小説『IS インフィニット・ストラトス 〜銀の姫と白き騎士〜』
作者:黒翼()

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大変お待たせいたしました!
黒翼の『銀姫』、ここに復活です!
いやぁ、リアルが忙しくて、やることがありすぎて、執筆が全然進みませんでした。
更新速度は遅いですが、見てくれると嬉しいです!
では、短いですが、始まりです!



第九十七話『スコールとマグス』



Side〜スコール〜

「今帰ったわ」

「ンァ? 帰ってきたのか……って、なンかあったのかァ?」

帰った私を迎えたのは、私が呼び出した反英霊マグスだった。
マグスは、私にそんなことを聞いてきた。
マグスから聞いてくるなんて、珍しいわね。

「あら、どうして?」

「お前、笑ってっぞ」

「え?」

私は頬を触る。
でも、そんな感覚はない。
どうやら私は、無自覚のうちに笑っていたようね。
そんなにウリアスフィール・フォン・アインツベルンと会ったのが嬉しかったのか、それとも織斑

一夏と会ったのが嬉しかったのか、それともその両方と会ったのが嬉しかったのか、それともまっ

たく別の何かかはわからないわ。

「お前も、どうやら頭がイカれてきたよォだなァ」

「失礼ね。 まだ貴方ほどイカれてはないわよ」

「自覚してンじゃねェか。 まァ、この俺を呼ンだ時点で、俺と似た部分は出てくるのは確実なン

だがなァ」

「相性がいいだけであって、似た部分がでてくるのは確実ではないはずでしょう?」

マグス曰く、触媒無しで召喚された英霊は、そのマスターと相性がいいらしい。
つまり、私とマグスは似ているということ。
正直、あまりうれしいことではないけどね。

「ハッ! この俺を呼ンどいて、似た部分がないわけがねェだろォが」

あまり認めたくないけど、確かに私とマグスは似ているわ。
たとえば、目的のためなら、人道から外れたりするところ。
マグスは復讐のために多くの子供を誘拐し、餓死させた。
その行いは、人の道から大きく踏み外れている。
私は、私たちの思い描く未来のために、世界を破壊する(・・・・・・・)
とてもじゃないけど、人道的とは言えないわ。

「……で、何があったンだ?」

「お姫様に会ったのよ」

「お姫様だァ? ……あァ、アインツベルンのか」

『お姫様』でわかったったようね。
まあ、ウリアちゃんは正真正銘のお姫様だし、間違いじゃないから問題はないわ。
なんたって、今を生き延びる唯一の魔術師家系の娘なんだし、その実力も、突然変異で英霊という

力を手に入れたような私とは比べ物にならないほどに強力。
下手をすれば、ウリアちゃん一人でマグスを倒しかねないほどにね。

「おい。 テメェが今何考えてンのかくれェは予想つくぞ。 どうせ、俺がアインツベルンのお姫様

に負けるとでも考えてンだろ? あながち、間違いじゃねェよ」

「あら、否定しないのね」

でも、どうして考えていることがわかったのかしら?
やっぱり、似ている所為かしら?
まあ、どうでもいいことね。

「英霊となって召喚されちャいるが、所詮はこの笛だけで成り上がっただけの反英霊。 俺個人と

しての能力は、はっきり言やァテメェ以下だ」

マグスは彼の宝具である笛を弄りながら、自虐するように言った。
まあ、自虐してるんだけどね。

「まあ、そうかもしれないわね」

私は、マグスの自虐を否定できない。
なぜなら、彼のステータスが低すぎるから。
私がマスターとして与えられている権限で、召喚されている英霊のステータスが数値となって見え

る。
それで見える彼のステータスは、途轍もなく低い。
平均値がEという低さ。
代わりに、彼を英霊足らしめる宝具が、恐ろしく強い。
ランクはA+。
宝具はランクが全てではないけど、それでも十分強力さを示してくれる。
それだからこそ、私も彼を利用しているし、信用もしている。

「ケッ。 否定しねェのか」

「だって、事実じゃない」

実際に戦ったことはないけれど、少なくとも真っ当な戦闘経験のなさそうなマグスに、純粋な戦闘

能力で負けるとは思えないのよ。
これでも鍛えてはいるから、宝具を使われなければ、倒せる自信がある。

「まあ、そォだけどよォ……」

あ、拗ねた。
男として、女に負けるって言うのが嫌なのかしら?
まあ、どちらにせよ、あまり関係のないことね。
それに、こういうことよくあるし、いつもみたいにそんな時間も掛からずに元に戻るでしょ。
さて、拗ねたマグスは放っておいて、アインツベルン陣営の英霊を調べましょうか。
いくらマグスの宝具でも、どうしようもない敵がいるだろうし、何か手を考えないといけないし。
……まあ、そんなこと考えても、簡単に蹂躙されるかもしれないけど。


Side〜スコール〜out


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