小説『スイーツバトルロワイアル』
作者:Mr,後困る()

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54 咲き遅れた気高い桜

11:00 ほの4 病院
病室

アンパン「・・・桜餅」
桜餅「何だ?何所か痛むのか?」

私はベットに寝かせたアンパンにやさしく微笑む

アンパン「・・・何か気持ち悪いぞ?」
桜餅「何!?待ってろ!!今薬を!!」
アンパン「いや、そういう訳じゃなくて」
桜餅「・・・どう言う事だ?」
アンパン「いや・・・その・・・」
桜餅「何だよ、はっきりしろ」
アンパン「さっきからニコニコして気持ち悪いぞ」
桜餅「・・・仕方ないだろ」

私は目を伏せる

アンパン「どう言う事だ?」
桜餅「柏餅に続いてお前まで死んでしまったら・・・」

何故だろう、こいつが死んだと想像しただけで辛い、苦しい
柏餅には悪いが柏餅が死んだ時よりずっと辛い
柏餅は長年の友だったのに・・・一体何故だ・・・

アンパン「・・・桜餅」

ガチャ

ドアが開く音が聞こえた

大福「・・・桜餅」
桜餅「・・・何だ?」
大福「チョコが目覚めた」
桜餅「そうか・・・」
大福「そうかって・・・ホワイトチョコは?」
桜餅「・・・ん?」
大福「ん?じゃなくてホワイトチョコは約2、3時間冷凍して
その後スプーンなどで粗くくずしてフードプロセッサーに入れ
かくはんしてフローズン状にし、手早く型に流し込んで再び冷凍庫に入れ
完全に凍らせるんじゃ無いのか?もう冷凍庫に入れて2時間以上経ったぞ?
もうそろそろ取り出しても良いんじゃないか?」
桜餅「そうだった!!すまないアンパン!!ちょっと厨房行って来る!!」
アンパン「あ・・・ああ」

私は急いで厨房に向かった





大福「行ったか・・・」
アンパン「あの・・・桜餅おかしくないですか?」
大福「・・・その事で話がある」

私は椅子に座った

アンパン「話?」

アンパンが怪訝そうにこちらを見る

大福「桜餅・・・ヤンデレになってないか?」
アンパン「確かに様子は変ですがヤンデレなんて二次元の産物ですし
ヤンデレは誰かを好きにならないとなれない物です」
大福「・・・桜餅はお前の事好きなんじゃないか?」
アンパン「なっ!?そんな事・・・ある訳・・・無いじゃないですか」
大福「傍から見ても桜餅はお前に気がある」
アンパン「え・・・えー!!ちょ、俺はどうすれば良いんだ!?」
大福「普段なら応援してやるが今はこんな状況で
しかもヤンデレになりつつある」
アンパン「・・・ここは俺と桜餅が別行動を取るのはどうでしょう?」
大福「・・・・・どうだろうな、奴は色恋沙汰が全く無い女だ
少なくとも私はそんな噂は聞かないし奴のそういう素振りを見たことが無い
だから自分がアンパンが好きだって気付いていない可能性がある
もし気付いていないなら簡単に説得できるかもしれないが・・・
もし自覚していたら・・・結構大変かもな」

同時刻 厨房

桜餅「すまん!!遅れた!!・・・この白っぽい少年は?」
チョコ「チョコだ、テンパリングをミスったな?」
桜餅「えっ!?で、でもレシピ帳の温度通りの温度で湯煎したぞ!?」
チョコ「・・・ホワイトチョコと同じ温度でやらなかったか?」
桜餅「・・・駄目か?」
チョコ「駄目だ・・・ところでホワイトチョコレートは
普通に溶かして再形成するのでは駄目なのか?」
桜餅「ちょっとそれじゃ厳しいから他の菓子に作り変える事にした」
チョコ「一体何の菓子に?」

私はレシピ帳を開いて指で指した

チョコ「・・・なるほど・・・これなら少しは冷静になるかも・・・」

チョコレート 桜餅の調理により復活、少年化、油分が分離した事により色白化
残り53名


アンパン(粒餡)
状態:左足骨折
道具:支給品一式
武器:ナックルダスター、大鉈、レーザーサーベル、首輪サーチャー
思考
1.バトルロワイアルを止める
2.桜餅が・・・

桜餅
状態:健康、ヤンデレ化?
道具:支給品一式
武器:お菓子のレシピ帳
思考
1.バトルロワイアルを止める
2.ホワイトチョコレートの調理を進める
3.この気持ちは・・・何だろう

大福
状態:健康
道具:支給品一式
武器:無し
思考
1.この殺し合いを潰す
2.桜餅をアンパンから離す


チョコレート
状態:健康、新しい体に若干不慣れ
道具:無し
武器:電動自転車(故障)
思考
1.さて、これからどうするか・・・
2.ホワイトチョコレートが治るまで待っているか・・・

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