【メリーゴーランドの考察】
もう大分前からメリーゴーランドが好きだ。
別にアレにのって、ぐるぐる回りたいわけじゃない。
あくまで、メリーゴーランドの気概(システム)が好きなんだ。
そもそも大人になると、
恥ずかしいのか結構ミンナ乗るのを避けがち。
それも含めてメリーゴーランドにはなぜか哲学的イメージを持っている。
馬に乗って同じところをグルグル回り続ける。
なぜかモーツアルト的リラックス音楽に、やたらと派手な電飾。
乗っていることよりも見ていることに意味があるような。
乗っているヒトを一部にして一種のショーに仕立てしまうような。
そんな不思議な空間をつくっているよ。
親たちは自分の子供をニセモノの馬に乗せ、それを外から見守る。
ずっと同じところを回っているのを、ずっと見ている。
ニセモノの筋肉質な馬や、異様に装飾された馬車に乗った子供たち。
本当は床が動いているだけ。
回っているだけで、まったく先に進まない。
でも時間がくれば全員下ろされる。
音楽が止まる。
次の子供がやってくる。
時々、恋人たちもやってくる。
あの空間に戻るために。味わうために。
嘘の行進。
メリーゴーランド。またはカルーセル。
そして、みんな笑っている。
回り続ける。
だから泣けてくるんだ。
あのワザとらしいほどの装飾がやたら美しい。