小説『不思議な話』
作者:あさひ()

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その頃、役場ではファルクという、リリーと同い年のリリーの友人の青年が、ゲイルという国に対しての防衛策の内容を仲間と厳重に固めていた。もちろんゲイラ国もゲイル国の一部と見なして。

ファルクはリリーのことをとても心配していた。



村長やリリーの家族、ファルク以外にも、リリーのことを知り、彼女のことを心配している人がいた。


ルーベンス村長からの信望が非常に厚いクロムウェルだった。彼は主に貿易や、村を訪れる外人たちとの交流(いわゆる外交)に携わっていた。ほとんどの外の情報は彼によってこの村に仕入れられており、ルーベンスがリリーに伝えたゲイル国やゲイラ国についての話は彼から教えてもらったものだった。
ホルン村は小さな農村だったが、電気機械やインターネットがほとんどの家でできるのは、彼や彼の仲間のお陰である。
リリーとはとても気が合い、10を超えた年齢差にも関わらず大の仲良しであった。

クロムウェルは結構な女好きで職場ではもちろん、骨休みに旅館などに行っても、旅館にいる女性を隈なくチェックしていたりする。それでも肝心な部分ではかなりの硬派だったため、今まで彼女ができたことはなかった。今は仕事のことが頭の大部分を占めているからかもしれない。


クロムウェルは、ファルクたちに申し付け、また、リリーにファルクや自分となんらかの緊急時に話ができるよう無線を所持させて、リリーの身にもしなにかあった場合にすぐにファルクたちが駆けつけられるようにその他にも様々な手配をしていた。



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