小説『超短編集4『人形少女の淡い夢』』
作者:加藤アガシ()

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【閉鎖的バレエ少女】



少女はずっと、バレエを踊っている。

暗く狭い部屋の中で、ずっとバレエを踊っている。


少女が、高く飛ぶたびに蜘蛛の巣は揺れ、床は軋み、蝋燭は揺らぐ。

少女はずっと、バレエを踊っている。

そこに意思などなく、意味もなく、『ココロ』すらない。

ただ少女に在るのは、閉じられた役割と、永久に終わることのない跳躍である。

少女はずっと、バレエを踊っている。

窓と扉のない部屋で踊り続けている。

終わることのないバレエを…。









超短編4『人形少女の淡い夢』おわり


読んでくださってありがとうございます。

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