小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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決戦、グレモリー眷属VS幽幻龍騎士団VS英雄派+兵藤一誠! In京都(1)



「兵藤一誠、言われたとおりに俺の仲間たちを全員、集合させたぞ」


「結構いるなぁ。こいつ等が全員、英雄の子孫と末裔、魂を受け継ぐ奴らなのか」


二条城から下を眺めるとかなりの人数の構成員がいた。俺の家族にも英雄の子孫がいるけどこの人数と

比べると月とスッポンだな


「さて、御守りとは一体何だ?」


「御守りは御守りだ。まあ、見てな。・・・・・禁手」


大天使化に成り金色の翼を羽ばたかせ、空へ飛ぶ。英雄派の構成員たちの真上に飛ぶと金色の翼を巨大化に

させバサッ!と大きく翼を羽ばたいた。その際、大きな金色の羽が大量に翼から抜けて下にゆっくりと落ちて

行って構成員たちに溶け込んだことを確認すると曹操のところに戻る。曹操は構成員たちを解散させ持ち場に

向かわせた


「あれが御守りと言うやつなのか?」


「そう言うことだ。効果は秘密だけど」


「いるか?」と聞くと首を横に振った


「そうか、それとずぅーと思っていたんだけどお前等の実験って何だ?」


「そう言えばキミには話していなかったね。それじゃ俺たちの実験を教えよう俺たちはこの二条城で実験し

ようとしているのは」


緊張感がある空気に成った。俺は曹操の口から発する今回の実験内容を聞く


「―――秘密だ」


「秘密かいっ!」


ビシッ!


思わず曹操にツッコンでしまった!なんだよ、秘密なのかよ!?


「あっはっはっは!さっきの仕返しだよ。御守りの効果を教えてくれなかったお返しだ」


「英雄派のトップがお茶目なことをするなんて思わなかったな」


「まあ、実験と言っても確認だ。―――グレートレッドを呼べるかどうかな」


「―――なんだと?」


ガイアを呼びよせる?八坂を使って?何の理由で?と俺の中が疑問だらけになった


「グレートレッドを呼ぶってあのドラゴンは倒されているんだぞ?俺の家族の一人に」


「仲間が「それは不可能なことだ」「絶対に無理だ」「倒せるわけがない」と異議を唱えてね。本当に次元の

狭間にグレートレッドがいないか確認をしに行ったんだ。するとどうだ。―――グレートレッドが次元の狭間

に泳いでいる姿を俺たちは発見した」


「なっ、マジかよ?」


「ああ、だから俺たちはこの京都の都市の力と九尾の狐を使ってグレートレッドを呼びよせる。ああ、それと

キミの家族、ガイアと言う少女は世界を騙せるほど嘘が得意のようだが俺たちは騙されない。真実を調べて

確認するからね」


ガイアァァァァァッ!やっぱりお前がグレートレッドを倒しただなんて嘘だとバレテいるぞ!と言うより

無理があったんだぁぁぁぁっ!


「―――そじゃあ、ゲオルグ、九尾を連れて準備をしよう」


「了解」


ゲオルグは曹操の指示に従い八坂の許へ行った。八坂・・・・・


「では、俺たちも行こう。兵藤一誠」


「そうだな。新入りだが、気張っていかせてもらうぞ」


「キミには九尾の狐を守ってくれると有り難い」


有り難いのはこっちだ。ずっと傍にいられるからな」


「一つ聞く、俺の家族が来たらどうするんだ?」


「恋に任せるつもりだ。オーフィスは兎も角、人間と悪魔で構成されているキミの家族には負けないだろう」


「へえ、大した自身だな・・・・・って、そう言えば恋って英雄派にいるんだから、恋も英雄の子孫か何か

なんだろう?あいつは一体どんな奴のだ?」


俺はふと恋のことが気になって歩きながら曹操に尋ねた


「ああ、その前にキミは恋を『恋』と呼んでいるようだけど」


「ん?そう呼んじゃあいけないのか?普通に呼んでも嫌がる素振りはしなかったけど」


「そうか。実を言うと彼女、恋の本当の名前は『恋』じゃないんだ」


はっ?本当の名前じゃない・・・・・?偽名だって言うのかと問うとこいつは首を横に振った


「いや、それは彼女の真名だ。家族、親しい人間、自分が気を許した者しか教えてはならないものである名前

なんだ。彼女の生まれはそう言う風習があったらしい」


「んじゃあ、真名の他に名前が有るって言うんならどんな名前なんだ?それと英雄の名前は?」


曹操は歩を止め俺に向き直る。そして信じられない言葉を口にした


「彼女の名前は『呂布』字は『奉先』、俺と同じ三国志で有名の呂奉先の子孫だ」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――



Phantom Dragoon



「それでは、二条城に行くメンバーは決まった」


相手は『禍の団』テロリストに所属する英雄派。我らより戦闘能力は低いだろうが侮りはしない、

油断はしない


「行くぞ、二条城へ」


『了解!』


「二条城へではバスで向かいます。皆さま、お乗りになってください」


リーラの言葉を聞いて二条城へ行くメンバーは立ち上がり、待機するメンバーと別れ、バスに乗り込む。

バスに乗ったメンバーは我、ガイアとオーフィス、先代四大魔王、神、和樹、龍牙、以上十名だ


「念の為に絶対防御結界と攻撃に対する迎撃結界、最悪の場合も備えて多重移動式の魔方陣を張っておいた

から―――きっと一誠が英雄派に属したって各勢力に知らされているだろうし、一誠の仲間の僕たちも英雄派

だと思って攻撃を仕掛けてくるかもしれないからね」


「本当のことを知らしていないから当然だろうな。まあ、そこのところは兵藤一誠が誤解を解いてくれる

だろう。誤解を招いた張本人だからな」


クルゼレイが嘆息した。一誠が知人を救済しようと敢えて捕まり、仲間と成っているのは我らしか知らない


「黒歌、ナンバーズ、闇と紫天、他の奴等も一応気をつけろ。異変が起きたら直ぐに知らせるんだ」


『了解』


「では、行ってくる。リーラ」


「はい」


リーラが我等を乗せたバスを動かす。目指すは一誠がいる二条城だ。旅館から離れ夜間の道路を走るバスの

中は緊迫に包まれている。一誠を助けるために向かっているが仮に一誠が奴等の脅しで攻撃させられたら

我等は一誠と戦わなければなるまい。そのことを思うと酷く心が痛む。このメンバーなら一誠を確実に倒せる

何処どころか容易に捕獲できる


「赤龍帝」


オーフィスが窓の外を見てそう言った。バスは京都タワーの近くにある信号で赤に成っている為にバスは停車

している。オーフィスの言葉に外を見るとバス停のところに佇む赤龍帝とその仲間たちがいた。こっちに

は気づいていないようだがどうでもいい。何故なら


「如何やら迎えが来たようだな」


―――バスが霧によって覆われているからだ。


「イッセーを迎えに行く」


「そうだな。―――アザゼルはくると思う?」


「いや、調べたところ九尾の御大将を赤龍帝たちに任せセラフォルーと京都の外で英雄派の包囲網の指揮を

取るから現れないよ」


「なら、もうこの姿をしなくてもいいよね?」


「そうですね。ですが、仮面ぐらいはしておきましょう」


魔王たちはとある薬を飲み込んだ瞬間、一瞬の閃光を発して性別が元に戻った。我は空間に穴を開き其処に

手を突っ込み魔王たちに無言で何かを投げ渡す。龍を模した仮面だ


「ベルゼブブさん、これを渡しておきます」


「良いのか?」


「今回は魔法重視でするので、それに挑戦者の相手もしないといけませんからね」


和樹が聖剣エクスカリバーをベルゼブブに渡す。何か施したのか魔王であるベルゼブブが持っていても平気な

表情をしている


「・・・・・まさか私が聖剣を使う時が来るとは思わなったな」


「霧が晴れました。このまま二条城へ向かいます」


バスを覆っていた霧が無くなったらしい。同時に外にいた人間たちの姿が綺麗サッパリいなくなっている。

また別の空間に強制転移されたらしいな。リーラも気づいているのかバスの速度を上げ猛進で二条城へ

向かった―――途中で


「英雄派の構成員のようだな」


二条城に近づくにつれ、同じ学生服を着た人間が見かけた。しかし、このバスを止めようとも攻撃しようとも

しなかった。


「拍子抜けだな。てっきり攻撃がくるかと思ったが」


「もしかしたらイッセーが無駄だと伝えたのかしら?」


「若しくは私たちと戦っても意味が無いと悟ったかだな」


まあ、どちらにしろ。容易に二条城へ行ける。そして数分ほど経つとついに二条城だと思われる城の門に辿り

着いた。赤龍帝たちの姿は見えない。まだ来ていないみたいだな


「降りるぞ」


我の一言で全員、バスから降りた。同時に


「幽幻龍騎士団・・・・・っ」


「赤龍帝の仲間か」


一誠と同じ学園の制服を身に着込んだ二人の男と鎧を着た女もいた。二人の男が臨戦態勢の構えを取った。

それに呆れて溜め息を吐く


「勝てない相手に戦いを挑んでも無意味だ。それぐらいは理解できている筈だ」


「テロリストの仲間が何言っているんだ!」


等々、テロリストと言われたか。どうでも良いことだがな


「ヴリトラの、余り口が出過ぎると身を滅ぼす事に成るぞ?そこのヴァルキリーの方が利口だぞ」


「彼の仲間ですからね。私たちがどう足掻いても無意味だと理解はしているつもりです」


「せ、先生!どうして弱気になるんスか!?」


「一つ聞いてもよろしいですか?」


ヴリトラの言葉を無視したヴァルキリーは我らに問い掛けた。


「貴女たちは・・・・・兵藤くんに攻撃され戦うことになったら一体どうするんですか?貴女たちは家族だと

聞いております。そして同時に愛し合っていることも聞いています」


「心が痛むが戦うしかあるまい」


瞑目して答えた。ああ、それしかないさ―――だが


「同時に楽しみでもある」


「どう言うことですか?」


ヴァルキリーは怪訝な表情で訊いてきた。


「一誠をあそこまで強く鍛え上げたのは我らだからな。久しぶりに実力を知るのも悪くは無い」


「貴女たちが兵藤くんの師匠だったのですか?」


「ああ、―――さて、迎えに行くとしよう」


ドオオオオオンッ!


巨大な門を殴り木端微塵にして


「我等の家族を」


我等は二条城に入った



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



一誠side



「俺の家族が最初に来たようだ」


「そうか」


俺の隣にいる曹操が短く呟いた。二条城の庭に佇む八坂を視界に入れて。


「なあ、曹操」


「うん?」


「どうして織田信長の子孫を操っているんだ?俺も一度しか会ってはいないけど神器どころか得物すら持って

戦うことができなそうな奴らだったぞ?」


俺が気になって訪ねてみた。曹操は「ふむ」と呟き背後にいる二人を見る


「彼等を洗脳して調べてみたんだ。どうやら彼等は自分が神器の保有者だと自覚が無かったみたいだ」


「と言う事は神器を持っていたのか?」


「ああ、二人の腰に携えている刀がそうだ」


あの刀が?あの時、俺たちと初めて出会った時に無かった刀を見て俺は怪訝になる


「これは都合が良い」


曹操が突然口の端を吊り上げた。ああ、そう言うことか


「オーフィスもくれば確実にグレートレッドを呼べるだろう」


庭を眺めて曹操は確信した表情を浮かべて言った。・・・・・既にいるんだけどな・・・・・って、

成神たちも漸く来たか


「禁手使いの刺客を倒したか。俺達の中で下位から中堅の使い手でも、禁手使いには変わりない。それでも倒

してしまうキミたちはまさに驚異的だ」


曹操が言葉を発しながら姿を成神たちに露わした他のみんなも建物のあちらこちらの陰から姿を現した。

全員、同じ制服姿だ。俺は隠れたままだ


「母上!」


八坂の娘―――九重が叫んだ。その視線の先は操られている八坂に向いている


「母上!九重です!お目覚め下され!」


九重が駈け寄り声を掛けるが反応はしない。当然だ、操られているんだからな


「おのれ、貴様ら!母上に何をした!」


「言ったでしょう?少しばかり我々の実験に協力して貰うだけですよ、小さな姫君」


曹操はそう言うと、槍の石突きで地面をトンッと叩く。刹那―――


「う・・・・・うぅぅ。うああああああああああああああっ!」


八坂が悲鳴を上げ始め、様子が激変していく身体が光り輝き、その姿を徐々に変貌させていった。どんどん

巨大化になって九つの尻尾も膨れ上がっていく!


オオォォォォォォンッ!


「―――綺麗だ」


俺はそう呟いた。夜空に向かって咆哮を上げる巨大な金色の獣ーーー俺達の眼前に現れたのは中国の神話に

登場する生物。白面金毛九尾の狐だった。


「曹操!こんな疑似的京都まで作って、しかも九尾の御大将まで操って、何をしようとしている!?」


曹操は槍の柄を肩にトントンとしながら答え始めた。


「京都はその存在自体が強力な気脈で包まれた大規模な術式発生装置だ。名所と呼ばれるパワースポットは

霊力、妖力、魔力に富んでいる。この都市を生んだ古き陰陽師達が都市そのものを巨大な一つの『力』に

しようとしたからだ。まあ、それ故に様々な存在を呼び寄せてしまった訳だが・・・・・。この擬似的空間は

京都から極めて近く限りなく遠い次元の狭間に存在し、気脈のパワーはこちらにも流れ込んできている。

そして、九尾は切っても切り離せない関係だ。だからこそ、ここでおこなう事に意味がある」


息を吐くと曹操は言った


「―――都市の力と九尾の狐を使い、この空間にグレートレッドを呼び寄せる。本来なら複数の龍王を使った

ほうが呼び易いんだが、龍王を数匹拉致するのは神仏でも難儀するレベルだ。―――都市と九尾の力で代用

する事にしたのさ。しかし、思わぬ嬉しい誤算かな?もう一匹の龍王と無限の龍神のオーフィスが丁度この

場にいる。かなりの確率で呼び寄せるかもしれないな」


ガイアが目を細めこっちに視線を向けてきた。バレバレのようだな


「(一誠、我を呼びよせるとは一体どういうことだ?)」


「(曹操はさっきも言ったようにガイアを呼べるかどうかの実験をしようとしているんだ)」


「(・・・・・そんな下らんことで我等の旅行を妨害したって言うのか・・・・・!許し難いぞ!)」


あー、曹操。家のグレートレッドさんが怒っているぞ・・・・・ご愁傷様


「・・・・・そのグレートレッドって言うのを呼び寄せて殺すのか?」


「いや、流石にそれはどうかな。取り敢えず、捕えられる事が出来てから考えようと思っているだけさ。未

だに生態が不明な事だらけだ。調査するだけでも大きな収穫を得るとは思わないか?例えば『龍喰者』が

どれぐらいの影響をあの赤龍神帝に及ぼすのかどうか、とか。まあ、どちらにしろ、一つの実験だ。強大な

ものを呼べるかどうかのね」


曹操!調査ならしなくても教えられるぞ!長年ずっとガイアと一緒に暮らしているからな!それにしても

ドラゴンイーター?初めて聞く単語だ


「・・・・・よくわからねぇ。よくはわからねぇが、おまえらがそんなことをしたら、ろくでもないことに

なりそうなのは確かだな。それに九尾の御大将も返してもらう」


成神がそう言うと、ゼノヴィアが剣を曹操に向けた。―――鞘ごと構えたデュランダル。デュランダルに鞘

だと?目を細めデュランダルを観察していたら鞘の各部位がスライドしていき、変形していった。


ズシュゥゥゥゥゥッ!


激しい音を立てながら、鞘のスライドした部分から大質量の聖なるオーラが噴出し始めた。更に刀身をオーラ

に覆い尽くし、極太のオーラの刃としていく。新しいデュランダル・・・・・か。使いこなせていないのに

大丈夫か?


「イッセーの言う通りだ。貴様たちが何をしようとしているのか底まで見えない。だが、貴様の思想は私たち

や私たちの周囲に危険を及ぼす。―――ここで屠るのが適切だ」


ゼノヴィアの宣戦布告に木場が頷く。


「意見としては僕もゼノヴィアに同意だね」


「同じく!」


イリナも応じて光の剣を手に作り出した


「グレモリー眷属に関わると死線ばかりだな・・・・・。ま、学園の皆とダチの為か―――」


そう言うと匙の腕、足、肩に黒い蛇が複数出現し、奴の身体を這い出した。全身に黒い蛇を纏わせていく。

更に匙の足元から黒い大蛇も出現し始めた。大蛇は匙の傍らに位置すると黒い炎を全身から迸らせて、

とぐろを巻く。匙の左目だけが赤くなり、蛇のようになっていた


「・・・・・ヴリトラ、悪いが力を貸してくれ、成神がフォローしてくれるそうだからよ、今日は暴れられ

そうだぜ?」


そう呟く匙の周囲にも黒い炎が巻き起こっていた。大蛇が低い声音で喋りだした


『我が分身よ。獲物はどれだ?あの聖槍か?それとも狐か?どれでもよいぞ。我は久方ぶりの現世で心地

良いのだよ。どうせなら、眼前の者どもをすべて我が黒き炎で燃やし尽くすのもよかろうて』


「ヴリトラ、久しい」


懐かしそうに匙の傍にいる蛇を見詰めるオーフィス。そう言えば五大龍王―――いや、違った六大龍王の

一角だったな。ヴリトラって―――


ズォォオオオオオオッ!


ゼノヴィアが天高く掲げるデュランダルがオーラを大きく噴出させる音を発していた。極太の上に十五メー

トルはあろうかというほどに巨大に膨れ上がった聖なるオーラの刀身が眼前に誕生していった。長い、太い、

デカイな。


「―――初手だ。食らっておけッ!」


―――って、初っ端からフライングかよ!?ゼノヴィアは十五メートル級の聖なるオーラの剣を―――曹操

たちの方に一気に振り下ろした!巨木が横倒しに成るように新しいデュランダルの一撃が曹操たちのほうに

放たれていく


「(んー、防いだ方が良いかな?)」


心の中でそう思い『幻想殺しの籠手』を纏い、曹操たちの前に出て迫りくるオーラに触れると―――消散した


『―――っ!?』


「良い一撃だ。ゼノヴィア」


片腕を前に突き出したままゼノヴィアを褒める


「いやー、いいね♪」


本気で楽しそうな一言だった。


「キミたち、もう上級悪魔の中堅―――いや、トップクラスの上級悪魔の眷属魔と比べても遜色は無い。魔王

の妹君は本当に良い眷属を持った。レーティングゲームに本格参戦すれば短期間で二桁台―――十数年以内に

トップランカー入りかな?どちらにしても、末恐ろしい。シャルバ・ベルゼブブはよくこんな連中を馬鹿にし

たものだね。あいつ、本当にアホだったんだな」


曹操の言葉にジークフリートが苦笑する。


「古い威厳にこだわり過ぎて、下から来るものが見えなかった、と言ったところでしょ。だから旧魔王派は瓦

解したわけさ。―――さて、どうするの?僕、彼が防いでくれたけどさっきのでテンションがおかしく

なってるんだけど?」


「そうだな。とりあえず、実験をスタートしよう」


曹操が槍の石突きで地面を叩くと―――八坂が輝きだした。


「九尾にパワースポットの力を注ぎ、グレートレッドを呼びだす準備に取り掛かる。―――ゲオルグ!」


「了解」


曹操の一言にゲオルグが手を突き出した。ゲオルグの周囲に各種様々な紋様の魔方陣が縦横無尽に出現した

魔方陣に羅列されている数字や魔術文字らしきものが物凄い勢いで動き回る


「・・・・・魔方陣から察するにざっと見ただけでも北欧式、悪魔式、堕天使式、黒魔術式、白魔術式、

精霊魔術・・・・・中々豊富に術式が使えるようですね・・・・・」


ロスヴァイセが目を細めながらそう呟いた。流石は和樹の挑戦者だな。神滅具の保有者で魔法使いだし。

八坂の足下に巨大な魔方陣が展開する。


オォォォオオオォォォォンッ。


八坂が雄叫びをあげる。双眸が大きく見開いて危険な色を含み始め、全身の金毛が逆立っていた。

八坂・・・・・!もうしばらく辛抱していてくれ!


「グレードレッドを呼ぶ魔方陣と贄の配置は良好。あとはグレートレッドがこの都市のパワーに惹かれてく

るかどうかだ。だが、オーフィスがいるのは幸いかもしれない。曹操、悪いが自分は此処を離れられない。

その魔方陣を制御しなければならないんでね。これがまたキツくてねぇ」


ゲオルグの言葉に曹操は手を振って了承している様子だった。


「了解了解。さーて、どうしたものか。『魔獣創造』のレオナルドと他の構成員は外の連合軍とやりあって

いるし。彼等がどれだけ時間を稼げるか解らない事もある。外には堕天使の総督、魔王レヴィアタンがいる

上、セラフのメンバーも来ると言う情報もあった。―――ジャンヌ、ヘラクレス」


「はいはい」


「おう!」


曹操の呼び声にジャンヌと巨体の男―――ヘラクレスが前に出た


「彼等は英雄ジャンヌ・ダルクとヘラクレスの意思―――魂を引き継いだ者達だ。ジークフリート、お前は

どれをやる?」


曹操の問いにジークフリートは抜き放った剣の切っ先を―――木場とゼノヴィア、更に和樹が渡したのか聖剣

エクスカリバーを腰に携えている仮面をかぶっているベルゼブブに向けた。それを見たジャンヌとヘラクレス

は顔を笑ませた。


「じゃあ、私は天使ちゃんにしようかな。可愛い顔をしてるし」


「俺はそっちの銀髪の姉ちゃんだな」


それぞれが視線を交わした。・・・・・木場とゼノヴィア、ベルゼブブがジークフリート、イリナが

ジャンヌ、ロスヴァイセがヘラクレス・・・・・。


「恋、キミは?」


恋にも問う。恋はトコトコと俺の方に近づいて「ご主人様と一緒にいる」と曹操に返した


『ご、ご主人様ぁぁぁぁ!?』


やっぱりお前等はそこを反応しちゃうのね!?イリナもゼノヴィアもロスヴァイセも何故か反応しちゃっ

ているし!


「イッセー!どういうことなの!?」


「いや、どうも何も恋に気に入られているみたいなんだ」


「その上、恋とジャンヌと複数の仲間を抱いたしな。それも何十回もだ」


――――ピシッ!


曹操が爆弾発言をしたおかげで空気が氷河期を向かえたかのように冷たく寒くなった


「一誠、そいつが言ったことは本当なのか・・・・・?」


「ガ、ガイア・・・・・?」


「答えてくれ」


な、何かガイアとみんなの様子が・・・・・。でも、俺が悪いよなぁ・・・・・


「事実です」


正直に答えた。すると俺を慕う彼女たちが口を開いた。きっと非難の声―――


「何故、そいつらを抱いたのだ!?本当なら今日は我を抱く番だった筈だぞ!」


「ずるい」


「そうよ!本当なら昨日は私なのに!」


「うむ。順番を守ってもらわないと困るぞ」


「そうよ!」


「イッセーくん!助けたら直ぐにしようね!」


「彼女たちを抱いた回数以上してもらわないと許しませんから!」


お、お前らも爆弾発言を言うなぁぁぁぁぁぁぁ!


「・・・・・やっぱり、私は彼の家族と戦うわ」


「恋も戦う。ご主人様は渡さない」


「木場、悪いが私はあいつ等と戦う」


「ゼ、ゼノヴィア!?」


なんか・・・・・混沌化と成ってはいないか?


「え、えっとぉ・・・・・。私も一誠くんの家族と戦う!」


イ、イリナ!?相手がいなくなったからってよりによって俺の家族と戦うなんて無謀すぎるぞ!


「恋と言ったな?貴様の相手は我がしてやろう」


「・・・・・殺す」


あっ、ガイアは恋の真名を言ってしまった。恋は許したわけでもないのに真名で呼ばれて激怒したのか

全身から赤いオーラを迸り始めた。


「五本の魔剣と一本の聖剣か・・・・・。六刀流か、面白い」


ベルゼブブがジークフリートの腰の剣を見てそう呟いた。


「では、貴女の相手は私がしましょう」


メイビスがジャンヌを指定した


「じゃあ、私は貴女とね!」


レヴィアタンがイリナを見て言った


「それじゃあ私は・・・・・あの子としようかしら」


ルシファーは操られている信長を指名した


「では、僕は彼女を」


龍牙は信奈を視界に入れて言った


「うーん、ゲオルグは後にして僕はヘラクレスと相手をしようかな?」


ゲオルグを後にしてヘラクレスと戦うと決めた和樹、曹操は成神とするみたいだ。そして俺の相手は


「よくも俺たちを裏切ったな・・・・・・兵藤!」


怒りに狂う匙だ

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