小説『スイーツバトルロワイアル』
作者:Mr,後困る()

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51 良く考えると

10:30 との5、駅、監視室

チーズケーキ(以降チーズ)「本当に遅かったな」
レアチーズケーキ(以降レア)「だから言ったのに・・・」

私はそう愚痴を言いながら、監視カメラを操作して
アンパン(こしあん)の映っている時間まで巻き戻した

チーズ「それにしてもさっきのアレが本当に素手で出来るのか?」
レア「間違い無い、今証拠のVTR見せるから」

チーズが言ったあれとはジャムパンの死体である

レア「ところで良いの?」
チーズ「何が?」
レア「奴のジャムかけなくて、強化できるのに」
チーズ「・・・・・あんな鮮度の悪いジャム使いたくない、それに」
レア「それに?」
チーズ「お前ジャムパンに意識乗っ取られかけてるだろ?」

私は操作する指を止める

レア「何故そう思う?」
チーズ「さっき電車の中で喋った時に何度か自分の事俺って言ってた」
レア「えっ!?ほんと!?」

かなり不味いな・・・ほぼ無意識じゃないか・・・

チーズ「おい、さっさと指を動かせ、証拠を見せてくれるんだろ?」
レア「・・・分かったよ」

そう言って操作を再開した

レア「・・・あった!!コレだ!!」

私は証拠のVTRを見せた

チーズ「・・・凄まじいな・・・こんな奴が殺されたなんて信じられん」
レア「私も驚いたよ」
チーズ「・・・おい、アンパンはどうやらにの1に向かった様だぞ?」
レア「嫌だ!!」
チーズ「まだ何も言っていないぞ」
レア「分かるよ、何考えてるかぐらい!!にの1に向かおうって事だろ!?」
チーズ「その通りだ、何か問題でも?」
レア「あのなぁ!!あんな化け物を殺した奴が居るかも知れないんだぞ!?」
チーズ「案ずるな、二人なら問題無かろう」
レア「・・・・・あれ?誰だこいつ?」
チーズ「ん?どうした?」
レア「コレを見てくれ」

私は画面の一つを指差す、そこには白いワンピースの少女が居た

チーズ「・・・このカメラは・・・」
レア「リアルタイム、つまり今この少女がこの駅に居るって事」
チーズ「・・・どうする?殺すか?」
レア「・・・いざと逃げる時の囮用に仲間にするって手もあるな」
チーズ「純粋に戦力になりそうだな、見ろよ、髪の毛」
レア「髪の毛?・・・コレは!!」

彼女の髪の毛は真っ赤と思いきや、毛先が白かった

チーズ「お前と同じでジャムパンのジャムを取り込んで
自らを強化した者だろう、しかもお前より髪の毛が赤いと言う事は」
レア「私より多くジャムを取り込んだって事か!!」
チーズ「その通りだ」
レア「上等だ!!ソース量=戦闘力では無い事を教えてやる!!」
チーズ「だが奴の武器はロケットランチャー、かなりキツいのでは?」
レア「奴はこの部屋に向かって来ている!!そこを返り討ちにする!!」
チーズ「まだ、敵と決まった訳では無いぞ」
レア「なら一度離すか」
チーズ「そうだな」

ガチャ

「ごきげんよう、そしてさようなら」

ロケットランチャーを構えながら、少女は言った

レア「この戦いに乗ってるの?」
「勿論」
チーズ「・・・お前、何者だ?我々と近い感じがする」
「私ですか?私はヨーグルトです」
レア「・・・ヨーグルトって・・・お菓子に入るの?」
ヨーグルト「・・・はい?」
チーズ「決まっている、入る訳が無い」
ヨーグルト「なっ!!?何を馬鹿なことを!!」
レア「お前甘くない」
ヨーグルト「・・・確かに甘さは控えめですが今はジャムで補っています」
チーズ「お前にとってトーストはお菓子か?」
ヨーグルト「いいえ、そんな訳無いじゃないですか」
チーズ「トーストにもジャムをかける事はあるが
それでお菓子になるかと問われれば答えはNOだろ?」
ヨーグルト「でも!!ヨーグルト味のお菓子とかってあるじゃないですか!?」
チーズ「私はチーズケーキだがチーズはお菓子じゃないだろう?」
ヨーグルト「なっ!?ち、チーズケーキ!!?」
レア「私はレアチーズケーキだ」
ヨーグルト「・・・・・か、勝てない」

ロケットランチャーを下げる

ヨーグルト「私を殺すのか?」
チーズ「どうするレア?」
レア「・・・あのアンパンを殺した奴を殺すんだ
人数は多い方が良い」
ヨーグルト「・・・どういう事ですか?」

私は事情を説明した

チーズ「と言う事で我々は我々以外の者を殺しに行くつもりだ
いまアンパンを殺した奴を殺す為に、にの1に行くと言う話をしていた」
レア「私は反対だ、リスクが大きすぎる」
ヨーグルト「・・・レアさん、行くべきだと思います」
レア「何だと!?」
ヨーグルト「自分の願いを叶える為に何のリスクも負わないのはおかしいです
本当に叶えたい願いだったら、自分の全てを賭けるべきです」
レア「・・・・・」
チーズ「ヨーグルト・・・お菓子じゃないだけに
甘くない意見だな、実にシビアな意見だ」
ヨーグルト「だから私はお菓子ですって」
チーズ「今思ったんだが我々がお菓子である必要は無いと思う」
レア「なんという自己否定」
チーズ「私は私だ、それを完全に確立するためお菓子という
弱者の立場から人間に進化する、その為に私は戦う
よって今のお菓子の立場には何の興味は無い」
レア「・・・そうだな、私も人間になる為に戦っているからな
ヨーグルトは何の為に戦っている?」
ヨーグルト「・・・ホエーをこの世から消し去る為です・・・」

・・・・・何だそれ?

チーズ「・・・ホエー?」
ヨーグルト「私を静かに置いておくと上部に溜まる液体です
私は頼んでも無いのに自分の上に何かが乗っている事が許せないんです」

・・・・・何と下らない!!

ヨーグルト ジャムパンのジャムを取り込み強化
残り53名

レアチーズケーキ
状態:健康
道具:支給品一式
武器:投げナイフ12本、ベルグマンMP18短機関銃(残弾32)
思考
1.戦いに勝って人間のアイドルになる
2.自分を強化する
3.レアチーズケーキと一時的に同盟を組む
4.何かジャムパンの意識を感じる
5.にの1に向かうの?

チーズケーキ
状態:健康
道具:支給品一式
武器:防弾チョッキ、バールの様な物
思考
1.戦いに勝ち人間になる
2.アンパンを殺した者を殺す為、にの1の駅に向かう
3.体力を温存する
4.ヨーグルト・・・意外に芯のある奴だな

ヨーグルト
状態:健康
道具:支給品一式
武器:ロケットランチャー、残弾一
思考
1.戦いに勝ちホエーをこの世から消す
2.殺すなら殺される覚悟を
3.チーズケーキ達と同盟を組む

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