小説『君が死んだ日【完】1000hit達成!!』
作者:ハル()

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それが来たのはあまりにも突然で最低なタイミングだった。


あれは、家族でおばあちゃんとおじいちゃんの住んでる田舎に行った時。
夏休みに入って始めての遠出だった。


あたしと姉ちゃんはそこにつくなり家の近くをぐるぐると探検していた。
田舎の自然は都会暮らしの自分達にとって新鮮なものばかりで楽しくて仕方ない。
日が暮れるまでずっと外で遊んでた。


『香奈! 家に帰ろ』

『うん』


急いで家に戻っている最中、姉の様子はどこかおかしかった。
少し、顔が青白く見えた。
でも小4のあたしは゛青白く見えるのは気のせいだ゛と、思い込んだ。
なんて馬鹿だったんだ…。
姉の顔の青白さに気づいていたのに、姉の様子をよく観察しないで。

家についたときだれかに、姉の様子がいつもと違うとも言わなかった。
その日、その時に言っていたら姉の未来は少しでも変わってたんじゃないかなんて、今更になって悔やんでいて。でもそれは手遅れで。

次の日の朝に姉は咳き込んだ。

『ゲホッゲホッ……』

家族は皆、風邪をひいたのだろうと思っていた。でもあたしはなぜかそう思えなかった。


『姉ちゃん大丈夫?』

『ゲホッゴホッゴホッ…』

姉は咳がひどく、しゃべれなかった。なのであたしの問いにはコクリと頭を下に揺らすだけ。
とても、大丈夫とは思えない。


『ゴボッ』

『!??』


…何が、起きたのかわからなかった。

目の前で血を吐き出してうつぶせに倒れている姉をただ見つめる事しかできなくて体が動かなかった。



姉の苦苦しい時が始まってしまった。




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