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「如月!」
ぱこん
そんな音とともに頭に来た軽い衝撃で俺の思考は現実に引き戻された。
どうやら授業中に先生に指名されていたようだ、教室中で嘲笑が沸き起こっている
キーンコーンカーンコーン
終礼の終了を知らせるチャイムが鳴った
「明日の朝持ち物検査があるからいらないものは持ってくるなよ〜」
「げっまじかよ」「だり〜」
とたんに教室中が騒がしくなる。
そんな中、來未が俺のところに来た。
「珍しいね、心葉が授業中に考え事なんて」
「悩み多きお年頃なんだよ」
「なに言ってるんだか、
何しても行き当たりばったりで適当に決めてきたくせに・・・・で、何を悩んでたの?」
白い肌、乱れた髪、虚ろな瞳、首の包帯。
昨日の女の人の姿が脳裏を過る
「別に相談に乗ってもらうようなことじゃないよ」
「あっそ、じゃあ帰ろ」
「・・・・ごめん、俺は今日も病院行くよ」
「え、昨日も行ったのに?」
確かに毎日行っていたわけではないが、そんなに驚く事でもないだろう
「あぁ、もうすぐ退院できるって言ってただろ、だから身辺整理が必要かなと思ってな」
「そっか、じゃあ仕方ないね。私は帰るね、バイバイ」
そう言うと來未は早足で教室を出て行った。
「さて、どうしたものかな」
そう呟いてポケットの中のモノに触れた。