「やっほー!みなさん、おっはよございまーす!いいお天気ですねぇっ!」
どう考えてもいい天気とは思えない朝に元気に入ってきたのはルリだ。
「おはようルリちゃん。いいお天気だね。」
そんなところには突っ込まないで優しく答えたサンジ。
「今日の朝ご飯はなにかな?」
おいしそうなスープのにおいがルリの鼻をかすめる。
「どこがいいお天気よ。」
気象に厳しいナミはあきれながらきれいなオレンジ色の髪をなでつける。
「あれ、ナミちゃん。その飲み物はなんですか?」
「コーヒーよ。においでわかるでしょ。」
ナミが苛立ってコーヒーの入ったカップをルリの鼻におしつけた。
「おええっ。わたしはこのにおいが嫌いなんですよ!?ひどいじゃないですかぁ!」
「あら、そうだったかしら。」
知ってるくせに……!
ルリは意地悪なナミをにらみつけた。
「おぉい。ルリィ!その帽子をとってくれエ!」
必死な声のルフィがいた。
ウソップに帽子を取られていた。
「おいおい。助太刀はひどいぞルフィ!自分で取り返してみろよっ!」
ほぉほぉ。取り合って遊んでんのか。そんなに必死になるんだったらこんな遊びしなければいいのに。
「ねぇウソップさん。それはルフィさんが大切にしている帽子なんですよ?もしも遊びだったとしてもなくなってしまったら取り返しがつきません。ほかの遊びをしてはどうでしょう。」
「だったらルリもとってみろよっ!」
こっちは真剣に話してるのに……
でも挑発されたら引き返せないルリである。
「よぉし。とってみせますよォ!!」
さっき自分から言った言葉はどこへやら。本気でとろうとしている。
運動神経はわりといいようだ。
俊敏な動きでウソップを惑わさせ、目が追い付かなくなったところでジャンプして麦わら帽子をくわえた。
「おォ!ルリ、サンキュー!」
「くっそぉ、早いなァ……」
「楽しかったですよ、ウソップさん、ルフィさん。」
ゴロゴロ言いながら体を足にすりつけて甘えた様子を表現した。
「ゾロさんがいないなぁ……。」
「ルリちゃん。すまないがマリモ野郎を起こしてきてくれ。朝飯にすっから。」
寝てるのか。
ゾロが寝ている部屋へ入ると寝息が聞こえてくる。
「なぁんか起こすのかわいそうだな……」
そーっとベッドの上に上る。
はじめて会ったときは顔にびっくりした。こわもてだったから。
しかし意外と寝ているときの顔は子供っぽい感じがしてならない。
「……年下の私がそう思うのはおかしいかな。」
「うわあっ!」
ベッドが急に動いた。猫のルリには大きい地震のようだ。
「ブツブツブツブツうるさいぞ。ゆっくり寝れん。」
「もう起きてくださいよぉっ!サンジさんが起きろって言ってますっ!朝ですよぉっ!」
必死になった。
「あんなクソコックのいうことなんか聞くか。」
「では私からのお願いです。起きてくださいっ!」
服の裾を引っ張った。
「わわっ!」
ゾロに首根っこをつかまれた。
「静かにしてろ。」
ベッドの下におろされた。
絶対私のことを見下してるっ!年下だからって……!
「もう!知りませんっ!」
怒ってルナは出て行った。