〜プロローグ〜
「ふあぁぁ〜〜。ねぇみい。」
俺は剣崎 竜馬。高校二年だ。今日は学校のテストの最終日で、今はその帰り。徹夜した日もあり、とてつもなく眠かった俺は、そんなことをいいながら帰ったら何をしようか考えていた。
少しすると、車のエンジン音が聞こえてきた。顔を上げてみると、トラックが意外と速いスピードで走っていた。車道にいた俺は歩道に戻ろうとした。
が、そのとき小さな、だいたい小一か二ぐらいの女の子が車道に飛び出してくるのが見えた。俺はすぐに持っていた荷物を捨て、走った。ほぼ無意識だったが、スポーツをやっていたのが幸いしたのか、体は動いてくれた。そして女の子を押しのけた。もちろん、安全な方に。
次の瞬間、体にものすごい衝撃が走った。ごろごろ転がり、仰向けで止まった。薄れゆく意識の中、人が近づいてくるのが解った。残り少ない力で顔を動かし、女の子がいるであろう場所を見た。女の子は涙目になりながらこっちを見ていた。
(よかった。無事だったか。)
そう思い、安心した。そして意識を手放した。
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「……ん。う〜ん。」
目が覚めると、そこは何もない、真っ白な空間だった。
「…あれ?ここ、何処だ?」
「ここは黄泉の世界の一歩手前の何もない空間です。」
「あぁ。そうですか。ご親切にどう…も……。」
声が聞こえ、俺の疑問に答えてくれたので、後ろを向くと、
「とりあえず…。すいませんでした!!」
土下座している人(?)がいた。