【閉鎖的バレエ少女】
少女はずっと、バレエを踊っている。
暗く狭い部屋の中で、ずっとバレエを踊っている。
少女が、高く飛ぶたびに蜘蛛の巣は揺れ、床は軋み、蝋燭は揺らぐ。
少女はずっと、バレエを踊っている。
そこに意思などなく、意味もなく、『ココロ』すらない。
ただ少女に在るのは、閉じられた役割と、永久に終わることのない跳躍である。
少女はずっと、バレエを踊っている。
窓と扉のない部屋で踊り続けている。
終わることのないバレエを…。
超短編4『人形少女の淡い夢』おわり
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