フィオーレ王国東方の魔法商業都市マグノリア。
そこに存在する唯一の魔導士ギルド、フェアリーテイル。
そこに存在する心優しい天才魔導士がいた。
プロローグ 俺たちがフェアリーテイルだ!
ガタンッ。シュ〜〜
列車から銀髪に全身漆黒を纏った青年が桜色の頭をした少年を担いで降りる。
「ホラナツ。ついたぞ。早く出ろ」
「ううっ。もう列車には二度と乗らん。うぷ」
「今吐いたら殺すぞナツ」
「毎回言ってるけどね、それ」
青い猫が呆れたようにしゃべっている。猫がしゃべんの!と思うだろうがなんかこいつは喋るのです。
「おい、あそこ人だかりできてんな。なんか面白いもんでもあんのかな?」
「イグニールか⁈」
「なんかサラマンダーとか言ってるっぽいが」
「イーグニールーー!」
行っちゃったよ。こんな街中にドラゴンがいるわけねーだろ。
人ごみをナツが掻き分け、中心にいるおっさんに声をかける
「だれだ?あんた?」
「サラマンダーといえばわかるかな?」
「知らん」
「な、なによ!あんた!」「サラマンダー様はすごい魔導士なのよ!」
「はいはいすみませんね。おいナツ行くぞ。こいつペテン師だ」
「まあまあ彼も悪気があったわけじゃない。許してあげよう。さらばだ」
魔力で作った炎にのって何処かへいった。フーン、魔導士ではあるのか。まあそうでなけりゃ魅了(チャーム)は使えないわな。
「なんだあいつは「ホントいけすかない奴よね」
ん?俺たちに話しかけた?
振り返って見るとにっこり笑った金髪の女の子がいた。
「ありがとね!」
〜レストラン〜
金髪ちゃんが魅了にかかりかけていたのを直してくれたお礼にメシを奢ってくれた。
「あんふぁいいひふぉら(あんた良い人だ)」
「ナツ、口の中カラになってからしゃべれ」
この子はどうやら魔導士で、なんとウチに入りたいらしい。命知らずだね〜。ウチは魔導士なら来るもの拒まずだから大丈夫だろうけどこの子が持たねえと思う。
「じゃああたし行くね。ここの払いはおいて行くから」
………ぐもっ!
「ありがとーーー!!」
「ナツ!やめろみっともない!」
一通り食った後俺たちは軽く歩いていた。
「イヤー。食った食った」
「イグニールの情報は嘘だったっぽいね」
「とゆーか街中にドラゴンがいるわけねえだろ」
「「あ……」」
「ナツはともかく、ハッピーまで…バカだな」
「じゃあなんでカイルは一緒にきたんだよ」
「俺はクエスト。この辺で奴隷商船があるらしい。それの壊滅が目的なんだよ」
「へ〜。んじゃそれ手伝う」
「当たり前だ。もうどの船かは突き止めた。腹ごなしも済んだし、そろそろ行くぞ」
「ねえ。あの船だよね。フェアリーテイルのサラマンダー様の船って」
「あーあ、あたしも行きたかったな〜」
……なに……あいつがフェアリーテイル?
「おい、カイル」「ああ、わかってる」
〜船内〜
「お前は奴隷になって売り飛ばされんだよ」
(なにがフェアリーテイルよ……最低の魔導士じゃない!!!)
ズガアァアァアァン!!!!
「な、何事だ!」「そ、空からひとが!」
あ、あの人は…ナツと一緒にいたハンサム…
か、かっこいい…
「ハッピー「あい」」
青い猫があたしを連れて外に行く。
「ち、ちょっと待って!あの人は!」
「大丈夫。あの程度の相手、百人いてもカイルにはかなわないよ」
「えっ」
「このまま戦ってやっても良いんだが、それだとウチのバカが色々とうるさい。この船、陸にあげさせてもらうぞ」
「は!そんな事どうやってできるってんだよ!」
「来たれ、水の精霊王」
彼の周りに水柱がたつ。船ごと巻き込む渦潮が発生する。
なに?彼の魔法?
「ウンディーネ」
俺が起こした津波がふねを一気に陸まで運ぶ。俺は金髪ちゃんをシルフの力で空に飛ばした。
「ええぇえぇえ!あああああたしそらを飛んでる⁈」
「飛ばしてるんだ。安心しろ、シルフはあんまヤキモチやきじゃない。俺以外を飛ばしたからってお前を突き落としたりはしないさ」
「ちちちちちちちちょっと待って!言ってる意味がわかんない!」
お、ナツが乗り込んだな。いらんとは思うが一応援護行くか。
「ハッピー、後は頼む」
「あい!任せてよ」
「俺はフェアリーテイルのナツだ!だがお前なんて見た事ねえ!」
「ほほほほ本物!まずいっすよボラさん!」
「バカ!その名で呼ぶな!」
「魔導士ボラ。確かどっかのギルドを素行の悪さから追放されたんだっけ?」
「お、お前はさっきの」
「お前がどこの誰を語ろうがかまやしねえ。サラマンダーだろうが大統領だろうがどーぞ好きにすると良い。だがてめえは1番語っちゃいけねえギルドを語っちまった」
「フェアリーテイルを語る奴は俺たちがぶっ飛ばす」
「なにてめえらみたいなガキ共がナマいってんだ!しねぇぇぇぇぇぇ!」
炎を生み出し俺たちに襲いかかる…だが意味ねえんだよ。
燃え盛る炎のなかおれとナツは悠々と歩く。
「まずい。こんなまずい炎は初めてだ。お前ホントに炎の魔導士かよ」
「ぇえぇえ!ほ、炎を食べてる⁈」
「ナツに炎は効かないよ」
もうケリはついたな。金髪ちゃんのところに戻る。
「その炎は竜の鱗を燃やし、心臓を焼き尽くす太古の魔法(エンシェントスペル)」
「火竜の 鉄拳!!」
「竜迎撃用魔法、滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)」
「な、ナツも魔導士だったの⁈」
「竜に教わったんだとよ。まあ竜が自分を倒す魔法を教えんのもどうかと思うが」
その後、暴れまくったナツのせいで港が半壊…
「相変わらずやり過ぎな奴だ。ほら逃げるぜ金髪ちゃん」
「あたしはルーシィよ!てゆーかなんであたしも逃げなきゃいけないのよ!」
「だって俺たちのギルドに入りてえんだろ?」
「あ……うん‼」
街の憲兵達が追って来る。
「おいナツ急げ!おいてくぞ!」
「ま、待てよカイル!」
こんなバカばっかりだがコレはコレで面白い。こーゆーバカがいねえと世の中はつまんねえ。
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どーも。初めまして。別の小説で知ってる人はお久しぶりです。
一回は違う感じで書いてたんですが、なんか他の小説と激似になっていたので書き換えました。感想よろしくお願いします。
連載再開しました。前回の続きから書こうかとも思ったのですが、やはりちゃんと全部揃えようと思います。