小説『IS インフィニット・ストラトス 〜銀の姫と白き騎士〜』
作者:黒翼()

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第二十五話『ウリアの良い一日』



Side〜ウリア〜

翌日のHR。
この場にデュノアさんとラウラはいません。
ラウラは昨日のこともあるので休みでしょう。
デュノアさんは少しありまして、遅れているんです。
まあ、すぐにわかるでしょう。

「み、みなさん……おはようございます……」

顔色が悪く、ふらふらの山田先生。
どうしたのでしょうか?

『<<昨日のことが原因だと思うのだが(ですが)>>』

……知りませんよ?
知らないったら知りませんよ?
ランスロットのバーサーカーモードなんて、使ってませんよ?

「今日は、ですね……みなさんに転校生を紹介します。 転校生といいますか、すでに紹介は済んでいるといいますか、ええと……」

あ、これです。
デュノアさんの件はこれです。

「じゃあ、入ってきてください」

「失礼します」

来ましたね。

「シャルロット・デュノアです。 皆さん、改めてよろしくお願いします」

男装を解き、スカート姿のデュノアさんが挨拶をする。

「ええと、デュノア君はデュノアさんでした。 ということです。 はぁぁ……また寮の部屋割りを組み直す作業が始まります……」

あ、これもあったんですね。
でも、それって私とデュノアさんを入れ替えれば良いんじゃないですか?
というより、それがいいです。
そうしなさい。

「え? デュノア君って女……?」

「おかしいと思った! 美少年じゃなくて美少女だったわけね」

「って、織斑君、同室だから知らないってことは―――」

「ちょっと待って! 昨日って確か男子が大浴場使ったわよね!?」

ザワザワザワッ! あっという間にクラスは喧騒に包まれました。

「僕は入ってないからね? もしも一緒に入ってたら今頃アインツベルンさんに殺されてるからね? 肉片一つ残っていないからね?」

「酷いことを言いますね、デュノアさん。 殺しはしませんよ。 殺しは、ね……」

そんなことをしたら、一夏が悲しみますからね。
私は、一夏を一番に思っていますからね。

「でも、山田先生みたいになると思うのは気のせいかな?」

「気のせいではないでしょうか? ねぇ、山田先生?」

「ひっ! そそそそそそ、そうですね!」

山田先生は何を怯えているんでしょうか?
私はただ、“普通に”お話しただけじゃないですか。

(((……アインツベルン(ウリア)さん……何したの……?)))

【クラス全員の謎である。by作者。】

そんな空気の教室に、扉が開く音がした。

「すまない、遅れた」

それはラウラでした。

「ラウラ、もう大丈夫なのですか?」

「はい、おかげさまで。 少し痛みますが、問題はありません」

痛むなら休みましょうよ。
千冬義姉さんは認めてくれますよ、きっと。

「……無理はしないようにしてくださいね」

「はい。 ……織斑一夏」

ラウラは一夏のほうに向き直り、口を開いた。

「何だ?」

「初日に殴ったりして悪かった」

「は? ……あ、ああ、気にすんなよ。 もう済んだことだしな」

「しかし、それでは私の気が済まんのだ」

やっぱり変に律儀ですね。

「んー、俺は気にしてないからさ、これから仲良くしていこうぜ。 ウリアとも仲良いらしいからな」

ラウラはずっと軍にいたから、こういう友達というのを持つべきですね。

「お前がそれでいいのなら……」

「よろしく、ラウラ」

一夏はラウラに手を出す。
握手ですね。
ラウラはそれを取り、今度は私の方を見た。

「それと、あの……ウリアスフィール嬢」

「なんですか?」

何か恥ずかしがっているような気がしますが、どうしたのでしょうか?

「あの、その……『お姉様』と呼んでもよろしいでしょうか?」

「っ!!!」

か、可愛い!
ラウラが恥ずかしがるなんて希少ですし、それに加えて『お姉様』。
最高です!

「……やっぱりダメ、ですか……?」

上目遣いで見上げるラウラ。

「いい! 凄くいいですよ、ラウラ!」

可愛すぎます!
こんなラウラ、本当の妹にしたいくらいです!

んんっ!
にしても、元のキャラが崩れ去っていますね。
その様子にクラスが追いついていませんよ。

「あ、ありがとうございます、お姉様」

こんなに可愛いラウラは初めてですよ!
ラウラの可愛さがいつもの倍増しです!
ああ、なんていい日なんでしょう!

『なんかマスターが壊れてるぞ?』

<よほど嬉しいのでしょう。 ウリアは彼女を可愛がっていましたからね>

<いつも硬い妹のような存在が、いきなり『お姉様』と呼べばわからなくもないだろう>

『なんか俺の頃とは何か違うな。 もう影響が出ているみたいだ』

ラウラは後で一夏と一緒に可愛がるとしましょう。

「お、お姉様、苦しいです」

『マスター、もう可愛がっているぞ』

あっ、無意識のうちに抱きしめていました。
もう、この際この場で可愛がりましょう。

「ラウラが可愛い過ぎるのがいけないんですよ!」

可愛いは正義です♪
ああ、ラウラはなんて可愛いんでしょうか!



















その日の内に、デュノアさんは部屋が変わり、私と入れ替わりました。
一夏と私とが、ラウラとデュノアさんが同室になりました。
やっぱり、こうでないといけませんね。


Side〜ウリア〜out



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