卓樹は兄貴の那砂に呆れて、可能な仕事をしようとした。
「俺も台所手伝ってくるよ。あのゴミ溜めは一人じゃ荷が重いから」
「二人だぞ〜、それと……」
那砂は台所に行く扉を異空間にしていた。
「だから人の話は最後まで聞けって」
仕方ない奴だという感じで那砂がつぶやく。
「言ってる場合か――!!」
「卓樹、どんな状況だ?」
「やべえ」
台所の中のものを片っ端から食べている怪獣っぽいバケモノがいた。そこに入りかかった卓樹の体を那砂から引っ張り出された。
「なんだこれ―――!!」
「空間をねじ曲げて魔界のゴミ処理場とつなげたみたいだぜ」
叫ばずに入られない卓樹、便利なだけだとしか那砂は考えていないようである。
「なんなんだよ――!?」
「番人が何でも食べてくれるとか、便利だよな」
「俺も食われかけたわ!」
命の危機に見舞われた卓樹はこれの原因を追究した。
「一体何を雇ったんだ!?」
「確か……魔女と下僕だったか」
「何でそんな奴雇う」
「やる気を見せてくれてな」
「やる気だけで雇うな!」
卓樹が怒ってはいるが那砂は特に問題ないと判断したようである。
「何だよ、ファンタジー好きだろ?」
「現実(リアル)じゃこええよ!」