――――今でも鮮明に思い出す。
――――姉の吐いた血液の血溜まりを。
――――赤黒くてねっとりとしていたそれが頭を離れなくて。
――――恐い…。
――――あたしが、怖がってちゃいけないのに。
――――姉を支えなきゃいけないのに。
――――そんなことで怖がってちゃ駄目だ。
――――駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ……。
――――こんなに弱かったら馬鹿をみる。
――――もっともっと。そう、もっと。
――――゛姉のため゛に強くならなきゃ。
――――だから姉ちゃん、どこにも行かないでよ。