小説『IS〜ただ一発の魔弾として〜』
作者:ディアズ・R()

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第二話





自身に割り当てられた1026室の中に入る。
またまた諸事情によって一人部屋です。
部屋に入って最初に目に入るのが、一人なのにダブルベット。
次に、無駄に大きなタンス。
見る事が無いであろう、最新の液晶テレビ。
何故か本格的なキッチン。
最大で六人は座れるであろう、円卓机。
存在感の薄い勉強机。
まさしく、私の部屋ですね。
自宅の方も、こんな部屋ですし。
まあ、キングサイズのベットですが。
部屋着に着替えて、夕食の準備を始める。
これでも、私は自炊派です。
まあ、お昼は自分で作りませんけど。
ちなみに、部屋着は大き目のセーターの様な物と白いフリフリの下着のみ。
下着がフリフリなのは、特に意味は無い。
身長が低いので、膝元までしっかり隠れる。
隠さなくても見る人なんていないでしょうけど。
まあ、父曰く『男は、そういう姿を見ると襲い掛かるほど単純なんだ!!だから隠しなさい!!私が妻に殺される前に!!』らしいです。
良く分からないですね。
さて、今日の夕食は……シチューにしましょう!
エプロンを着けて、シチューの具を切っていく。
ニンジン、ジャガイモ、鶏肉のシンプルな具と、チーズとイチゴジャムを鍋に入れる。
ちょっとチャレンジしてみた。
そのまま、弱火で煮込んでおく。
フランスパンがキッチンにあったので、それでシチューを食べる事にした。
フランスパンを見ていると……涎が出てくる。
ちょっとぐらい摘まんでも……
モソモソ口を動かしてたら、隣で破砕音が聞こえた。
一旦火を消して、外を見て見る。
お隣のなっちーが、廊下に座り込んでいた。
教室の席だけに留まらず、部屋まで隣とは……これは、お隣さんとして挨拶しなくては!
近付いてみた。
どうやら、私以外にも部屋から現れた女子に囲まれて、慌てふためいている様だ。
いろいろと露出度の高い部屋着の女子は、一般的な男子にとっては目に毒だろうか?
自宅では下着姿で生活するので、正直分かりませんね。

「そこで何をしてるんですか?」
「……箒に、同室の人に追い出された」

それは可哀想に。
私の勘では、ツナっちが何かをした可能性大ですね!
でも、今のいっちーを見ていると……捨てられた子犬に見えます。
私、捨てられた子犬は、絶対に拾う派です。
怒られますけど。

「私の部屋、来ます?」
「い、いいのか!?」
「これから夕食を食べようと思っていたんですけど……一人だと寂しい気もするので、丁度良いです」
「夕食まで……ありがとう、ユラ!!」

笑顔で手を握られた。
とりあえず、握られていた手をスルメに変えておいた。
特に意味は無い。


◇◇◇◇◇


冒険シチューは、予想以上に美味しかった。
またなにか、チャレンジしようと思う。

「ユラって料理上手いんだな〜ちょっと甘かったけど」

おいちさんには、イチゴジャムを入れた事を言っていません。
言ったらどんな反応しますかね?

「ホットミルクですけど、飲みます?」
「おう、飲む飲む」

やはり、牛乳系は美味しいですね〜
ですが、風呂上りのコーヒー牛乳に勝る物無し!!
……お風呂に入りたくなってきました。
でも、この部屋シャワーが限界なんですよね〜
大浴場に行きたいですが、人が沢山いる所って、苦手なんですよね。
ちなみに、胸は掌から少しこぼれるぐらいです。
私、着痩せするタイプらしいです。

「なあ、ユラ。ISについて教えてくれないか?」
「別に良いですよ〜でも、私が教えられる事なんて、避ける練習ぐらいだと思いますよ?」
「そうか?あの時は、基礎的な部分だけでも十分分かりやすく教えてくれてたけど……」

丁度予習した所ですから。
勉強机から予習ノートを持ってくる。

「では、あまり時間を掛けると、一夏君と同室の人が心配するので、簡単に勉強しましょうか」
「あぁ〜そう言えばそうだな……謝った方が良いのかな?」

勉強会が始まった。
基礎の基礎から理解できていなかったようだ。
まあ、私もほとんど理解してませんでしたけど。
教える過程で、基礎は全部覚えました。
三十分ぐらいですかね?

「……」(今更だけど……ユラの格好、ヤバクね?)


◇◇◇◇◇


「いろいろ教えてくれてありがとな!」
「いえいえ、私も良い復習が出来ました」
「じゃあ、また明日な!」
「はい、また明日」

ひとか君が部屋から出て行った後に、シャワーを浴びてベットにうつ伏せで倒れこむ。
ねむねむ……

「……Zzz」


◇◇◇◇◇


「……ふぁ〜」

朝六時に起床。
朝食を食べる事にした。
朝食は、食パンに―――

「ピーナッツバター!!」

ピーナッツバターですよ!!ピーナッツバター!!
私、ピーナッツバター大好きなんです!!
ビーナッツゥゥゥ!!!

「ユラ〜いるか?一緒に朝食、食べ……何があった?」

多分、両手と顔にピーナッツバターが付いていると思われる。
何を見ているのですか?
私のピーナッツタイムを邪魔する気ですか!?

「……あ〜楽しそうだな?」
「はい!楽しいです!!」

今、自分でも予想以上に良い笑顔が出来た気がします!
ところで、なんで夏君は赤くなってるんですか?

「そ、そっか……しっかり汚れ、落とせよ?」

そう言って、なついち君が部屋から出て行く。
そういえば、ひとむら君ノックしてました?
まあ、どうでもいいか。
さて、今日も一日頑張りましょう!
お菓子は、何を持って行った方が良いですかね?

-3-
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