小説『副社長 北条明良?勇退?』
作者:ラベンダー()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

<CM 宿題編1>


缶コーヒーのCM−
セットでの撮影


日本家屋の縁側のセット。中庭もある。
私服の明良と相澤「本格的ー」と異口同音に言う。

相澤が置いてあった扇風機の前に座り、扇風機をつける。そしてその扇風機に向かって「あーーーー」と言う。
その声が震えて、スタッフが笑う。
明良も笑って「子どもの時よくやった」と言う。

「風鈴!」

明良がつり下がってる風鈴を手に取る。

「これ、終わったらもらえませんか?」

1人のスタッフが笑って「いいよ」と答える。

「やった!」

明良が風鈴を鳴らしながら喜ぶ。
相澤が真似をして言う。

「これ、終わったらもらえませんか?」

相澤、扇風機をかかえている。

スタッフの笑い声。「それは駄目」と言われて、相澤落ち込む。
明良も笑っている。


・・・・・・・

(できあがった、CMはこちら)

中庭からのアングル。扇風機が回っている。
私服の明良と相澤、ちゃぶ台で向かい合わせになって宿題をしている。2人のそばには、缶コーヒーがそれぞれ置いてある。
風鈴が時々鳴る。
相澤だけ、うちわで自分を仰いでいる。

明良が、相澤のプリントに鉛筆を当てて「これがこうなるから…」と教えている。(たぶん数学)
相澤がうなずきながら、何かを書いている。
明良も、自分の宿題にかかる。
相澤が缶コーヒーを一口飲む。そして思いついたように言う。

「瞳孔ってどうして開くのかな?」
「今じゃなくていい!」

明良に一喝されて、またプリントに向かう相澤。


明良と相澤が中庭に面する縁側に座り、缶コーヒーを飲む姿が映る。
アングルが変わって、相澤のアップで「気分転換に1本どお?」と言い、コーヒーを飲む。
商品名のアナウンス。

-3-
Copyright ©ラベンダー All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える