カラオケ店から外へ客たちが散りぢりになって出て行く。
時刻は11時、俺のバイト時間が終わる。
「(今日はそんなに大変じゃなかったな)」
レジ打ちも終了し、店長のもとへ駆け寄る。
でもその店長の周りに俺と同じように働いてる人達がたくさんいる。
それに何か様子がおかしい。
皆なぜか悲しそうにしてる。
意を決して店長に話しかけた。
「あの、どうかしたんですか」
「あぁ、、矢木矢か。これ今日の分な。話はこれからする」
「(話?)」
疑問を抱きながら手渡されたバイト代をポッケに入れる。
「皆、よく聞いてくれ。突然ですまないが今日限りこのカラオケ店は潰れる。だから君達に仕事はもう無い、今日渡したバイト代は最後のバイト代なんだ。本当にすまない。では…解散―――」
「――――マジか」