小説『ラグナロクゼロ(シーズン1〜2)』
作者:デニス()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第二章 月に抗う氷結の美女と運命に抗う銀髪の聖女


第三話 資本主義の怪物と犯罪の復讐者

アルスターカンパニー―――現在からおよそ50年前に設立され、アメリカのあらゆる軍需分野を担い牛耳る『総合民間軍需企業』。
その誕生は20世紀前半。アメリカ初の原爆開発計画・『マンハッタン計画』に参加していた在米ユダヤ人であった初代社長・『ウィリアム・G=アルスター1世』が、大戦終結後に未曾有の経済繁栄を契機に設立された。当時の初代社長が健在の時代は、それなりの経営手腕で『朝鮮戦争』といった冷戦期前半の幾つか戦争に関わり、並の財を成していた中小企業に過ぎず、これといった立場の向上はみられずにいた。だが冷戦期後半になると、突然の初代社長の急死により、養子である義理の息子・『ローレン・ギア=アルスター2世』またの名を『ロギア』が、社長の地位に着いたことで会社の立場を一変させる。それは『ロギア』が今の地位に着いたことで、まるで才能に花を咲かせたかのように、さらにまとまった企業にさせる為に内部改革を推進させ、その当時起こった『ベトナム戦争』と後の幾つかの戦争で、海外市場に対してのより協調的な政策をとった。『戦争特需』にも恵まれたことで、破竹の勢いで会社の対外進出と組織力を向上させ、今に至る大企業になった。
現在は対立していた謎の組織・『元老院』と同盟を結び、二つから合わせた一つの勢力におさまっていたが、しばらくして未知の第三勢力・『桜』の存在か明確になってきたのを理由に、同盟関係に亀裂が走っているのに悩まされていた。このことで世界のパワーバランスは右往左往し始め、へたに傾くと『闘争』が起こってもおかしくはなかった。

-143-
Copyright ©デニス All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える