小説『スイーツバトルロワイアル』
作者:Mr,後困る()

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10 大福は思案する

2:00、ほの4
病院エントランスホール

私は大福、和菓子としての格はそれなりに高い高位菓子だ
この下らん殺し合いが始まる前に集められたホールで
知り合いの桜餅と協力してこの殺し合いを潰す事になった
桜餅はワープされた後の合流地点にこの病院を指定した
私は幸いな事にこの病院にワープさせられた
桜餅は無事だろうか、桜餅の言っていたアンパンとやらも心配だ
なるべく近くに落とされていれば良いのだが・・・
それにしても誰一人こない、もうこの殺し合いが始まって2時間
人っ子一人見ない・・・・・待て、人っ子一人いない?
こんな建物があるのに?見た所ここはかなり整備されていて奇麗だ
誰かがつい最近まで居たのだろう、だが人の気配がしない
ここに居た人はどこに行った?それも疑問だが虫の囀りの声さえ聞こえない
あのお菓子の王とやらの仕業か?だが何故そんな事を・・・
・・・待て、それよりも何故擬人化している?
私や他の参加者はお菓子の王が擬人化させたのだろう
だが奴はどうなんだ?奴はどうやって擬人化した?
擬人化させたのは誰だ?・・・考えるまでも無い、人間だ
人間が我らを作ったのなら菓子を人に変える事は造作もないだろう
そうなると戦いの裏に人間が絡んでいる?何故?娯楽か?
そう考えるとこの参加者名簿に金平糖など参加していない菓子が居るのも頷ける
お菓子の王が次のお菓子の王を選ぶならばこの世全ての菓子を参加させねば意味が無い
次のお菓子の王があくまで建前で自分より有名な菓子への逆恨みだったとしても
全ての種類の菓子をさらってくるはずだろう、それをしないというならば変だろう
何かの理由で集められる数に限りがあるのなら
ババや甘食といったマイナー菓子より金平糖といったメジャー菓子をさらってくるだろう
ならば・・・奴は誰かの捨て駒として・・・

柏餅「おい、そこの菓子!!」

いきなり声をかけられる私、そこには刀を突き付ける侍風の男・・・柏餅か?

大福「!?誰だ!?」

私は支給品のマスケット銃を向ける

柏餅「拙者は柏餅だ!!お前はこの殺し合いに乗っているのか!?」
大福「いや、乗っていない」
柏餅「そうか・・・良かった」

柏餅はか刀を下ろした

大福「お前はどうだ?乗っているのか?」

私は銃を突きつけ尋ねた

柏餅「何を馬鹿な!!乗っている訳」
大福「なら刀から滴るそれは何だ?」

いうまでもない、柏餅が斬った菓子の血だろう

柏餅「これは・・・」
ババロア「彼は俺を助けてくれたんだ」

玄関から少女が現れる

柏餅「君!!隠れろと」
ババロア「彼は殺されそうだった俺を助けてくれたんだ」
大福「・・・信じよう」

倒れる少女

大福「どうした!?」

良く見ると腕に大怪我を負っている!!これは手当をしなければ不味い!!

大福「い、急いで病院に!!」
柏餅「落ち着け、ここが病院だ」
大福「あ、ああそうだったな、じゃあ腕がボロボロだから腕を斬」
柏餅「だから落ち着け何か治療器具はないのか」
大福「ああああああああああああああああああああどうすればぁぁ!!!!」
柏餅「・・・とりあえず病室につれていくか」

残り74名

大福
状態:重度の錯乱
道具:支給品一式
武器:マスケット銃と弾
思考
1.この殺し合いを潰す
2.桜餅とアンパンを待つ
3.この殺し合いに違和感
4.少女の手当をしないと!!あ!!でも何をすれあぁぁああああ!!

ババロア
状態:左腕に重度の損傷、頭蓋骨にヒビ、気絶
道具:支給品一式
武器:サブマシンガンの弾
思考
1.戦いに勝って個性を手に入れる
2.怪我を治す
3.柏餅を利用して殺す

柏餅
状態:背中に手刀による切り傷
道具:支給品一式
武器:日本刀
思考
1.この戦いを止める
2.少女(ババロア)を病室に運ぶ
3.錯乱している男(大福)を無視して少女(ババロア)の手当

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