小説『Zwischen』
作者:銀虎()

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(停・参侠蹂狂恋壊慣壊日常)

そのあと軽く金羊毛を壊滅させておいて、
利家は、壱から濡れタオルを渡されて髪の血を拭い去ると暦の縄を全部切って眼隠しと猿轡を取った。
「大丈夫だったか。」
利家は一変優しい声を変える
「うぅぅわぁぁあぁぁぁぁ^。」
暦は利家に抱きついて泣き始めた。
「おうおぅ。・・・・っと、命の所にいかんと。」
壱はエンジンをつける。
「僕も一緒に行こうかな。天がいるし。」
壱の声に楓は便乗しようとした。

ばっ
利家の胸から、暦が顔を挙げた。
「んっっ。」
利家と楓と壱がどうしたんだろと眼を向ける。

ジュバッッ

ハイキック

「えっっ。」
壱と楓が、疑問詞を浮かべる。利家はその場にぶっ倒れる。
「すっごい怖かったんだぞ。もっと早く守ってくれよ。」

「クッ。」
「ハハハハハハッッ。」
楓と壱はその場で笑い出した。
「はやく、みんなの所に連れていいてくれよ。肩車で。」
「はいよ。・・・」
暦は利家の頭の上に、ちょこんとのかった。
「それじゃぁ、バイクは無理だね。」
「残念じゃが、そのまま家まで送るんじゃな。」
壱と楓は、そう言って走り去る。
「おいっって、ちょっと。」
無情な友人の背に手を伸ばしてももう届かない。
「ハハハハッハッッッツ。」
壱と楓と暦の笑い声がした。

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