小説『つぶやき』
作者:あさひ()

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私の隣りに立ち、

私と自分の周りに線を引いて円を描く。


そこにいる私は私ではないただの意識のない分身だけど、

彼はそれを私だと思っている。



そして、彼は言う。

「この中に入ってくる人間は、この銃ですぐに打ち殺す。」



どうやら本当の私には気がついていない。

分身の私は問う。

「あなたにはフィアンセがいないのですか?」

さぞかし魅力的なフィアンセなんだろう――


すると、彼はうなずいている。

「それじゃあ、あなたの役割のためにここに残りましょう。」

私は、そんなことを言っている。



そんな光景を目にした私は、ついまたこの場所に戻ってきてしまう。

彼の行く末と、

あの場所に近づく醜い悪魔の有様が知りたくて。

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