開いたページの中に茶封筒が挟まっていたのだ。
それを開けてみれば茶封筒の中には手紙が数枚、それと写真が一枚、はさまっていた。
写真を表にかえしてみると愛らしい女性が一人、笑顔で映っている。
茶色よりの赤茶色をした巻き髪が風になびいてる。
「…だれ?」
なんとなく写真をもう一度裏にする。裏をよく見ると端のほうに、綾乃(アヤノ)と写真の女性らしき名前が書いてあったことに気づく。
あ、や、の……?
矢木矢さんの口から出たことのない名前。
なぜだかわからないけれど、あたしは確実に写真に映っている女性、綾乃さんに不安心を抱きはじめていた。
なんで、こんなことであたし落ち着かないんだろ…。
べつに矢木矢さんとこの人がどんな関係だとしてもどうだっていいじゃないか。
きっとただの友達だよ。
―――あれ、なんで友達とかって決め付けてんだろ。
そう思う自分が意味がわからない。
おかしいな。
白い便せんが視界に入る。
…なんだ、何が書いてあるんだ。
何々何々何々何々?
読みたい。読みたい。読んでしまいたい……
―――――――――読んでしまえばいいだろ?
。
迷いはなかった。いつもの自分なら他人の手紙を勝手に見るなんてしないくせにこの時は不思議なくらい乗り気だった。やっぱりおかしい。
カサッ
手紙を、あたしは開いてしまった。