「おーい!何処に居るんだよぉ?
  寂しいんだよぉ」

ドアの向こうから聞こえる。お爺さんの声が。

私は恐怖で涙が出た。
龍一は硬直している。

  コンコン

ドアがノックされた。

ノックされた瞬間、何故か私と龍一の記憶は途切れた。



一体、お爺さんは私に何を求めていたんだろう・・・?
あの恐怖の日から数カ月後、あの家は取り壊されることになった。

皆さんも、ある家のベランダにはお気をつけて・・・

-8-
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