私の隣りに立ち、
私と自分の周りに線を引いて円を描く。
そこにいる私は私ではないただの意識のない分身だけど、
彼はそれを私だと思っている。
そして、彼は言う。
「この中に入ってくる人間は、この銃ですぐに打ち殺す。」
どうやら本当の私には気がついていない。
分身の私は問う。
「あなたにはフィアンセがいないのですか?」
さぞかし魅力的なフィアンセなんだろう――
すると、彼はうなずいている。
「それじゃあ、あなたの役割のためにここに残りましょう。」
私は、そんなことを言っている。
そんな光景を目にした私は、ついまたこの場所に戻ってきてしまう。
彼の行く末と、
あの場所に近づく醜い悪魔の有様が知りたくて。