小説『ハルケギニアに蘇りし紅き狼』
作者:大喰らいの牙()

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第三話  “トゥルゥーガ公国”


転生した先はすでに俺は国王だったよ。
『一から創るのかなー?』と思ったら、すでに国が出来ており、国民も住んでるっていうこのオチ。
さすがに読めなかった。
つーか、城はあるがそれは、本当に他国や重要な会議だけのみしか使わず、基本俺の家が仕事場。
ちなみに、俺の家は和風。
でも、後ろに工房やらなんやらがある為、敷地がデカいです。
………っと、こんなことを簡単に説明していたが、俺の国の名前と位置を教えていなかった。


“トゥルゥーガ公国”


これが俺の国の名前だ。
付けるなら狼の名を付けたいなーと思って付けようにも、露骨なのは嫌なので、狼(ろう)の文字を変えていって、最終的に“ルゥ”に変わり、そこから国らしい名を考え、これになった。
この世界では、名前の最後に自国の名をくっつけるが、俺はくっつけない。
そんなルール、知らんですよ。


そして国の位置だが………どうやら、トリステインやロマリアといった国からは海を挟んだ向こう側の大陸にあるらしい。
と言っても………海に面しているんだが、なんというかロマリアより遙かに大きい。
ただ、ガリアとは近くて微かながらガリア王国の土地が見える。


まぁ、国の名と位置関係はこれぐらいにしておいて、国の中身をパパッと簡単に説明しよう。
俺の国は、四つの巨大な都市と俺の城がある王都で出来ている。
四つの都市はそれぞれ分けられており、工業都市、牧草都市、海港都市、先鋭都市と分かれている。


工業都市………“マインフォール”


主に、炭鉱や鍛冶屋といった謂わば“職人達によって創られた都市”である。
さらには、飛空挺や武器生産、アクセサリーから日用品まで様々な物が造られている。
飛空挺工場と軍艦工場があり、その他にも様々な工場がある。
郊外に行くと、採掘場がごまんとあり資源が溢れている。
また、山場にしかいない生物たちも居る。
その上、火山地帯がある為、そこでしか採れない鉱石もある。



牧草都市………“ウッドモック”


主に、農業が盛んな都市でまた放牧も行われている都市である。
地面は草原で、家が立っている場所だけレンガの家が立ってる。
外に出ると、放牧されている家畜が歩いているほどまでのレベルであるが、日常的な風景なので、気にしない。
また、奥に行けば密林があり、さらにその奥に行くと水没林がある為、珍しい植物やここでしか見ることの出来ない風景がある。



海港都市………エンプリオス


主に、漁猟が盛んな都市、かつ飛空挺の空港でもある。
高低差が激しく、必然的に下は港であり、上に行けば空港となっている。
その為か、ちょうど二つの港の中間あたりに住民たちが住んでる。
漁をする場所の先の海域には、海底遺跡や神殿が安置してある。
空には、飛空挺での旅が安全である為に、大空の覇者、飛龍の石像が立てられている。
空港から左側を見ると、銀嶺の山がそびえ立っている。
そこの山頂にしか存在しない生物もいる。



先鋭都市………インタクル


現代で言えば、オフィスビルが立ち並ぶオフィス街。
その外見とは裏腹に、ショッピングモールなどと生活用品がほとんどココで揃えることが出来る場所。
さらに、居酒屋や飲食店、娯楽施設もある為、若者が多く集まる。
オフィス街を少し離れると、森林が残っており、桜の花びらが溪流に流れた風景は雅なモノである。



こんな感じが四都市の説明だ。
最後に王都の方を説明しよう。



王都の名は………フォルティウス


四都市の真ん中に位置していて、城を中心に広がっている城下町だ。
城を中心に見て北東に工業都市(マインフォール)があり、北西に牧草都市(ウッドモック)。
南東に先鋭都市(インタクル)があり、南西に海港都市(エンプリオス)がある。
ここで気を付けて欲しいのは、後ろの大陸と繋がっている都市は工業都市、牧草都市、海港都市であり、唯一繋がっておらず、海に面しているのは先鋭都市だ。


フォルティウスは、各都市の特徴的な物が確実にある。
職人街、牧草地、市場、オフィス街がある。
この城下町は、自然を残しつつ高度な街になっている。
だが、大通りや各所で重要な通りは整備され、排水路もきっちりと整備されている為、問題は無い。
問題の城は石造りだが、それは外面だけであり、内面は炭鉱や火山地帯で採れた鉱石を溶かして、創られている。


と、こんな風に自分の城を紹介しているが、実際にはあんまり使われることはない。
ほとんど自分の家が仕事場になってるからだ。
城が使われることがあるのは、諸国の王族たちや宴、重要な機密情報を扱う会議などだけである。
自宅は、城の隣に小高い山の山頂にある武家屋敷が俺の家。
木材で出来ているが、タマモの力やら俺の力で核兵器は無理があるが、この世界の最高の力だろうが、虚無だろうが絶対破壊できない様にした。


次は国民についてだな。
ウチは、忌嫌われている者達から普通の人間まで普通に共存している。
なので、人間、翼人、人狼、獣人、人魚、竜人、鬼、精霊、竜、幻獣、さらにはハルケニギアで最も嫌われているエルフですら住んでいる。
それぞれ長所と短所があるので、長所を生かせる仕事についていて、短所は他の種族がカバーするなどして、今も共存している。
ウチの国には貴族なんて、居ませんよ。
一応、俺、王族だけど…………肩書みたいなもんだし、どうでもいいデス。
肩書なんて投げ捨てるもの!


あと、魔法についてだな。
エルフ達が使う“先住魔法”とか、この世界ではいろいろ問題になってるけど、ウチは…………………バンバン使っちゃってください!


『遠慮なんかしなくてもいいのよ?』


といったら、普通に使ってた。
うん、やっぱり自然にすることが一番だよね!
しかも、魔法の発動に杖なんか、無駄に弱点さらしている様なものなので、杖は廃止させている。
あ、でも、小さい子供には杖を持たせてあげている。
うっかり発動して、怪我したら危ないからね。
代わりに、指輪といったアクセサリーを魔法発動の媒体としている。
……………お洒落でいいじゃない。


軍について。
軍は、俺が率いていた“神狼”の部隊を再び結成した。
今回も五部隊だが、動かしているモノが違うし、なんとかホルフ国の“空中装甲騎士団”よりも遙かに強い。
この辺は、物語が進めば出てくるので、楽しみはとっておこう。


最後に法は、現代の日本の法律だが、若干緩やかにしてある。
まぁ、法があっても破る者はいないので、微妙なのだが。
あと、俺が国民全員に絶対に守って欲しいので、必ず言っていることがある。
それは……………


『一つ、何があろうとも、絶対に生きて帰って来る事』


『一つ、己が護りたい者の為に全力を尽くせ』


『一つ、もし、護るべき者が外道や畜生に穢されたりしたら、容赦なく殺せ』


その三つがウチの国、三カ条みたいなものだ。
という、感じで語るのをやめようと思った時…………


「真紅狼さんは、誰に向かって喋っているんスか?」
「…………読者の皆様に向けて」
「だから、一体誰ッスか?」
「で、クロは何しに来たのよ?」
「新たに、書類が追加されたので判子貰いにきたッス!」
「あー、そっちは判子が終わってるから、持っていってくれ。そして………またか! ちょっと、最近増え過ぎじゃね!?」
「それは、オイラに言われても困るッスよ…………取り敢えず、こっちの書類は持っていくッス!!」
「あ、クロ。それ、運び終わったら休憩に入ってもいいぞ」
「了解ッス!」


そして、積まれている書類を一枚ずつ目を通す。
先程の者の名前は“クロ”っていう。
正体は、プリニーだ。
ウチの国のマスコット的存在。
子供達には大変大人気。
原作と違って、投げられても爆発しない。
色は黒色の為…………名はクロ。
そこ…………………安直とか言うな。
まだ、他にも別の色のプリニーは居る。
赤、黄、緑、青、紫、橙、桃、黒、銀、金、そして原色姿のプリニーです。
彼等は雑用とかがメインです。この城で働いている。
彼らも“生きているので”…………奴隷とかではなく人として見ている。
そんな訳で、給料も出してるし、休暇もある。


「………真紅狼様」


タマモが霊体化を解き、傍までやってきた。


「な〜にぃ〜? 現在、書類と格闘中だから要件なら口で言ってくれ」
「…………ガリア国王のロズピエール一世が会いたいと言う書類が来てます」
「はぁ? あ、ヤベ!!」


気が付いた時には、積まれている書類が倒れて来ていた。


「ギャアアアアアアアッッ!!!」
「大丈夫ですか!? 真紅狼様!!」
「ど、どうにか。取り敢えず、飛空挺の準備をさせとけ」
「分かりました。手配します」


そうしてタマモは霊体化して、エアドックに向かった。
俺は書類を整理し、外に出る準備した後、何人か見繕い、ガリアに向かった。

-3-
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