小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『結成。三人の海賊団』





アスラは久々にのびのびと漁をしていた。

ここ最近は人数が増えてしまったことと、大食いな船長が原因での食糧不足を補

う為に海に入っていたが、今回は好きにできることがアスラは嬉しかった。

リトルガーデンから離れるわけにもいかず近場で潜る。

(あーやっぱ漁は自由にやらないとなー)

獲物を探しながら泳ぐ半面、

(まったくルフィの奴は自重することも出来ないのか)

怒りをぶつけていたが。

(おっ、良さそうな魚だな)

獲物に狙いを定めるが、先に感づかれたのか深いところに逃げられてしまった。

息も苦しくなってきたところでアスラは一度浮上する。

「ぷはぁ! はぁ、はぁ、やれやれ俺もまだまだだな」

一旦陸に戻ろうとリトルガーデンの方を見ると、

「あれ、ずいぶん離れたな、参ったなあー」

呑気な口調で泳ぎながら戻る。

「ん? あれは……」

アスラが居る位置から左側にリトルガーデンに停泊している船を見つけた。

「海軍の船か……」

軍艦が目に入った。

「あれをいただくとしますか」

ニヤリと怪しい笑みを浮かべるアスラは見つからないように海中を泳いで陸へと

急いだ。







ファーゴはルフィとビビに気が付かれないように行動していた。その際獣たちが

襲ってくるが、最小限の爆発と爆音で倒していく。

「ふぅ、しつこい奴らだ」

襲い掛かる獣を倒し、再びルフィたちを監視する。

「呑気に遊んでやがる。ん? あれは……」

ファーゴから少し離れた位置に銃を持った海兵がいた。

「おい、本当にやるのか?」

「当たり前だ魔槍がローグタウンで数日いたと思えば突然のグランドラインに入

り、今度は東の海でいきなり二千万ベリーの首になった麦わらと一緒にいるんだ

ぞ、魔槍は無理でも麦わらは今のうちに捉えるべきだ。俺たちも昇進できるかも

しれないぞ」

消極的なのか積極的なのか分からない発言をしている海兵たちを見て、

(どこからか情報が漏れたのか? まぁいい、今のうちに潰しておいた方がいい

だろう)

ファーゴはルフィたちから離れて海兵の方へと向かう。







リモーネはアスラから出された課題をこなすためリトルガーデン内にいる獰猛な

生物を探していた。

ついでにということで、月歩を使いながらの移動である。

「キャハハハ! 見つけた」

下にティラノザウルスを見つけたリモーネは右足だけに重さを集中させた。

「一万キロ、ストライク!」

以前と違う所はというと彼女は以前までなら全体的な重さが一万キロだったが、

現在は右足だけに重さを集めることができる。

よって集中的な威力を得ることができるようになった。

ティラノザウルスの頭部に見事命中し、脳をやられたティラノはそのまま倒れて

しまった。

「さぁて次は……」

「リモーネ」

突然背後から声をかけられてリモーネは思わず飛び上がった。

背後にいたのは上半身裸のアスラだった。

「きゃ! び、びっくりさせないでよアスラ、で、どうしたの」

「この島にどうやら海軍が来たみたいだ」

「へぇこんなところにね」

「ああ、だから奪うぞ」

「……何を?」

「船に決まってるだろ? 行くぞ、ファーゴと合流だ」

リモーネは思わずかっこいいなと考えていたが、すぐに現実に戻ってアスラと共

にファーゴのいる場所へと向かった。







数分後

アスラの覇気を使ってファーゴのいる位置はすぐに特定された。ルフィたちの声

に焦りを感じたが、アスラは鍛えてある以上簡単にはやられないだろうと判断し

て海兵と思われる声と戦っているファーゴの下へと向かった。

途中獣が襲ったりとしてきたが、リモーネが倒した。

そしてようやく合流したファーゴの周りには海兵たちが体を黒く焦がしながら倒

れていた。

「ふぅー、ん? アスラたちか」

「ご苦労さん、さて船をいただきに行こうか」

「……とんでもない奴だな」

「キャハハ、諦めましょ」

三人は軍艦が停泊している場所へと向かい、待機として残っていた者たちを倒し

て軍艦を手に入れた。

「ん? ルフィたちも終わったみたいだ。行こう」






「ルフィ、無事終わった終わったみたいだな」

二人の巨人と共にいたルフィたちに声をかける。

「アスラ〜敵がいたこと知ってたなら助けてくれよ〜」

ウソップが涙目で訴えてくるが、

「自分たちの問題は自分たちで解決しろと言っただろ」

「こっちは死にかけたのよ!?」

「ナミ、言ったはずだ。海賊王になる男についていく以上覚悟しろと」

「うっ……」

「まぁ俺たちも海軍相手にしてたから勘弁してくれ」

「海軍!? ここにまで来てたの!?」

「どうやら、独断みたいだがな、まぁそのおかげで船をいただけたがな」

「じゃあ、アスラも海賊になんのか?」

ルフィが嬉しそうに尋ねる。

「ああ、そうなるな。まぁしばらくはビビの護衛で一緒に行動することになるけ

どな」

「そっか、よろしくなアスラ」

「おう。ああ、そうだなんなら同盟でも組むか?」

「同盟?」

「そ、互いに利点があるように協力することだ。俺は海賊王になる気はないから

そうだな……海軍や自分たちより強い敵が現れ、敵いそうにない場合のみ手を貸

す。毎回俺に助けられてんじゃ意味ないしな」

「いいぞ、アスラは何がいいんだ?」

ルフィは即決し、逆にアスラに質問する。

「そうだな。アラバスタまではそちらの船にビビを乗せてやってほしい。あとは

食事とか不足なことが起きた場合を頼みたい」

「おし、いいぞ」

「なら、同盟成立だな。本当はもっとこだわったほうがいいが、そうも言ってら

れないみたいだな」

「ん? なんでだ?」

「今別の場所にいるサンジがMr.0と話してる。そいつがクロコダイルだろ?」

「え、ええ」

ビビは驚いていた。アスラの覇気はリトルガーデンほどの範囲なら聞くことがで

きるのかと。

「さて、少し厄介なことになりそうだし、さっさと出よう」

「うし、急いでクロコダイルをブッ飛ばす!」

その後サンジと合流。いい情報を持っていると言うが、アスラがすでに話してお

り、落胆する。





船に戻ったアスラたちは海軍のマスト部分を変えることにしたが、どのようなも

のにするか迷っていた。

「そういえばアスラ、俺たち一味の名前はどうするんだ?」

「うーん。そうだな……」

「普通にアスラ海賊団とかはダメなのか?」

「キャハハ、それださーい」

「うーん……あっ」

ふと、アスラは自身の身のことを思い出した。

「フィオナ海賊団」

「「えっ?」」

「フィオナ海賊団にしようと思う」

フィオナはケルト神話のディルムットが所属していた騎士団のことである。

「キャハハ、いいんじゃない?」

「ああ、異論はない」

「なら、俺たちは今を持ってフィオナ海賊団だ」

「ああ」

「ええ」

その後絵がうまいウソップに頼んで海賊旗を書いてもらった。

ドクロは当然だが、クロスさせている骨の部分を赤い槍と黄色い槍にしてもらっ

た。

「おし、できたぞ」

「悪いなウソップ」

「良いってことよ、同盟仲間だろ」

「そうだな。さて、こっちの都合で出るのが遅くなってしまったな。急ごう」

二隻の船はリトルガーデンを出る。

そこへ二人の巨人が現れ、見送るように立っていたが、

「そういえば、島喰いが出るんだっけか」

アスラは何が起きるのか思い出した。

案の定島喰いは現れ、ドリーとブロギーは真っ直ぐ振り返らずにすすめと言う。

『覇国!!!』

島喰いの口の中に入り込んだ二隻を後押しするようにエルバフが誇る槍を受け、

島喰いに大きな穴が開いた。

その中を通って二隻の船は真っ直ぐに進んでいった。

「いつかあれ覚えたいなー」

アスラのそんなつぶやきを流しながら。





<あとがき>

どうも八咫です。ようやくできました。

一味の名前をどうするかで悩みましたが、最終的にこうなりました。

それと、これから先仲間になる者たちは基本原作キャラで行きたいなと思ってい

ますが、このキャラ! というのがあればコメントしてください。検討していき

たいと思います。

次回はとりあえずアスラ一味の暫定のキャラ紹介をしようと思います。

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