小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『古代が生きる島』





ウイスキーピークを出ようとしたところで、アスラには聞き覚えのある声がした。

振り返ると帽子をかぶり露出の多い服を着た。女が船の二階部分の手すりに座っていた。

「ミス・オールサンデー!!」

ビビが驚いた表所をしていた。

アスラ以外は面識がない為、突然現れた女に驚いていた。

「おーお前か、元気そうだな」

アスラだけは呑気に話しかけていたが。

「ええ、あなたも変わりないようね」

「まぁな」

「あなたあいつと!?」

ビビは驚愕の表情を浮かべる。

「まさかっ!! あなたも組織の!」

「なんでそう飛躍するんだよ、というかなんで弱い奴の部下にならなくちゃいけ

ないんだ?」

容赦ない言葉でここにいない人物を中傷する。

「ふふっ、言うわね。確かに彼の方が強いわよ王女様、私が組織に入る前に一度

会ったけどその時からすでにボスを超えてたわよ?」

「伊達に億の賞金首をやってねぇんだよ」

肩をすくめて笑みを見せるアスラ。

「それにクロコダイルの相手はルフィがする」

「ん? 俺か?」

「そっ、七武海を倒せば、懸賞金も上がるし、その過程で強くもなれるし、海賊

王を目指すならこの障害はなり超えなきゃな」

「そっか、よし! やるぞー!」

「ああ、初めからとんでもないことに……」

涙を流しながら嘆いているナミにサンジが近づく。

「んーナミすぅわぁん! 貴女のことは俺がお守りします」

「寝言は寝ていえコック」

「んだとマリモ」

「やんのか」

ゾロとサンジが騒ぎ出し、ウソップが、

「おおおお、俺は持病のアラバスタには言ってはいけない病が」

などと妙なことを言っていた。

「騒がしいな……」

「ええ、ホント」

ルフィたちの姿を見て、呆れるMr.5とミス・バレンタイン。

「まさかあなたたちが裏切るなんてね、Mr.5、ミス・バレンタイン」

ミス・オールサンデーが二人を見る。

「ああ、俺が引き抜いた」

「なるほど」

納得した様子のミス・オールサンデーはビビの方を見る。

「本気で国を救えそうね。ふふ、面白くなってきたわね」

楽しそうな表情をするが、それを見てビビは憤怒の表情をする。

「あなたっ!」

攻撃しようと動くが、

「やめとけ」

アスラに腕を掴まれる。

「っ、放して!」

「今はお前の方が弱い、無謀に突っ込んで怪我するな」

「でも!」

「そのために俺がいるんだよ。正直できるか不安だが」

「えっ?」

「お前たちを可能な限り強くし、誰がクロコダイルに当たってもいいように鍛え

てやる」

その発言を聞いて、喧嘩していたゾロとサンジや持病もちなどと嘘をついていた

ウソップは体を固まらせ、ルフィは楽しそうに目を輝かせる。Mr.5ペアは顎が外

れるんじゃないかというぐらい口を開く。そして微笑むミス・オールサンデーこ

とロビン。

「無理に決まってるだろ! 俺はまだ死にたくねぇよ!」

ウソップが喚きだすとそれを引き金に、

「そうよ、あんたみたいな化け物じゃないのよ私たちは!」

「いや、一応人間だが……」

アスラは冷静に返すがナミの激怒は収まりそうもなかった。

「というか海賊やってるんだ。命ぐらい賭けろ」

「いやよ! なんで命なんて懸けなきゃいけないのよ!」

「そらぁ、未来の海賊王の船に乗ってるからだろ」

ショックを受けるウソップとナミ。

「それにこの程度の困難は乗り越えなきゃな、自分の夢に届きはしないぞ?」

それを聞いてルフィたちは体をピクリと動かす。

「本当に出来んのか?」

ゾロがサンジとの喧嘩をやめ、アスラを睨みつける。

「俺もまだ未熟だが、億にも届かない七武海一人なら何とかなるだろ」

「……」

それを聞いてビビは一人表情を硬くした。

「ふふ、楽しそうね。私はアラバスタで待ってるわ」

傍観していたロビンはそれだけ言ってパンチに乗って行った。その際ルフィが亀

を見てはしゃいでいたが。

「な、なあ俺たちもか?」

不安そうな表情で尋ねてくるMr.5.その後ろで嘘だと言って、といった顔をして

いるミス・バレンタイン。

「当然だろ。俺は面白い奴を仲間にするが、弱くていいわけないだろ」

絶望した顔になる二人。

「やっぱりやめとけばよかったかも……」

「今更遅い、あきらめろ。あー、そういえば名前聞いてなかったな」

今更だと思われるがすっかりそのことを忘れていたアスラは二人に尋ねる。

「ファーゴだ」

「リモーネよ」

「ファーゴにリモーネ、うし覚えた。よろしく、ビシビシ鍛えていくからな」

これから死ぬんじゃないかと思うくらい二人は気が重かった。

「そういえばなんでアスラたちはここにいるのよ」

ふと思ったナミはアスラたちに聞いた。

「こいつらの船が破壊されてたんだよ、多分あのラッコだな、ああ船を手に入れ

次第この船からは降りるからさ」

そう笑ってナミを見た後、ビビに対して、

「程度と言って怒ったのなら謝ろう。すまない。だが、ルフィが最初の大きな試

練としては持って来いなんだ」

「どうしてあなたは戦わないの? あなたが戦えばクロコダイルだって……」

「それじゃルフィが海賊王になれない。他人の力でなったってうれしくないだろ

ルフィ?」

「ああ、全然うれしくない!」

「だが、その戦いを乗り越える為に強くなるのは嬉しいだろう?」

「おう!」

「まぁそういうことさ、けど、ルフィがダメだった場合は俺がやるぜ? そこは

安心して欲しい。まぁ海軍の相手で忙しいと思うけどな」

苦笑いを浮かべ空を見上げる。

「俺は天に抗い、世界に刃向った。もう怖いものはない。後は満足して死ねるの

か、それだけだ」

正面を向き、全員を見た。

「だからこそ俺の夢は麦わら海賊団。お前たちの夢を見届けること、それ以上は

望まない」

それを聞いたルフィたちはみな笑って、

『おう!』

とだけ言った。

「……」

「今は国を救うでいいんじゃないか? その後のことはゆっくり考えろ」

思い悩んでいるビビにアスラは話しかける。

「俺が依頼されたのは国に無事届けること、そのあとどこに行こうが勝手だろ、

まぁ未来の話をしても仕方がないな。さて、まずは軽いトレーニングから始めよ

うか」

それを聞いた数名が悲鳴を上げる。

「おい、ビビ! お前もだぞ」

「えっ!? わ、わたしも!?」

「当たり前だろ、王女だからってこの船に乗っている以上は戦う人間でなきゃた

だで人数が少ないんだからさ」

「え? え、ええ!」

悲鳴が一人増えた。







リトルガーデンに行くまでの間、アスラはまず覇気のことを話した。ウイスキー

ピークでビビには説明をしたが、改めて全体的に語った。

見聞色の覇気はアスラ自身が習得していた為に、全員で攻撃させどのような攻撃

をどこからどの角度で攻撃するのかを目を瞑って行って見せた。また鍛えれば広

範囲まで聞くことや見ることができることを教えた。

他の覇気は習得していないため、実戦形式で死ぬほどの思いをするか、それに準

ずるほどの衝撃を受ければいいと考えたアスラは、

「俺の攻撃を避けて俺に攻撃しろ。ただしファーゴ、お前は近距離だけだ。能力

に頼りすぎないようにしろ」

と言った。

ただし、刃のある方でやってしまうと傷つくので逆の方でアスラは戦うことにな

った。これによって気が付いたのは必中の効果があるのは刃の部分だけで、逆の

方には全く影響はなかった。

しかしそれでも場馴れしているアスラは強く全員すぐにばててしまった。

また、次の日には六式を教えた。ただしアスラ自身が使える三つのみであるが。

(原作よりは確実に強くなっているな)

ルフィ、サンジ、ウソップは若干ではあるが、剃を使いえるようになり、

ナミは紙絵が上達した。

ゾロは覇気ではなく剣気と言うべきか、未だ弱いが、鉄に傷をつけられるように

はなっていた。

ビビは初めこそはアスラを疑っていたが、トレーニングの内容をこなしていくう

ちにアスラが言った言葉が本当ではないかと思うようになっていた。その為必死

に鍛え上げ、他の誰よりのアスラに挑んだ。結果、本当に低い確率で見聞色の覇

気ができるようになった。

ファーゴは能力に頼りすぎていた思考を改善させている途中だが、体も鍛えられ

てそれに比例するかのように多少ではあるが能力もよくなっていた。

リモーネは月歩を集中的覚え、上達した。なぜか剃は未だに悪いが。




また、余談であるが、リトルガーデンに着く間に何度も食糧危機にあったが、ア

スラが漁をすることができる人間であったため、何度も救われた。






数日後

「さて、見えてきたぞリトルガーデン」

目の前には木々が生い茂る森が見え、鳥たちの声が不気味に響く。ナミやウソッ

プは多少怯えている。

「ここは太古の生き物がいる。当然病気もだ。服装はなるべく肌を露出しない物

を着ろ。何かあったら困るだろ? この船には医者がいないからな」

その言葉に皆がしたがったが、ルフィは、

「なあアスラ! 太古の生き物って何が居るんだ!?」

興奮しながら訪ねてきた。

「そりゃ恐竜に「サンジー! 海賊弁当!」おいおい……」

あまりの興奮にアスラの言葉を最後まで聞かずにはしゃぎだした。

「ルフィさん、私も行っていい? 色々と見てみたいの」

「おお! いいぞ、探検だー!」

「ファーゴ、リモーネ」

「なんだ?」

「何?」

「ファーゴはビビを陰ながら護衛しろ、気が付かれないようにな、襲われた際に

使う能力も極力弱めにしろ」

「分かった」

「リモーネは体全体ではなく一部分だけ重くできるようになれ、その状態でこの

島にいる生き物を数体倒して来い」

「わ、分かった」

「俺はその間漁をでもしてくる。何かあったら自分の判断で動け、一人で無理な

場合は互いに協力するか俺を呼べ」

『分かった』

「じゃあまた後でな」

三人は内密に話し合った後すぐさま船から降りた。

ゾロやサンジはどちらが大きな獲物を取るかで森に入ってしまった為、メリー号

にはナミとウソップしかいない。

その後は原作通り酒を持っていないか尋ねに来たブロギーと共に彼が寝泊まりし

ている場所へと向かった。





ここは太古の島リトルガーデン。彼らの物語はまだ始まったばかりである。





<あとがき>

どうも八咫です。

本当にすいません。駄文をお見せしてしまい申し訳ないです。もっと面白くかけ

ればいいのですが……

これはあり得ないと思う部分があるとおもいますが、この作品ではご了承くださ

い。

では次回『結成。三人の海賊団』で、失礼します。

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