とぼとぼと帰ってきたサンジが心配していう。
「あんのクソマリモッ!くぁわいいルリちゃんがいい目覚ましとして起こしてくれてるのにもったいないことに無視して寝続けているんだな!」
……一言で起きてくれないって察してくれればいいのに。
たまにサンジは面倒くさくなるとルリは思った。
スタスタスタスタ……
「!ゾロさん!起きてるじゃないですかっ!ひどいですっ!」
頬をプクゥとふくらました。
「今日はコーンスープにしてみた。うまいぞォ。」
湯気がフワフワと立ち上る。においはおいしそうだが……
「サンジさん……わたしが猫舌なのを知ってこんなの作ったんですか?」
「ルリちゃんのためにちょうどいい熱さに作ったよ。安心していいぜ。」
ホッとルリは胸をなでおろした。
「当たり前だっ!俺が誘った仲間だもんなっ!」
「なー。」
ルフィとウソップはスプーンをもちながらうんうんと勝手に関心している。
「本当です!サンジさんはゾロさんと違って優しいですね〜♡」
サンジの白く細い手に頭をすりつけた。
そんなルリの大サービスにメロメロだ。
「さて、いただきまーすっ!」
みんなガツガツと食べ始める。
ほかにも、たくさんの種類のパンや野菜があった。
ルフィはそこにあるものを流し込むようにたべている。
目の前にあったものが空っぽになって返ってくる。大食い選手権に出て優勝カップをかかえているルフィを思い浮かべた。
おそるおそるスープに舌を近づけた時、スープ皿が消えた。
ルフィに取られたのだ。
「る〜ふぃ〜さ〜ん……」
目がギラーンと光った。まるで真夜中に迷い込んだ人間を襲う猛獣のような眼。
「私の朝ご飯を返してくださいっ!」
顔面にとびついた。食べ物の恨みは恐ろしいとはこのことをいうのか。
「ルリには教えてなかったな。ルフィは何回言ってもこりずに人の取るからみんなは抱えて食うんだ。」
そういわれればそうだ。
「ったく。ちゃんとおかわりあるってのに。」
「あっ。いいよ、サンジさん。パンを食べるから。」
二つほど加えて部屋を出て行った。
「やっぱり二日目だから慣れてないのかしらね。」