小説『ラグナロクゼロ(シーズン1〜2)』
作者:デニス()

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「ケタタ……! な、なんだ。あのバカみてえに光ってる目玉は!」

急な異変に後退りをするハープメイの言うとおり、黄昏の如く光り輝く真堂の眼光は最高潮までに達した。

「あれはまるで……聖餐者(せいさんしゃ)……!」

ある事情でほぼ不死身であったアベルは体が再生し始め、やっと腰が上げられるようになり、ハープメイと同じく驚きながらあることを呟く。

ただ真堂の異変はそれだけに限らず、今の両目に宿る光が漏れだし、それでいて植物の根が育つかのように身体中を侵食し始めた。

「おーすげえな! 光が寄生虫みてえにガキの体を覆ってやがてるな。んで? だからどうした? そんな少年マンガとやらみたいに発光したところで、俺様に勝てるってんのか? なめんなよクソガキ! 今すぐにでも蜂の巣にしてやらあ!」

勝手な言い分を並びたててから、片方の手のひらを空をかざし、ハープメイは炎上するくらいのタバコの煙を噴かせ、それを再び自分の能力で全開にさせる。それはさっきのとは比べ物にならずハープメイは、真堂に四方八方から向けた数千本の針状の鋭い突起物を形作り、展開させた。

「―――ハァープメェェェェェェーイ!」

絶体絶命に陥りつつある真堂はそんなことにも関わらず異変は収まり、大切な人を死に追いやった相手を睨み付ける。そしてライオンのいななきを発するかのように、真堂は震えを覚える剣幕で、ハープメイに攻撃をする構えを見せる。

「ケタケタケタケタ! 弱いクセに俺の名前を気安く呼ぶんじゃねえよザコがぁー!」

同じくハープメイは口が裂けるほどの笑みを浮かべ、真堂とは違い後退りを覚える剣幕でいる。そして両手を広げ意気揚々と罵倒を発する。
そのことで互いが臨戦態勢は整い決しの戦闘が始まる。

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