小説『ハルケギニアに蘇りし紅き狼』
作者:大喰らいの牙()

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第六話  『喧嘩売ってんなら表に出ろ』………by真紅狼


〜真紅狼side〜
七年が経った………。
何?
時間すっ飛ばし過ぎ?
しょうがねぇだろ、作者が早く原作主人公を弄り倒したいって嘆いているんだから。
と言ってるが、俺も才人をブチのめしたいのでどっちもどっちだな。
何?
外道?
いいじゃん、たまには外道もやってみたいんだよ。
つーか、全く同じことをさっきやった気がするな。
無限ループって怖いなぁ。
でだ、ジョゼフとシャルルに『いつになったらこっちに来るんだ、バカ共!!』って送ったら、シャルルが書通で『兄さんが虚無を扱えました。そして父が亡くなりました』と送り帰してた。
ロズピエール一世がねぇ………
案外、あの時歳の事を言っていたのは外れていなかったという事か。
………と、ここ最近起きた事を話したが、俺は現在すこぶる機嫌が悪い。
その原因は目の前でさっきから喧しい神官のせいだ。


「貴国の船の技術やその他の職人技巧………全て異端な技ですぞ!?」
「んなこと知るか! 始祖ブリミルだろうが、なんだろうがウチの国に勝手にテメェ等の宗教を持ち込むんじゃねぇ!!」


ココは俺の国なわけ。
始祖ブリミルも歩いた土地じゃないんだよ。
それなのにデカい顔するとはいい度胸だな、えぇ、オイ?


「始祖を侮辱すると神の怒りに触れますぞ!!」
「はっ! 神か! ………なら、せいぜいその神とやらに言っとけ。『俺に噛みついたら、ただでは済まんぞ!』そう言っておけ! おら、さっさと国に帰ってテメェの頭(トップ)に伝えて来い」


衛兵隊の二人に摘みだす様に命じた。
その後、俺は諸国に書通を出した。
ロマリアには一言多く付け加えて。
〜真紅狼side out〜


〜シャルルside〜
父の葬式が終わり、一息付いていた時に兵の者が一人書通を持ってやってきた。


「シャルル様、これを………」
「有難う。これは………また、真紅狼は………」


内容を見て驚いたが、あの真紅狼ならやりかねないと思い、何となく納得してしまった。
取り敢えず、兄さんにも見せることにした。


「大臣、兄さんを知らないかい?」
「ジョゼフ様なら、部屋に御戻りになりましたのを見かけました」
「部屋か。………どうも有難う」
「いえ、お礼を言われる程でも………」


大臣とはそこで別れて、兄さんの部屋を訪ねた。


「兄さん、失礼す………る…………よ」
「あ、シャルル! 助けてくれっ! シェフィールドが部屋に潜んでて、無理矢理にでも襲って来るんだ!!!」


うん、ここは二人の邪魔はしていけないな。


「ごゆっくり〜〜」
「裏切り者〜〜〜!!!」
「さぁ! ジョゼフ様!! シャルル様のお気遣いを無駄にすることなく………」


扉を一度閉めたが、ギリギリのところで助けた。
本当にギリギリのところで。


「まったく………恨むぞ、シャルル」
「ごめんごめん。邪魔しちゃったらいけないと思ってさ………」
「で、訪れたからには何か用があったんだろう?」
「あ、うん。これ、真紅狼からの書通。諸国に送ったみたいなんだよ」


兄さんに書通を渡すと読んだ後、大笑いしていた。


「くはははははははははははっ!! 真紅狼もやるなぁ!!」
「確認してみたら本当にロマリアの神官を追放したみたい」
「しかし、ロマリアにはなんて送ったんだろうなぁ?」
「多分、真紅狼の事だから、喧嘩腰の文は送ったんじゃないかな」
「そう言えば、真紅狼から『いつ国に来るんだ?』っていう書通が送られて来ていたな」
「そうだね。父さんの後片付けが終わり次第、行くとする?」
「ああ。あらかた片付けてから行くとしよう」


僕達は立ち上がり、後片付けをすることにした。
〜シャルルside out〜


〜???side〜
私宛に、いきなり書通が送られてきた。
毎日のように私の所には陳書などご送られてくるが、今回は赤字で重要機密として送られてきた。
書通の裏側を見てみると、“トゥルゥーガ公国”と書かれていた。
中身を見てみると、いきなり喧嘩腰の文だった。


『拝啓 ロマリア教皇様
当国、“トゥルゥーガ公国”は以後、永久的に神官が国内に入ることを禁じさせていただきます。
いかなる手続きを取っても、入り次第送り帰します。


というか、何かといちゃもんつけては異端って叫んできてうるせぇんだよ、ボケ! 俺の国に勝手にお宅の宗教を持ち込むんじゃねぇ! 神官だからエライとか調子に乗ってんじゃねぇぞ? ウチに居た神官は追い出したのでそのつもりで。
                  トゥルゥーガ公国 国王 蒼騎 真紅狼』


………ふん!
蛮族共め……!
私は、その書通を握りつぶして暖炉の中に放り込んだ。
“トゥルゥーガ公国”か……………私の計画の障害になりそうだし、監視はしておくか。
〜教皇side out〜


〜真紅狼side〜
さて、ロマリアだけに文句を書きまくったし、これでいいか。
原作が始まる前に俺の敵ってのを把握しとけば、楽でいい。
あ、そうそう聞いてくれ。
ウチの兵に銃を配備することにしたんだ。
タイプは二つで、俺が持っている現代式の銃とライトボウガンといったモンスターを狩猟するタイプの二つだ。


前者は、初心者から上級者まで扱える万能型。
ただ、弾が限られていることと弾数が有限はどっちも一緒か。


後者は、玄人好みで一元型。
こちらは属性弾や弾の豊富なので、銃の取り換えをしなくて済むことだな。
状況に応じて、弾の装填を変えればいい。
ただ、欠点は遠くに居る相手に着弾しても大したダメージを与えられることが出来ないこと、だな。


俺はどちらも扱えるからが、馴染のある“真紅の執行者”を使っている。
ちなみに言い忘れていたが、後者にはランクがあり、上に行くほど扱えるライトボウガンの性能が上がっている。


Dクラス………クロスボウガンやロアルストリームまでのランクしか扱えない。



Cクラス………火竜砲やメイルシュトロームまでのランクしか扱えない。



Bクラス………ディオスブラストまでのランクしか扱えない。



B+クラス………ヒドゥンゲイズまでのランクしか扱えない。



Aクラス………ダイアモンドフロストまでのランクしか扱えない。



A+クラス………狼牙弩【反獄】までのランクしか扱えない。



Sクラス………古龍の武装及び希少種の武装を扱える者しか与えられない最強のランク。


ウチの兵の中でも保持しているのは五名未満。
頑張ってもAクラスが6割、A+クラスが3.5割、Sクラスが0.5割となっている。
その為、Sクラスのランクを持っている者達は結構尊敬されている。
ファンクラブもあるらしい。
こんな感じかな。
もうじき満月か………。
亡命の日まで、あと僅か…………か。
〜真紅狼side out〜


さて、どうなるかねぇ。

-6-
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