とりあえずこれで一人、残りは3人。殺さなきゃどうにでもなるさ。
弓兵が攻撃してこないのはあの隊長の命令か。
よっぽど俺を生け捕りにしたいらしい。
「貴様……!!!」
仲間がやられた事が頭にきているのか、隊長らしき奴は剣を抜いて今にも走ってきそうになる。
こいつもバカならいいんだがな……銃をバカスカ撃って攻撃手段を知られるわけにもいかんし。
俺は構えを崩さず、そのままで倒れているアホ騎士の首に膝を乗っけて体重を掛ける。
今このアホ騎士には結構な首絞め攻撃が掛けられているのだ。
「……何をしている?」
相変わらず顔の見えない隊長が、クールに怒りながら訪ねてくる。
賭けに出るか。
「交換条件だ。今すぐに全員武装解除しろ、そうすればこいつは解放する」
あまりやりたくは無いが、仕方ない。
手負いのままこいつらを相手にするのは分が悪すぎる。
何を驚いたのか、奴らはお互いの顔を見合わせた……なんだ、かなり嫌な予感がする。
「我々は敵の要求には屈しない。その騎士も死は覚悟している」
うわマジかよ一番嫌なパターンだ。
我々はテロには屈しないみたいな言い方しやがってこのアメ公め。
「ベアトは援護、グローリーは私に続け……行くぞッ!!!」
「……マジかちくしょう」
攻撃に加わるのは隊長とその他一人。もう一人はなぜか後退している。
「うおッ!?」
俺は足元の兵士から離れると、まるでロケットのように突っ込んでくる隊長の剣を回避する。
だが一秒後にはもう一人の騎士が低い体勢から、水平薙ぎ払いを決めようと駆けてきている……なんだってこいつらこんな速いんだ!?
「ッ!!!」
こいつが攻撃動作をする寸前に、手を蹴り飛ばして攻撃を中止する。
どうやら予想外だったのか、騎士は驚いたような声をわずかに上げると後ろに下がる。
「せいっ!!!」
そしてすぐさま隊長の攻撃が俺へと降りかかる。