「いろいろ迷惑かけてごめんね」
矢野原さんは真水君に被害(迷惑)をかけたことを悪いなと思っているみたいだが、彼はまんざらでもない。
「いやいや」
真水君は照れながらも自分の気持ちが少しでも伝わらないかと信じて彼女に本音をぶつける。
「矢野原さんのためならこれくらい…」
「ホント!?嬉しい!」
彼女は喜びを表現したかと思ったら、急に黒い部分を出してとんでもないことをどこかに電話をかけて伝えているので(本気で!?)という心境だ。
「ボディーガード志願者一名追加!」
矢野原さんのお茶目な一面を見れたかと思ったら、真水君はボディーガードに取り押さえられる。
「やだぁ、冗談よ♪なんちゃって」
しかし彼はボディーガードに志願書を書くように捕まっているので冗談ではなくなっていた。
(怖い人も一緒だけど…矢野原さんと話す機会が増えて嬉しいな)
ボディーガードの方関連の巻き込まれを抜きにすればと真水君は彼女と一緒に行動出来て嬉しいとプラス思考に考える。
(あの不自然な地面とクレーン車は…もしや敵が!?)
矢野原さんが地面のでっぱりに転びそうになっているのを見て、真水君は彼女に注意するようにと声かけした。
「矢野原さんあぶなーい!!」
彼女を危険から遠ざけるように自然と体が動いた彼、罠に引っかかってしまった。
「って落とし穴―――!?」
矢野原さんの行動はテストだったらしく、彼女とボディーガードの男が目で合図し合う。
「ボディーガード試験は合格っと」
これから僕はどうなるんだろう?