・・・・・・気まずい
「あなた誰?」
「ぼ・・俺、いや僕」
「一人称なんてどうでもいいわ」
冷たく言い放たれる
「はい・・・、俺は如月心葉です」
「何をしていたの?」
「えぇっと、落し物を届けに」
そう言いながらポケットから写真を取り出す
「あっ」
それは二重の驚きだっただろう。
一つは落し物が見つかったこと、
そしてもう一つはその落とし物、つまりは写真が少し折り曲がってしまっていること。
「ポケットに入れたらちょっと折り曲がっちゃって・・・・・・」
「別にいいわ、そんなこと・・・・・・・・・・・どうかしたの?」
一瞬、
ほんの一瞬彼女が優しく微笑んだ。その顔があまりにも美しくて、俺は茫然としてしまった
「じゃ、じゃあ俺はこれで」
「待って」
「?」
帰ろうと振り向いたところで呼び止められた
「私のお願いを聞いてくれない?」
「お願い?」
うーん、ジュースでも買って来させられるのだろうか。
まぁ写真を折り曲げてしまったのだから断れないのだが・・・
「あなた・・・・私を殺してくれない?」
「は?」