小説『ゼロの使い魔!?〜覚醒の邪竜〜』
作者:イザナギ()

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題名:やってきたゼロ魔



ネオと一緒に光の扉に入り、出た先には砂煙が舞っていた。

「げほっげほっ、大丈夫か?ネオ」
「う、うん、勿論」

砂煙が収まると、

「誰よ?あんたたち」

この世界の主役である、ルイズがいた。

「僕はギムレー、こっちはネオ、そういう君こそ誰なのさ?」
「私はルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。見たところ平民じゃなさそうだけど、貴族にそんな口聞いたら殺されるわよ?(け、結構かっこいいわね)」
「それはどうも」

とりあえず不審がってはいるけどそこまで強くはないな。

「おい、ゼロのルイズ、使い魔に人召還してどうすんだよ!!」
「流石ゼロ!俺達にやれないことを平然とやってのける!」
「「「はははははははははははははははははは」」」

うるさいな、僕の生前もこんなだった気がする。
だからこそ、むかつく。お仕置きが必要だよね。

「君たち、うるさいよ?」

そういいながら殺気を放つ。といっても大して強くないけどね。

「!ミス・ヴァリエール!離れなさい!」
「何言ってるんですか!?」
「いいから早く!その人は危険です!」

んー、僕の殺気を感知したのか。流石に鋭いコルベール。
あとさ、僕が危険って言われたからってそんなに殺気出さなくていいよネオ。

「いやです!せっかく召還した使い魔なんですよ!いくら先生でも聞けません!」
「ミス・ヴァリエール!」
「ちょっとあらそってる所悪いんだけどちゃんと説明して欲しい」
「そうね、ちゃんと説明さえしてくれれば私たちも暴れたりはしないわ」
「……いいでしょう。説明させてもらいます」

そうすると、コルベールはちゃんと自己紹介からはじめ、ここがトリステイン魔法学校であること、自分たちがルイズに召還されたこと、召還の意味などを詳しく説明してもらった。
うん、知ってるんだけどね。

「それで、使い魔の契約コントラクトサーヴァントをしてほしいのよ」
「どうする?ネオ。僕はかまわないけど」
「私は嫌、ギムレーが契約をすればそれですむし、ギムレーがひどい目にあったら、それなりの報復をするだけだし?」
「決定、で、どうやって契約するの?」

一応聞いておく。ネオが知ってるくせに、といわんばかりに見つめてくるが、気にしないことにする。

「かがんで」

言われたとおりにするしかないかな。
契約を受けるって言ったのは僕だし。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール五つの力を司るペンタゴン、このものに祝福を与え我が使い魔となせ」

ちゅっと口付けされる。
セカンドキスだけど、恥ずかしいもんだねやっぱ。
ルイズのほうも顔真っ赤だし。

と、体中に痛みがはしる。とはいってもずいぶん弱いもんだから気にしない。
ルーンが出たのは両手と胸。
あれ?ガンダールヴとヴィンダールヴに、リーヴスラシル?

「ネオ、これどうなってんの?(ボソッ」
「さぁ?私だってわからないよ。この世界の担当じゃないし。ご都合主義じゃない?(ボソッ」
「世界に担当ってあるの!?(ボソッ」
「うん。私はないけどね?ギムレー専属だよ?(ボソッ」
「ありがとう、その言い方はどうかと思うけどね(ボソッ」
「そこ、なにボソボソ言ってんの?おいてくわよ!」
「はいはい」

怒られてしまった。まぁいいか。

「ではみなさん、授業も終わりました。帰りますぞ!」
「お前は歩いて来いよ、ゼロのルイズ!」
「フライの魔法もろくに使えないんだからな!」

まったく懲りてないらしい。ウィンドで打ち落としてやろうか。

「やめなよギムレー、大人気ない」
「心を読むんじゃない」
「はーい」

ネオもやめて欲しいな。

「で、ルイズはいかないの?」
「私は、あんたたちにあわせて歩いていくのよ!」
「飛べないんでしょ?フライの魔法って飛ぶ呪文のことでしょ?それが使えないって言ってんだから」
「うるさいわよ!」
「あのさ、君の部屋に戻ったらちゃんと話を聞きたいし、したいんだけど」
「え?まぁいいか。使い魔になってもらったんだし、ちゃんと説明しないとまずいわね」

お?関係が悪くなる前に話をそらそうとしたら成功したぞ?
だけどネオ、邪魔しないでよ、といわんばかりに顔をむくらませるのはやめてほしい。かわいすぎて抱きしめたくなるからさ。

「いいわ、ついてきなさい」
「いいんだ?」
「いいの。ほら、早く来なさい」

そのまま僕たちはルイズについて歩いていった。



「月が二つというのは驚くものだね」
「やっぱりそうよねー」
「何言ってんの?月が二つなんて当たり前のことでしょ?」

そりゃまぁ、こっちの人が元の僕たちの世界にきたら多分「月がひとつしかない!」って騒ぐだろうし。

「で?何が聞きたいの?私は優しいから答えてあげるわよ?(こんな見た目的にあたりの使い魔を手に入れたんだからこのネオとかいう女をどうにかして、このギムレーってやつを私のものにしてやる!)」
「うん、とりあえずまずは使い魔の役割について聞きたい。他の質問は思いつかないから、疑問があったらまた聞くから、とりあえずはそれだけ」

一応確認のため。他の質問は思いつかないし。
このあたりが妥当かな?

「私も特にないわ。強いて言うならz「ネオ!」わかったわよ」

何のために話を変えたんだかわからなくなるじゃないか!

「そっちのネオ?が気になるけど、まぁいいわ。使い魔の役割は三つ主人の目となり見たものをこっちでも見ることができる能力よ。けど無理ね、何回やってもうまくいかないし」
「それはこっちもプライバシーの侵害だからむしろ無くていいよ……」
「……まぁいいわ、で、主の求める秘薬の材料を集めること。……できる?」
「種類を覚えたり、生えてるところがわかればできるとは思うけど、あんまり自信ないかな」

なぜか覚醒の薬草(傷薬、調合薬、特効薬の材料)の知識はあるけどこっちに同じ材料があるとは思えないし、というか多分無いでしょ。

「で、次が一番大事なの。主の護衛をしてその身を守ること。あんまり戦えそうには見え無いけどできる?」
「余裕だよ、前にいたところでは邪竜ギムレーって結構有名だったし、世界を滅ぼせるだけの実力はあると思うけど」
「私も邪神って呼ばれてたからね。同じくそれくらいの力はあるわよ?」
「世界を…滅ぼす?あんた達、いったい何者よ!?」

やっとここまできた。
ギムレーの設定を一部もらって話した。
昔世界を滅ぼそうとしたこと、そして何度も失敗して最後には死んで、ネオに能力をもらってよみがえり、この世界に来たこと。ついでに、もう何かを滅ぼしたりするつもりも無いことも。

「あんたたちが規格外ってことはわかった。安心していいのよね?」
「うん。もう疲れたからね。僕たちに害があったり、認められないことがあったりしなければ君に従うよ」
「で、そろそろ眠いんだけど」

うう、眠そうに目をこするネオカワイイ。

「悪いけど、実際はそうじゃないけど人が召喚されるなんて思わなかったからそこのわらで寝て頂戴。この毛布もあげるわ。ふぁぁ、明日メイドに言って床に敷く布団くらいは用意させるわ」
「わかったよ」
「それじゃお休み」

言うが速いかネオは毛布に包まって寝てしまった。
僕もその隣に寝転がり、そのまま眠った。


こうして、僕たちの召喚一日目が終わった。

-4-
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