小説『つぶやき』
作者:あさひ()

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同志


それは同じ夢を持つ者同士のこと。ライバルと意味が似ていると思う。

人は、他人との関わり合いの中で普遍的な何かを見出していく。
それは、自分自身を確固とするために必要なことである。

他者を生かさずに自分を生かすことはできない。


だから、愛し合いながら夢に向かわなくてはならない。

愛し合いながらの闘いである。



人が憎しみ合っていて、生産的な仕事をできるわけがない。

もちろん、競い合うことが目的でも、試合を日常に持ち出しては練習にならないし
本当には強くなれない。

正しい道は狭いようではあるけれど、その道に導くような働きがこの世にはきちんと存在している。

正しい道を歩む人には涼やかな心地良い風が吹いてくる。




憎しみを抱くことは悲しいことだけど、

憎しみがあると人はその憎しみの対象と同類にならないで済む。


憎むべき相手に憎しみを持てないほど感情を失って暗闇に閉ざされている人間より、

どれほど恵みを受けていることか。

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