小説『ソードアート・オンライン stylish・story』
作者:アカツキ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>


第十八話 最強技

シュウとリズベットは足を進め、一つの広い場所に出た。そこには氷のような水晶が無数に生えており、光に反射してダイヤモンドダストのような輝きを放っていた。

「うわぁ!!キレイ!!」

「ああ!!凄くキレイだな。こんなキレイな場所があったなんて知らなかったぜ」

シュウとリズベットはその風景に心を奪われていた。
しかしシュウは一時の心の癒しを堪能するとリズベットに転移結晶を渡す。

「念のために渡しておくぜ。俺が危険だと言ったらすぐに転移しろ。そしてリズが転移したのを確認したら俺もすぐに後を追うからよ?」

「分かった。シュウも無理はしないでね?」

「分かってるさ。んじゃ、俺の後ろに回ってくれ。リズはバックアップを頼む」

シュウの作戦にリズは頷き、メイスを構える。シュウはリベリオンから閻魔刀に替えるとゴーレムが居ないか周りを見渡すがそれらしい影はなかった。

(ここが氷結の丘の筈だ・・・なのにゴーレムがいねぇ。仕方ねぇ、おびき出すか)

シュウは閻魔刀からルシフェルに替えると剣を一本作り出すと水晶に向かって投擲し・・・

パパン!!

と手を叩き、起爆させた。

「シュウ!?いきなり何を・・・」

「隠れてないで出て来いよ!!遊ぼうぜ!!」

シュウの狙いは起爆剣を爆発させる音と衝撃による陽動だった。そしてその陽動に答えたのか、地面が揺れ始めると無数の水晶平原の中から体中に水晶をはめ込んだ全長8Mくらいはあるゴーレム【クリスタル・ゴーレム】が地面から這い出てきた。

「お、大きいよ!シュウ!!」

「ゴーレムって言ったらこれ位はあって当然だろう?驚くまでもないぜ。っと、どうやら相手はやる気満々みたいだな?」

「えっ!?」

リズベットが呆気を取られた声を上げ、見てみるとゴーレムが二人を踏み潰さんと片足を上げていた。そしてそれが一気に二人に向かって襲い掛かった。

ドゴォォォン!!!

振り上げられた足が地面に付くと地面は揺れ、衝撃波が二人を襲う。

「ひぃぃぃ!!!こんなのどうやって倒すのよ〜〜!!!」

「ハッハ!!こいつはCrezyだぜ!!あれ喰らったら一撃必殺だろうな!!」

「呑気に言ってんじゃないわよ!!死んじゃうわよ!!」

「慌てんな。良いか、作戦を伝えるぜ?俺がやつの気を引いている内にリズは打撃のメイスでヤツの下半身の水晶を砕け!俺は上半身を砕く。破壊が完了したら隠れていろ!分かったな?」

しかしその作戦には少し無謀があるように見えたのからリズベットが声を張り上げる。

「下半身!?無理無理無理!!私、潰されちゃうわよ!!」

「安心しな。あんな、でけぇヤツは自分の下半身よりも自分の目の前・・・上半身を気にするんだよ。後はヤツの動きは遅ぇが動き一つ一つ重く、衝撃波がある事とHPに気を配れば倒せるさ」

「それで・・・倒せるの?」

「俺を信じろ!リズ!!」

シュウのリズベットを信用している言葉と勇気付ける言葉にリズベットは泣き泣き答えた。

「わ、分かったわよ。やってやろうじゃない!!」

「そう来なくちゃな!!行くぜ!!」

シュウはべオウルフに替えるとゴーレムの目線まで飛び上がり、胴体に鉄拳を打ち込んで行った。

「Crash and bash(砕け散れ)!!!」

シュウの鉄拳は水晶の甲殻を砕いて行き、中の柔らかい筋が目に見えるほど露出させた。
ゴーレムもやらせまいと両腕を豪快に振り回し、シュウを退けようとするが、シュウの目にはそれも遅く見えていた。

「Too late(遅すぎるぜ)!!!」

シュウは迫って来ていた腕にタイミングを合わせて飛び乗り、それを台座にして飛び上がる。

「流星脚!!!」

そして落下の勢いを乗せた飛び蹴りを喰らわせ、上半身の水晶を砕く。
数十分間経った頃には殆どの水晶は砕け散っていた。リズベットの方もシュウが気を引いててくれてたため、下半身の水晶の破壊を終えていた。

「こんなものかな。シュウ!!終わったわよ!!」

「流石マスターメイサー!!んじゃ、締めは俺がやっからリズは下がってろ。巻き添えを喰うかもしれないぜ?」

シュウがリズベットに言い聞かせるとリズベットはその場から隠れるようにシュウとゴーレムから離れた一本の樹氷の裏に身を隠す。それを確認したシュウは地面に立ち、べオウルフを構える。

「OK!!テメェは運が良いぜ?何せ俺が考えた技の実験第一号なんだからよ!!」

シュウはまず地面に鉄拳を打ち込み、その土埃に身を隠す。そしてゴーレムが標的を見失ったその隙を突いて・・・

「Rising dragon(昇竜拳)!!!」

元祖・アッパーカットをゴーレムの腹部に直撃させ、身体を宙に浮かび上がらせると瞬時にべオウルフから閻魔刀に替えると・・・

「Keep cutting(斬りまくるぜ)!!!」

抜刀術から目で捉える事の出来ない程の無数の斬撃を飛ばし、ゴーレムを斬り崩して行った。
そして閻魔刀からケルベロスに替えると身体を回転させると三棍をゴーレムの顔に頭部に直撃させ、地面に墜落させる。

「Let’s make the end(終わりにしようぜ)!!!」

最後にケルベロスからルシフェルに替えると掛け声と共に起爆剣を作り出し、両手にも持つと一気に投擲し、ゴーレムの体に突き刺す。水晶を砕き、筋を露出させたのはこのためだったと言って良いだろう。
ゴーレムは満身創痍の状態なのか身体を動かす事はままならなかった。シュウは無数の起爆剣を突き刺すと地面に降り立ち、銜えていたバラをゴーレムに向かって投げる。

「This’s my・・・showdown(これが俺の・・・ショウダウンだ)!!!」

バラが一本の起爆剣に当たるとそこから誘導爆発を引き起こし、巨大な爆発が氷結の丘に広まった。そしてそこにはゴーレムの姿は影も形も無く、シュウのアイテム欄には目的の【ピュア・アイズ】が入っていた。
そしてリズベットと合流を果たし、目標を達成した事を確認するとリンダースに転移したそうだ。

(後書き)

感想と指摘。よろしくお願いします!!

-18-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ソードアート・オンライン -インフィニティ・モーメント- (初回限定生産版)
新品 \12000
中古 \8380
(参考価格:\9980)