小説『ラグナロクゼロ(シーズン1〜2)』
作者:デニス()

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第一章 黄昏の瞳を持つ少年と長髪の均衡者


第二話 存在しない英雄と謎の転校生


第二次世界大戦―――1939〜45年まで、ドイツ・イタリア・大日本帝国の三国同盟いわく『枢軸国陣営』と、イギリス・フランス・アメリカ・ソ連・中華民国など『連合国陣営』との間で争われた、世界史上最大の大戦である。

 国際連盟ができてからのこと、一次大戦終結後のしばらくの間は、確かにつかの間の平和はあった。だがありえるはずもなかった二次大戦の勃発という結果からして、それは偽りと言えただろう。

 裏では大国間の思惑に翻弄され、経済的かつ政治的に虐げられし、有色人種の国々(アジア・アフリカ)の解放による火種をちらつかせつつある日本。

 そして敗戦国であるドイツに憎悪という名の怪物を育ませながら、着々と戦争準備をさせるスキを作らせたのが一番の敗因と言えた。

戦争は始まり、大規模な戦闘が6年に渡り戦い続けられた結果、見事に連合国の勝利となる。

 現在の諸説では秘密結社である『フリーメイソン』が、アメリカの台頭とそれによる強固な秩序を形成する為に、この大戦を意図的に仕組んだとされる。

 果たしてそうか? 現実的に考えてみれば、いつまでも勝ち組でいられる組織など存在しない。長期に存続に至れば腐敗や敵は常にまぬがれぬものだ。

 限られた諸説では、二次大戦の勝利の裏には産業革命(18世紀)から、歴史上の戦争や事件を裏で暗躍してきた『組織』が、一人の『超人』によって倒された事で、連合国を勝利に導いたという。


 世界を救った果てに世界に裏切られたその『英雄』の名は―――

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