小説『遮蔽』
作者:たまちゃん(たまちゃんの日常サタン事)

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 月の灯りの下で君は独り

 寄生する森に蝕まれていく

 君の蒼い瞳に映った月は

 逃げ場を失い滴り落ちてゆく


 混沌の欲望が

 俺を狂わせていく

 瘴気が渦巻く森の中

 俺は内臓朽ち果て血液を吸われ

 壊れゆく瞬間(とき)の硝子(ガラス)を集めて

 君の屍を探し続ける

 無意識の深海に俺は堕とされていく


 月の灯りの下の森は深く

 腐食した闇に飲み込まれていく

 血の様に赤い瞳の中に全て

 悪夢のように引きずり込まれる

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