小説『ラグナロクゼロ(シーズン1〜2)』
作者:デニス()

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ラグナロクゼロ

第二章 月に抗う氷結の美女と運命に抗う銀髪の聖女

第四話 一途な夢に恋した者と覚醒の兆候


悪魔―――それは読んで字の如く邪悪な存在である。
聖書によれば、彼らは元から邪(よこしま)な存在ではなく、実は聖なる天からの使いの『天使』であった。わかりやすく解釈をすれば、誕生した原因は『神の息子』が親である神に反旗を翻したのを発端に、続々と『天界』で幾千幾万幾億の天使達が反逆を起こしたのだという。そこで反逆者達は『天界』から『地獄』に堕とされ、後に悪魔と呼ばれる存在になったのだ。
現実の世界つまりは『人間界』では各宗派の違いによって、『地獄の内情』はバラバラでもあり、同時にうやむやな一面もある。
だがとある一人の悪魔学者が説いた。いつからかは不明だが、今の時代も『地獄』は未だに世界を一国とした専制主義、つまりは『帝国』として成り立っているとの事である。その国家体制は『人間界』に存在する国々とは少し異なるが、一人の皇帝・七人の王族(皇帝を含む)・九つの階級を持つ貴族といった役職で、悪魔達はその『帝国』を統治していた。それと当然と言っていいところは、常に悪魔達は国営事業の一貫として、人類に害をもたすことに励んでいるのである。

ただ何百年前か今の『地獄』の現状では、ある理由でちょっとした権力争いが起こっているのは、ある限られた人間しか知らない。

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