小説『君が死んだ日【完】1000hit達成!!』
作者:ハル()

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あたりまえだが、あたしはすぐさま姉を問い詰めた。


「小野さんってさぁ〜。ぶっちゃけ姉ちゃんの彼氏でしょ〜?」

「……違う! ……小野君は友達っ」


そう言う姉の表情は焦り気味。顔に出やすいというのは実にわかりやすい。


「ホントは好きなくせにぃ。それにその間はなに?」

「ぅ……」


フッ。勝った。あたしの勝ちだ。
姉はお手上げポーズ。姉はしつこく聞かれるのに弱いのだ。
そして姉は話しはじめた。




「…自分にとって小野君は大切な人、かな」

姉はなぜか悲しげな表情だ。

「てことは、好きなの!?」

「――うん。でもすぐ、諦めなくちゃ」


諦める…?


「え、なんで? 普通に好きなままで良いじゃん、なんで姉ちゃん諦めるの?」


そう聞けば姉は自分の顔を枕にうずめた。

「姉ちゃんどうし―――」


ひっひっ




姉は泣いていた。ひっひっと姉の抑え気味の泣き声に湿った枕。姉は細い指でシーツを握りしめた。
しわ一つないシーツが歪んでいく。

苦しげに姉は泣きながら必死に言った。


「も、う、時間がっないっの。病気、悪化したからっ。きっと私、死んじゃうっから、小野君のこと諦めなきゃ、きっと苦しい。だからっ……!」


「…姉ちゃん」

姉は赤い顔をして病室内にあるゴミ箱を指差した。
その中をのぞけば真っ赤な光景があった。なに、これ…。


「それ全部血だよ」

「え、?」

「鼻かんでたら鼻水じゃなくて血だった」


姉は平然と答えていく。さっきとは打って変わって血の気が失せたような顔で。
そんな状態の姉をつい、怖い と感じてしまった。

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